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中国で映画を撮った日本人   作者: 羽渕 定昭
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自動車

自動車


 <江南慕情>には幾つかの自動車のシーンが有ります。南京市では乗り合いバスが登場します。1990年の南京市では見慣れた光景です。しかし、当時の日本では見慣れない特徴がありました。どのバスも運転手が女性なのです。中国では女性の社会進出が進んでいます。日本との違いがこんなところにも現れていました。おそらく中国には専業主婦と言う概念もないのではないでしょうか。この運転手に焦点を当てたバスの描写はF氏の感覚でした。私のシナリオでは次の様になっていました。

シーン96美紗の部屋

     美紗は寝具のまま窓を開ける。

     21階の部屋より下を見ると沢山の自転車の通勤ラッシュ。

勿論、たくさんの自転車の通勤風景も入っています。私のシナリオでは自転車の数の多さに焦点を当てていたのでした。

さて、同じ幹線が夜になると風景が一変します。バスの中から前方を見る夜のシーンが幻想的です。

シーン93バスの中

     バスは暗い通りをスモールライトだけで走って行く。

     車とすれ違うが、どの車もスモールライトしか点けていない。

山 田  「どうしてライトを点けないのですか」

通 訳  「中国は電気が少ないので節約しています。まわりが暗いと車の

ライトは周りの人達には眩しすぎるのです」

 日本人から見ると、ライトを点けずに走ると危ないように思うのですが、そこには違った光景が有りました。街路灯の無い暗い歩道にはたくさんの人が歩いていました。車は昼間と変わらず途切れの無い交通量です。信号もないので途切れることは無いのです。時々歩行者が道路を横断します。交差点や横断者がいる時だけパッシングをして確認するのです。対向車から見ると横断者が影絵のように見えます。私はその意外性に着目してシナリオを書いたのですが、F氏は幻想的に撮ってくれました。



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