表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
術師たち  作者: 二月三月
44/82

第五話 精霊が降る聖夜(2)

 

「わー、はははは、レイカ様ぁ、ちゃんと、飲んでるぅぅ?」


「飲んでるわよ。あ、ちょっと、アナタ、それアタクシのコート…」


「あったかいのぉ、ふかふかぁ」


「あたりまえでしょ、それ鞣すのにどれだけ手間がかかったと…」


−−はーい、ターキー18年でございまーす、もちろん、ストレィトゥ、おまったせしましたぁ。


「おおお、きたー、ニワトリさん〜」


「七面鳥でしょうが…、って、かえしなさいよ、コートッ」


「…すてきでしゅぅ、このコートォ…、でもさ、レイカ様ってさぁ、他の趣味はいいのに、なんで男はあんな趣味わるいのぉぉ」


「男…って、何よ、アナタ。あぁぁあ、やめなさい、ウイスキーこぼすなぁ」


「ぷっはぁ、やっぱ、女はバーボンっすよねーぇ。っていうかぁ、趣味悪いでしょ、いったい、キョージュのどこがいいの?」


「…え? ダーリン、…の、こと?」


「そ、そ、そ、ダーリン、だーりん、それそれ。どこがいいんですか、あんなの?」


「だって、…光ってる…し…」


「え〜? なに〜?」


「だから、光ってるの」


「ひかってるぅ? ピカピカ?」


「そうよ、光ってる殿方なんて、ダーリンが初めてだったんですもの…」


「へぇぇぇ、そぉかぁ、そういう風に見えるんだぁ。性格悪いのになぁ…」


「え? ダーリン、て性格よろしくないの?」


「よろしくない、なんてもんじゃないっすよぉ。あんな根性の捻じ曲がったヤツ見たことないしぃ」


「…そ、…そんなに?」


「話したことないんデスか?」


「…え、だって、そんな…、いつも遠巻きに見てるだけだし…」


「いかん、いかんなぁっ、レイカ様。趣味悪いのはともかく、そんな内気でどーする、あ、おかわりぃ」


−−かーしこまりましたぁっ、こちらターキー、エイティーンイヤーズ、ワンモア


「めんどくさいから、ボトルもってきてぇ」


−−あーりがとぅございまース。ノーグラス、ボトルワンッ


「ちょっと、アナタ、いいかげんにしなさいよ…」


「だからぁ、もっとどうどうと声かければいいじゃないっすかぁ。あ、あたりめちょーだい」


−−しょうちいたしましたぁっ、カットルフィッシュジャーキー、プリーズ


「そんな…、声だなんて、そんな近くまで行ったりして…」


「行ったりして、ほれほれ、どうすんのぁ?」


「無理よ…」


「なんでぇ?」


「だって、そんな、そんなことして、もし…」


「えー、もし?、もし、ってなに?」


「もし…、ダメ、万が一アタクシの力が無くなってしまったら…」


「え?」


「ダーリンの力でアタクシが無力になったら」


「何言ってんですかぁ。そんなことさせませんよぉ。こう首をキュッ、と」


「おだまりなさい。アナタにはわからないのよ。アタクシに予知能力がなくなったら…」


「いや、だから大丈夫ですってば」


「何が大丈夫よ、いい加減なこといわないで…。私から予知能力がなくなったら、この美貌以外になんの取柄もない女になり下がるのよ。アナタに何が…」


「あ…、ちょと…、レイカ様、あの…」


「ヒドイなぁ、お嬢ちゃん、レイカ様泣かしたりして」


「あれ? カゲしゃん、なんでいるの?」


「なんでって、それはこっちのセリフだけど。ま、なんにせよ来てくれてうれしいよ。それにしてもレイカ様が来てくれるんなら、もっと早く来るんだった」


「フン、アナタに頼まれたから来たわけではなくてよ。この娘と話してみるのも一興かと思っただけ」


「つれないなぁ。ま、オレの店にレイカ様が来てくれるなんて、めったにないことだから、お嬢ちゃんに感謝しなくちゃな」


「じゃ、お酒ちょーだい」


「え?」


「え?」


「お酒だいすきー」


−−このお嬢ちゃん、かなりヤバいんじゃ?


−−アタクシだってこんなになるとは思わなかったわよ


−−どうして…


−−アタクシ、自分に関係することは見ないようにしているもの


「わぁ、あやしいぞぉ、なにコソコソ内緒話してるのぉ」


「あ、いやいや…、そろそろイベント始まるから、お嬢ちゃん、ステージのほう…」


「え? あのイベント? アタクシあれは…」


「ま、そう言わずに、いちおう名物イベントなんだから」


−−たいへん、なっがらく、おまたせいたしましたぁっ


−−ただいまからぁ、フォーリン・スピリッツ、スペーシャルイベントォ、ドンペリプールのお時間でございまーす


−−お客様もふるってご参加ください


−−あ、それ、ド・ン・ペ・リ


−−ド・ン・ペ・リ


−−ド・ン・ペ・リ


−−ド・ン・ペ・リ


−−ド・ン・ペ・リ


「何アレ?」


「ビニールプールにドン・ペリニヨン注いで、そこに飛び込むっていう、悪趣味なイベント。ほんとにもう」


「ドン・ペリニヨン? ドンペリ? お酒…?」


「本物使ってるんだから、その点ぐらいは認めてほしいなぁ」


「どうせ従業員しか飛び込まないのに…、無駄の最たるものよ」


「ドンペリ…、お酒?」


「…あ、ああ、もちろん、シャンパンだよ」


「いちばんっ、アキハ、いきまーしゅ」


「え? わ? ちょっと、お嬢ちゃん」


「とつげきーっ」


「おやめなさい。やめてー。せめて、コート脱ぎなさぁーい」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ