神宮さんと神宮くん×3と新米神様の出会い
「こ、ここどこ⁉」
私、神宮弥生。A高校の1年生!なんだけど?
なんか、目の前に広がる光景がちょっと・・・いや、かなりおかしい。
だって私、部活中に疲れて寝てたはず。(サボったわけじゃないよ!)
なのに、なんかここ音楽室じゃないし、(あっ、ちなみに私吹奏楽部でトロンボーン吹いてたの。)で、なんか目の前が光輝いてるし、地面フワフワだし。
あれ?もしかしたらもしかして、私死んじゃったわけ?もう死んでいる!的な?
いやいや、まだ私高1だぞ。ピッチピチの16歳だぞ。
「おい。そこのチビ。」
はいはい、私はチビですよ・・・って、えぇ⁉
私の他に誰かいる⁉
声のした方を向くと・・・。
「神宮先輩⁉」
そう、そこには私の高校の先輩、神宮五月がいたのだ。
苗字は一緒だけど、家族じゃないの。
ただの、苗字が同じ人。
でも私、神宮先輩としゃべったことないんだよね。
神宮先輩といえば、私の通ってる高校で1番の不良なわけ。
まぁ、何もしなかったら何もしてこないんだけど。
だから、今までかかわらず、まともに顔を見たこともなかった。
で、今日まっすぐ先輩の顔を見たわけだけど・・・。
か、かっこいい!
私、キュンってしちゃった。
でも・・・。
「お前、誰だっけ?」
そーですよね!
こんなパッとしない、平凡な女子なんてわざわざ覚えませんよね!
「えーっと、1年の神宮弥生です。」
神宮先輩に、自己紹介するなんて!
「あぁー!お前が神宮か。ダチから聞いててさー。」
あれ?意外とフレンドリー?
「で、ここどこだ?」
わ、私に聞かれても!
「分かりません。気がついたらここにいて。」
やっぱり、ここは・・・。
「死後の世界の入り口なのかー⁉」
えっ?
叫んだのは、私でも神宮先輩でもない。
「誰だよお前。」
せ、先輩怖いよ聞き方!
でも、その人は動じない。
「俺は、神宮睦月や。君らこそ誰や?」
か、関西弁やー!
って、そんなこと気にしてる場合じゃない。
「私は、神宮弥生です。」
先輩は口を開かない。
「で、この方は神宮五月です。」
なんで私が紹介を・・・。
「うわー、フワフワだぁー!」
誰?この可愛らしいしゃべり方は。
「あれぇ?でもここどこだろぉー?」
気づくのおせーな!
「神宮・・・?」
神宮さんがつぶやく。ってややこしいな。
五月の方じゃなくて、睦月の方がね。
「あれぇ?神宮くんだぁー。ここどこぉー?」
男子のくせに可愛く聞くな。
「あれぇ?君たちは誰ぇ?」
えっ?今っすか?
「私は、神宮弥生。で、この方は・・・。」
「神宮五月だ。」
おっ!先輩がしゃべった!
「僕もぉ、神宮なんだよぉー。」
知ってます。
「神宮葉月だよぉー。でねぇー、なんでこんなとこにいるんだろうねぇー?」
ほんとだねぇーって、しゃべり方うつっちゃうじゃん。
でも、本当。なんで、私達4人がこんなとこにいるのか。私達の唯一の共通点は・・・。
「全員苗字が神宮なんだな。」
あっ、先輩に先こされた。
そのとき、目の前でキラキラ輝いていた煙が消えて、中から人(?)がでてきた。
もしかして、お迎え?
あれ?泣いてる?
「グスンッ。私、クビだ。グスンッ。」
えっ?クビ?
「ミカさんも、助けてくれたらいいのに、自分で頑張りなさいなんて。」
ミカさん?
「これで2つの高校は、時間がおかしくなってるし、あぁー!どうしよう!」
2つの高校?ま、まさか⁉
「おい、ねぇさん。」
先輩が、その人に話しかけてる!
「グスンッ。どちら様でしょうか。同情なら結構です。」
「俺ら、何かしんないけど、ここに飛ばされちゃったんだよねー。」
「そうなんですか。・・・って、えぇ⁉」
その人、やっと泣き止んだ。
「もしかして、A高校と、M高校の方ですか?」
うわっ!目が輝いてる!
「そうだけど。」
「やったー!これで大丈夫だー!」
えっ?何が?
その人は、嬉しさのあまり踊ってるみたいだ。
「何が大丈夫なんだよ。」
先輩ー!頼りになる!
その人は、踊りをやめて私達に話しだした。
なぜ、このようなことが起こったのか。そして、これからどうすればいいのか。