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ヒーロー。

二日連続投稿してみました。

次の更新は…未定!



 フォークリフトを軽快に飛ばしながら女性の後ろ姿を追う二人。

 後方をチラチラ振り返りながらも懸命に走ってる女性の姿はゾンビから逃げているのか、はたまたオッサン二人から逃げているのか。

 傍目から見れば完全にフォークリフトが女性を追い回してるように見えるだろう。


 女性と離れていた距離はフォークリフトのスピードですぐに追い付いた。

 倉庫までは残り半分、数十メートルといった距離だ。



「そ、そこのオナゴ、大丈夫でござるか!?」


「よよよよよよかったら、ののの乗っていかない??」



「ひ、ひぃ」



 二人は女性を気遣い出来るだけ優しげに声を掛けた。

 だが女性の方は二人の顔を視認するなり短い悲鳴を上げて速度をあげる。

 さもありなん。

 先程までテンション爆上がりで暴れていた二人は、本人達が思ってる以上に汗をかいており乱れた髪は肌に張り付きキモさに磨きをかけている。そんな二人が揃って後方から追いかけて声を掛けてきたら、変質者に見えても仕方ない、はずだ。



「お、おい、待つでござる!?」


「ちょ、おい、待てよっ」



「きゃぁああああああ!!」



 何故逃げられるのか分からず追いすがる二人、その姿に更に速度を上げて逃げる女性。

 だがこの追いかけっこも長くは続かなかった。

 最後の力を振り絞っていたのか、女性は急に失速し膝から崩れ落ちる。

 そんな女性の姿に二人は驚きつつも、フォークリフトを止め飛び降りて女性の元に駆け寄った。



「大丈夫でござるかあ!?」


「どどどどどうぅしたんだい?!」



「ひぅ───バタリ」



 だが、それがトドメとなった。

 駆け寄ってくる二人の姿に女性の脳は許容範囲を越えシャットダウン、そのまま気を失ってしまったのだ。

 倒れた女性の姿に二人も取り乱す。

 女性から一歩遠巻いた位置で二人してテンパって回り出した。



「どどどどうすんだよこれええ!?どうすればいいんだよおお!!」


「どうするでござる!?なんで気絶!?えぇ!?」



 だが、そんな状況の二人の元に近付いてくる多数の足跡、ゾンビの大群。彼等は空気を読んで待ってくれたりはしないのだ。

 猶予は無い、だから二人には他に選択肢が無かった。



「ちっ!山田!足持て足!!」


「えぇ!?でも!いいや、仕方なし!」



 二人に女性を見捨てる選択肢はない。後でセクハラと騒がれようとも抱えてフォークリフトまで運ぶ事にしたのだ。

 気絶した女性の両手を抱える禿げたオッサンと、その足を抱えるガリガリのオッサン。

 完全に犯罪臭のする絵面であった。



「くっそぉ、絵面が完全に犯罪現場!」


「こんなの逮捕待ったなしでござるなぁ!」



 本人達も承知の上での行動のようだ。

 だが二人の迅速な行動が功を奏し、ゾンビが押寄せる前に四苦八苦しながらも女性をフォークリフトの座席の後ろに乗せ終える。

 すぐ様山田が運転席に座り、女性が転げ落ちないように最低限度のタッチで抑えながらその後ろに鈴木が乗る。



 キュルルルルル──キュルルルルル──キュルルルルル──



「く、掛からないでござる」


「何やってる!?ハリーハリーハリーソゲッキ!」



 お約束のようにかからないエンジン、そして迫り来るゾンビ。

 焦りつつも何度もキーを回す山田と少しでもゾンビが来ないように鈴木がスリングを放つ。


 そんな二人にゾンビの手が届くまで後少し──



 キュルルルルルブゥォオオオオオン!



「かかったでござる!」


「よし、グッジョブ!はよ発進はよ!」



 というタイミングでお約束のようにエンジンがかかった。

 間一髪の所でフォークリフトは発進。



 オオオ…オオン……オン………プスン



 そして直ぐに停止した。



「え!急にエンジンが止まったでござる!?」


「うそおおおおおん!?どしてぇええ!?」



 いくらキーを回してもうんともすんともいわなくなったエンジン。


 ガス欠である。


 二人が乗っているフォークリフトにはガソリンメーターなど付いていないため、ガソリンが無いとは気付かなかったのだ。



「どどどどうするでござ──あぶな!?」


「くそがあああ!?寄るな寄るな!!」



 すぐさま周りをゾンビに囲まれてしまうフォークリフト。

 山田は木刀で応戦、鈴木はスリングを放つも焼け石に水。ゾンビの手はいつ二人を捉えてもおかしくはなかった。



「くっそくっそくっそおおお!もうどうしようもねえ!こんな所でええええ!!」

「う、ぐ、う、もう無理でござる無理でござる無理でござ───『ドオオオオオオンッ!!!!』




「「───────は?」」



 絶体絶命、そんなタイミングで急に辺りに轟く爆発音、空気を叩きつけるような衝撃が周辺を走り抜ける。

 二人の位置からそう遠くない場所でいきなり何かが弾け飛んだのだ。

 急な展開に二人の頭の中は真っ白、ポカンと棒立ち隙だらけである。だが、ゾンビもまた音の方に気を取られて興味はそちらへと移っていた。

 呆気に取られながらも二人もその方を見れば、そこには立ち込める黒煙と土煙、それと弾け飛んだゾンビの肉片が散らばっている。


 そしてその近く、土煙の奥にそれを行ったであろう人物の人影があった。


「佐藤!?」

「佐藤殿!?」



徐々に晴れてくる土煙、そして見えてくるその人物の全貌───


 威圧感のある黒の革ジャンに身を包み、渋いサングラスに白髪のオールバックとワイルドなお髭、これでもかとちょい悪な雰囲気を漂わせるダンディなおじ様。

 そんなイケオジが大型のアメリカンなバイクに跨り、銃を肩に担いで煙草を吹かしていたのだ。


全くもって佐藤のさの字も見当たらないようなイケてるおじ様の登場である。


 





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