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第1話 勘当されました

新作です!

よろしくお願いします!

「アリーセ、お前を男爵家から追放する!!」


 16歳の誕生日に父上から告げられた。

アリーセは家では理不尽に虐げられて来た。


「アリーセ、お前はまたサボる! 掃除もまともに出来ないのか!」


 父上の怒鳴り声が頭に響く。


「あら、まだこんなにも埃が残っていますわ! 全く、掃除しているそばから汚してどうするんですか。男爵家の恥晒しですわね」


 母は人差し指に付いた埃に息を吹きかけながら言う。


「ほら、ここも。まだ汚れてますわ」

「は、はい。申し訳ございません……」


 アリーセが抵抗することは許されなかった。

抵抗したらさらにひどい仕打ちを受けることになるからだ。


「こんな姉を持って、妹として恥ずかしいですわ」


 妹もまた虫ケラを見るような目でアリーセを見る。

今日もまた家族揃ってのいじめが始まった。


 掃除を始めてからまだ数分しか経っていないのだから部屋全体を綺麗にするということ自体、無茶な話である。


「もう少し、お時間をください。綺麗にしますから」


 理不尽なことだとはわかっていた。

しかし、アリーセは我慢していた。


 アリーセは男爵家当主である、父上と前妻の間に出来た子である。

本当の母はアリーセがまだ5歳の時に、不治の病によって亡くなった。


 後妻が出来てから父も屋敷の使用人も、人が変わったようにアリーセを酷く扱って来た。

アリーセの母は平民の出、今の義母は貴族の出という身分の格差も関係しているのだろう。


 妹は後妻との間に出来た子だ。

アリーセとは雲泥の扱いの差がある。


「次に見にくる時までには綺麗にしておいてくださいね!」


 そう母上が言い残すと、皆アリーセの前から姿を消した。


 そんな、理不尽すぎる家だが、執事のカルトだけはアリーセのことを守ってくれていた。

時には掃除を手伝ってくれたり、家族にバレないように勉強を教えてくれたり、たくさんの話を聞いてくれた。


 そして、カルトからは医学と治癒魔法の知識と技術を貰った。

私にはその適性があるとカルトはいつもほめてくれていたのだ。


 味方が1人でも居るというのは随分と支えになったものである。


 ついに今日、アリーセは家から追い出された。

もはや、この日をどれだけ待ち望んだことだろうか。


『やっと、自由になれる』


 私の頭の中はこの思いでいっぱいだった。


「荷物をまとめたらさっさと出ていけ!」


 父上からぶっきらぼうに告げられた。


「承知しました」


 アリーセはそう言うと、自分の荷物をまとめる。

元々、私物が多いわけではないのですぐに終わった。


「最後にカルトには挨拶しませんと」


 仕事中のカルトを見つけるとアリーセは声をかけた。


「カルト、私はこの家を出て行くように父上から言われました」

「左様でございますか。それは、よかったですね」


 カルトは優しい笑みを浮かべながら言った。

事情を知っているカルトは喜びを示してくれた。


「お嬢様のことを守れなくて全く不甲斐ないです。最後にこれを。私からの餞別です。お嬢様がいなくなるのは少し寂しいですね」


 そう言いながら、燕尾服のポケットから一枚の紙を取り出し、渡してくれる。


「ここを訪ねてみてください。私の紹介だと言えばきっとよくしてくれますよ」

「こ、この名前って……」


 そこに書かれていた名前には見覚えがあった。


「はい、王都の聖騎士様です。昔、お世話になっておりましたので」

「だからカルトはあんなに、医療や魔法に詳しかったんですね」

「まあ、そんな所です。お嬢様、ご武運を」


 その翌日、アリーセは太陽が完全に昇り切る前に家を出た。

あても無いアリーセはカルトから貰ったメモだけが頼りである。


 王都まではかなり離れているので徒歩では時間がかかる。

アリーセは馬車を使うことにした。

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