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中国で映画を撮った日本人   作者: 羽渕 定昭
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鎮江の裏通り

鎮江の裏通り


 視察団の団長が倒れ、現地の人々に介抱されて、大変お世話になったという話を本人から聞きました。そのエピソードをシナリオに書いたのですが、誰も詳しくは知りませんでした。F氏は単にドラマ的に成立するように演出しました。

シーン85裏通り

        山田と竹田が裏通りを歩いている。

  竹 田 「(気分が悪そうに)なんだか頭が重い気がする」

        竹田が手で頭を抱えるところをUPで撮ってすぐ遠景に戻す。

        と後方に小島、鈴木、美紗が歩いてくる。    

  山 田 「もうバスの出発時間ですね、急ぎましょう」

        山田が3人に声をかけた時、竹田がふぁ~と倒れる。

        山田が腰をかがめる。3人は走って近寄る。

        民家から中国人4~5人近寄る。

 さて、その発端は<ふぁ~と倒れる>に有りました。

視察団の1人、竹田役が<ガクッと倒れた>のです。この後、民家のベッドに寝かされるのですが、問題は竹田の運び方です。救急隊が来て担架で運ぶのは簡単ですが、ここは中国鎮江の古い街の裏通りです。担架は有りません。

視察団のメンバーが集まり、古民家への運び方を検討します。<ふぁ~と倒れていれば>抱き起し、肩を抱いてヨロヨロと歩かせながら古民家に入れる事が出来ました。しかしガクッと倒れているので、もう倒れたままです。抱き起すことも、持ち上げることも出来ません。必死の思いで3人で持ち上げ古民家の入り口まで行くと、間口が1M位で中に入ることが出来ません。やり直しです。

ロケを見ていた大勢の見物人が大爆笑でした。それで背中におんぶする事にしたのですが、元気な人をおんぶする事は簡単です。倒れて動けない人間をおんぶする事は不可能です。3人で持ち上げている間に1人が下に屈み込み、やっとの思いでおんぶして立ち上がったのでした。<ふぁ~と倒れていれば>こんな大騒ぎをしなくても良かったと思われます。ロケだから大爆笑で済みました。国際親善のエピソードです。しかし、団長は実際はどんな倒れ方をしていたのでしょうか?

 ところで、このロケ地ではお年寄りは言葉が通じませんでした。日本語の通訳者とお年寄りの間にはもう1人の通訳者が必要でした。




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