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中国で映画を撮った日本人   作者: 羽渕 定昭
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<江南慕情>のあらすじ

<江南慕情>のあらすじ

 読売新聞の編集手帳で紹介されました。1991年2月2日付のその紙面をそのまま引用します。


<中国は長江(揚子江)の南を舞台に展開するその映画『江南慕情』は、蒸発した夫を探しに中国へ渡る日本人女性経営者の物語だ。夫婦で始めた輸入商社が経営難に陥り、これを苦にしての失踪らしい◆だが独りでは、捜索の範囲も限られる。話はその辺りをたて糸に、彼女が同行させてもらう大阪の中堅企業使節団の対中ビジネスを絡ませながら、進行する◆驚きは、全くの素人が原作から主題歌の作詞・作曲、監督までの1人何役もこなしたことだ。大阪で建設・不動産会社を経営する羽渕定昭さん(43)で、4年前に初めて訪中、以来「交流促進に何かいい手はないか」と考えて来た◆レーザー・カラオケ3曲を出すなど、もともと遊び心を持つ羽渕さんだが、ある席で本業とは無関係の中国を舞台にした映画作りを口走ってしまう。製作費の約2億円は持ち出しだ◆全編を「中国に経済協力するのは我々の責務」の考えが貫いているけど、ヒロインの夫が蒸発する元となった品質管理や納期遅れの問題もさりげなく描かれている◆構想から1年後の昨年末、2時間ものに仕上げ、大々的な試写会を開いた。観光映画にも商談の手引きにもなる内容だけに、今度は羽淵さんがいい貸出先を探す番である。⋝


 これはインタビューの内容を編集者の解釈を入れて書いたものです。少し補足します。<貸出先を探す>と書かれているのは、私は映画フィルムや業務用ビデオを貸し出して広める抱負を伝えていたのです。尚、試写会とあるのは上映会の事です。約700人参加で行いました。試写会はビデオ版で50人ほどの関係者を集めて上映会に先がけて行いました。


 あらすじを補足しますと、夫は借金の厳しい取り立てから中国に逃げたのです。ヒロインが夫を探す旅の中で、中国の観光地や文化に接し、工場見学や人々の生活を見て回り、夫が中国に惹かれて行った跡を見るのです。そして「日本と中国の橋渡しになりたい」と熱く語る夫が登場します。すれ違いを繰り返しながらやがて南京市で初めて作られたカラオケハウスで再開を果たし、デュエットをするのです。その歌が<江南慕情>なのです。


このカラオケハウスはサクラハウスと名付けられ、主題歌の歌詞に出てきます。実は私の作詞・作曲した<想い出模様>を中国語で歌ったK氏が作った店です。まるでこの映画を作る為に作ったようなタイミングですが、<江南慕情>の完成後まもなく消滅してしまいました。日本国内のバブル崩壊の煽りは南京市まで届いたのです。



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