表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中国で映画を撮った日本人   作者: 羽渕 定昭
16/71

宣伝費

宣伝費


 宣伝費と言うと、映画を宣伝する費用と思われるでしょう。そうではありません。<江南慕情>は会社の宣伝の為に作ったので、製作費全体が宣伝費なのです。不動産会社の社長が<主題歌の作詞、作曲、脚本、監督までして映画を自費製作する>という宣伝をしたのです。国内ロケでは60人以上の取引先やお客様をエキストラに加えて、映画作りを楽しみました。

 映画は初めから映画上映会を1回行うことが目的で、それで完結でした。大きな会場に、取引先や、お得意様、一般の人を一同に集めればそれで良かったのです。製作の過程で当社の取引先が増える事、当社のファンが増える事、そして上映会で作品を見て<この社長に仕事をさせてみよう>と思うスポンサーが2~3人現れたら大成功だったのです。その後作品がどの様に利用されるかは目的外だったのです。

 宣伝効果は大きく、完成する前に元は取れていました。ファンになった業者が有益な不動産情報を下さり、私が映画作りに専念している間に、他の社員で映画製作費の2億円以上に利益を出していました。

「これで儲けて製作費の足しにして」が不動産取引の合言葉だったのです。


 新聞には数紙に載りました。私は自ら新聞記事原稿を書いて10社以上の新聞社にFAXしました。するとインタビューの申し込みがいくつか来ました。記者の質問は原稿の内容よりも、何の目的か、将来何を考えているか、どんな関係者がいるか、資金の裏付けがあるかに集中しました。つまり、映画の内容よりも、記事を掲載して問題が起こらないかが重要だったのです。インタビューというより面接試験でした。しかし合格すると新聞に載りました。私が用意した原稿とは全く違っていました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ