表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ジャングルジム

 深夜の公園のカラフルなジャングルジムの柵にもたれて、平蔵は、財布の中身を改めていた。彼は、腕利きの一流のスリである。先刻も、繁華街の街角で、通勤帰りの若い会社員から、この財布を頂戴したところである。

「へへへ、8万4千円、と。こいつは、悪くない仕事だ。また稼がしてもらうとして、ひと休みしますかな?」

 そう言うと、平蔵は、ジャングルジムを離れて、近くの自販機で、コーラを買った。地べたに座り込んで、コーラを飲みながら、辺りをボンヤリと見渡す。月の綺麗な夜である。ふと気づくと、さっきまで平蔵の居たジャングルジムのそばに、ひとりの女が、長い髪に白装束で、しゃがんで、こちらを向いている。女の顔はよく見えない。こんな夜更けに、誰だろう?

 変に思って、平蔵が近づくと、女が、顔を上げた。

 目も鼻もない、のっぺらぼうだった。

「ひ、ひえー、出たー!お化けだー!」

 平蔵は、財布をばらまきながら、一目散に公園から逃げていく。

 その後ろ姿を見送って、女は、白いマスクと、鬘の長い髪を頭から取り外して、

「男を騙すなんて、チョロいもんね。こんなメイクで騙されるなんてー」

「あたしの真似、しないでよ」

女の背後で声がした。驚いて、女が振り向くと、ジャングルジムのそばに、長い髪で、白装束の女が、しゃがんでいる。彼女には、足が消えて、なかった...............。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ