表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

恋唄

愛してるゲーム最弱の愛内さん

作者: 間咲正樹
掲載日:2023/09/22

「ねえねえ冷川(ひやかわ)くん」

「ん?」


 高校のとある昼休み。

 隣の席の愛内(あいうち)さんが、いつもの朗らかな笑顔を浮かべながら話し掛けてきた。

 はて?


「なんだい、愛内さん」

「えへへー、冷川くんは『愛してるゲーム』って知ってる?」

「ん、ああ、あの交互に『愛してる』って言い合って、最初に照れたほうが負けってやつでしょ」

「そうそう、それー!」


 愛内さんはパァッと、夏が弾けたみたいな顔になった。

 ふふ、ホント愛内さんは、見てて飽きないな。


「今から試しに、私と冷川くんで愛してるゲームやってみようよ!」

「え、俺と愛内さんで……?」


 それはちょっと、周りの視線が気になるというか……。

 心なしか、クラスメイトたちもこっちをチラチラ見てる気がするし。


「あれあれー? ひょっとして私に負けるのが怖いのかな、冷川くんは? うんうん、しょうがないにゃあ、そういうことなら、私の不戦勝ってことにしといてあげるよ」

「――!」


 ここぞとばかりにドヤ顔を向けてくる愛内さん。

 まったく、この子はすぐ調子に乗るんだから……。


「わかったよ、そこまで言うならこの勝負、受けて立つよ」

「おおう! そうこなくっちゃ!」

「その代わり、先に愛内さんが愛してるって言う側やってね。愛内さんから挑んできたんだから」

「う……、い、いいよ! 絶対私が勝つんだから!」


 それはどうかな。

 まあ、お手並み拝見といくか。


「じゃ、じゃあいくね。……あ、…………あ……い……」

「?」


 見る見るうちに顔が赤くなっていく愛内さん。

 おや?


「……あ…………い………………し……」


 赤みはどんどん増していき、目もグルグルしてきた。

 愛内さん!?


「……って、やっぱ無理いいいいいい!!!!」

「っ!?」


 遂には両手で顔を覆って、でんでん太鼓みたいに左右に頭をブンブン振りだした。

 こ、これは俺が勝った……のか?

 なんだか釈然としないが、それにしても愛内さん、愛してるゲーム弱すぎじゃないだろうか?


「……だって本当のことだから、言うの恥ずかしいよ」

「…………え?」


 愛内さん、今、なんと??

 『本当のこと』って言った??

 『本当のこと』ってどういう意味???


「あ、冷川くんも顔真っ赤ー! えへへー、しょうがないからこの勝負は、引き分けってことにしといてあげるよ!」

「……!」


 頬を染めたまま、ニヤニヤしながら人差し指を向けてくる愛内さん。

 やれやれ、愛内さんには敵わないな。


 ……ん?

 クラスメイトたちが一斉に、「お前ら、はよくっつけ」と呟いたような気がするんだけど、空耳かな?



拙作、『塩対応の結婚相手の本音らしきものを、従者さんがスケッチブックで暴露してきます』が、一迅社アイリス編集部様主催の「アイリスIF2大賞」で審査員特別賞を受賞いたしました。

2023年10月3日にアイリスNEO様より発売予定の、『ノベルアンソロジー◆訳あり婚編 訳あり婚なのに愛されモードに突入しました』に収録されます。

よろしければそちらもご高覧ください。⬇⬇(ページ下部のバナーから作品にとべます)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バナー
― 新着の感想 ―
[良い点] めっちゃ可愛い(*´ー`*)♡ 愛内さんのキャラがとっても良きです♪ 「パァッと、夏が弾けたみたいな顔」が視覚的に凄く浮かんできて、目がキラキラしている感じがとても可愛かったです。こんな…
[良い点] 空耳あるかぁ! 両片思い。ええのぅ。
[良い点]  至福な時間でした。  素敵な作品ありがとうございます。 [一言]  
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ