R>gは、変わらない
この日は、
いつもと違った。
いつもは、
一匹。
だが――
今日は、
無数だった。
場所は、
予想通りだった。
だが、
敵の数は、
予想とは違った。
空間が、
いくつも裂ける。
現れたヴィランたちは、
街に降り注ぐ、
黒い雨のようだった。
……冗談じゃない。
ヒーローも現れた。
だが、
多勢に無勢。
一体ずつなら、
余裕で倒せる。
だが、
今日は違う。
殴られ、
吹き飛ばされ、
地面に叩きつけられる。
……まるで、
サンドバッグだ。
その姿を見た瞬間、
頭に浮かんだのは――
敗北。
その二文字だった。
勘弁してくれ。
ここまできたんだ。
ヴィランが勝てば、
この街は焼け野原だ。
そして、
そこから先には、
何も残らない。
商売も、
街も、
未来も。
そのとき、
ふと思った。
電気を、
もっと作れば、
あいつらの動きは変えられるんじゃないか?
ヒーローなら、
二、三匹なら
余裕で倒せる。
なら、
半分以上を分散させれば、
各個撃破できる。
瞬時に、
考える。
ここ以上に
電気を出せる場所。
……ない。
いや。
あるな。
俺の倉庫だ。
無数の発電機。
全部使えば、
街一個分の電力を
賄える。
……絶対、
やりたくない。
借金。
リース。
あらゆる手段で、
ようやく年商は
“富裕層”のラインに届いた。
だが、
年商だ。
純利益じゃない。
この元手が吹っ飛べば、
俺は終わりだ。
破産まっしぐらだ。
ヒーローが、
また、
吹き飛ばされた。
……見るからに、
負けそうだ。
ふと、
あいつに聞かれたことを思い出す。
「なんで、
そんなに頑張るんだ?」
即答した。
「金!」
苦笑された。
……ああ、くそ。
俺は、
電話をかけた。
倉庫にいる部下だ。
「今すぐ、
倉庫の発電機、
全部つけろ!!」
怪訝な声が返ってくる。
「……全部、ですか?」
「いいからやれ!!」
通話を切った。
その瞬間だった。
ヒーローに、
止めを刺そうとした
ヴィランたちが――
一斉に、
動きを止めた。
そして、
顔を向けた。
俺の倉庫の方角へ。
……来る。
大多数のヴィランが、
動き出した。
俺の倉庫へ。
ヒーローが、
立ち上がった。
分散した敵を、
次々と、
各個撃破していく。
……いける。
だが――
代償は、
決まった。
俺は、
倉庫へ向かった。
だが、
そこにあったのは――
倉庫だったもの
だけだった。
壁は崩れ、
床は裂け、
発電機の残骸が
無数に転がっている。
……終わった。
賠償。
補填。
違約金。
年商どころか、
今までの利益、
すべてが吹っ飛ぶ計算だ。
俺は、
その場で、
泣いた。
大声で、
泣いた。
遠くで、
歓声が聞こえる。
「ヴィラン撃破!」
「ヒーロー万歳!」
街は、
助かった。
……俺は、
助かってない。
いつの間にか、
ヒーローが、
横にいた。
「……ありがとう。
助かった」
なんの慰めにもならない。
だが、
俺は言った。
「でも、
お前が無事でよかった」
ヒーローは、
黙って、
うなずいた。
「……俺、
無一文だ」
ヒーローは、
何も言えなかった。
そのとき。
遠くの空で、
空間が歪んだ。
……またか。
新たなヴィランが、
現れようとしている。
ヒーローの顔が、
苦虫を噛み潰したように歪む。
「……また、か」
俺は、
その歪みを見て――
笑った。
歪んだ、
自分でも嫌になるような笑顔で。
「……またか」
r>gは、
変わらない。
俺は、
命をかけて、
gをrにしていく。
この世界は、R>gだ。
だから俺は、
また、
ここから始める。
いやあつくるの楽しかった
こんな駄作につきあっていただきありがとうございました。
またおもいついたら小説つくるかもです
よろしくお願いいたします。




