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メインヒロイン!?

久しぶりの投稿です。

これからも、皆さんのブックマーク、ポイント、感想、レビュー、なんでもお待ちしてます!それらが執筆活動の糧になります!応援宜しくお願いします!

 


「お、おい!?どうする!?どうするよ!あれは、あれか!?メメメインヒロインってやつか!?」


「いやいや、鈴木殿!流石に拙者達が主人公な訳ないでござろう!?彼女はただの一般人女性でござるよ!」


「いやいやいや!それよりゾンビが大量に来るでありますよ!?どどどどうするでありますか!?」



 いきなりの新展開に三者三様に慌て出す三人。

 だが女性の人影、もといゾンビの大群は待ってはくれない。今も着実に三人の方へと近付いてきていた。



「とととととりあえず、もう一台のトラッ─いや、俺が足留めがいいか!?よよよし、どうにか足止め出来ないか撃ってくる! だ、誰かもう一台のトラックを見てきてくれ!」


「了解!流石に一人は危険でござろう!拙者が護衛に付くでござるよ!」


「しょしょ、小生は、小生は──うぇ!?小生が──トラックゥ!??」


「頼むぞ」

「頼むでござるよ」


「ひ、ひぃぃん」



 鈴木が真っ先に行動を始めると、山田がすぐさま後を追う。

 佐藤は少しオロオロした後、意を決してトラックの方へとドタバタ走り出した。


 ゾンビの大群まではもう暫くの猶予がある。

 鈴木は雑多な物が散々と散らばるフロア内を見渡していた。



「な、なにか使えるやつはないか!?スリングの弾になる様な奴があれば!」


「たまたまたまたま──あっ、鈴木殿!コレは!?」


「!?お、お!?ナイス!行けるぞそれ!あ、後は──アレ、アイツは動くか!?」


「ちょちょっと待つでござる、か、鍵は──刺さってる!後は──キュルルルルルブゥゥオオオン!い、いけるでござる!」


「よし来た!運転は任せるぞ!」


「や、やってみるでござる!これがこうでこれがこう!?前進は──こう!?」


「ヨッシャー!ぶちかませ!!」



 鈴木に『ある物』が入った小さな箱を手渡した山田は近くに置いてあった『ある物』に飛び乗った。

 幸いそれには鍵が刺さっており、捻れば難なく駆動始める。


 座席の後ろに立つ鈴木の指示を受け、運転席に座る山田が真ん中のレバーを二つ前に倒せば『フォークリフト』は轟々と唸り声を上げながら発進した。

 普段安全運転しかされないソレだが、フルスロットルならば時速20キロ近くは出る、意外と速いのだ。


 二人を乗せたフォークリフトは先程まで豆粒ぐらいにしか見えてなかった人影withゾンビーズの所までそう時間がかかる事もなく駆け付ける。


 やはり先頭を走っていたのは女性である、しかも若い。

 その姿を確認した鈴木は少しでもカッコイイ姿を見せようとフォークリフトの上に立ち上がりポーズを決めて、勇んで声を掛けた。



「そそそそそそそここのおおおおおんおん、おおおおん──「そこのオナゴ!そのまま走り抜けるでござるよ!!」


「お、おい、俺の台詞とるなよ」バシッ


「いたっ、だってキョドり過ぎで何言ってるかわからなかったでござるよ!?」



 初対面の人には滅法弱いエリートニートコミュ障の鈴木、それが女性相手ともなると免疫が無さすぎて本人も予想外の挙動不審っぷりであった。山田のフォローに内心助かったと思ってるものの、気恥しさを誤魔化すために頭を叩く。フォローしたのに叩かれた山田は損な役回りである。



 そんな二人がわちゃわちゃやっている間に、ゾンビから逃げていた女性は、至極混乱していた。

 ゾンビの大群から逃げるのだけでも精一杯なのに、いきなり前方からなんか変なポーズをとった禿げた小さなオッサンと、後退したおデコに前髪をはためかせるガリガリのオッサンが乗ったフォークリフトが物凄い勢いで突っ込んでくるのだ。

 しかも二人ともなにか凄い剣幕で叫んでいるようだが、周り(フォークリフトやゾンビ)が五月蝿過ぎて全くもって何を言っているのか分からない始末。

 終始よく分からないまま、二人が乗ったフォークリフトは横を通り過ぎて行ってしまったのだ。

 何が何だか分からなすぎて完全にキャパオーバーであり、何か反応を返す余裕すらなかった。

 取り敢えず現状を把握する為振り返ってみれば、オッサン二人はそのままゾンビの大群に突っ込んでいき、ボーリングよろしくゾンビを弾き飛ばしているし、何か二人で盛り上がって騒いでいる。

 オッサン達は一応自分を助けに来てくれたんだろうと判断したものの、女性はそのまま走って逃げる事を優先した。

 何故ならよく分からないオッサン二人かゾンビかと選択を迫られてもどっちもちょっと遠慮したかったからだ。

 取り敢えずその二つから距離をとることを選択したのである。




 一方二人は──



「よっしゃー!!すとらーいく!!」


「ふはははは!ゾンビがゴミのようでござるー!!」


「俺達今すっげーかっこよくね!?窮地の女性の為にゾンビの群れに突撃とかよ!輝いてるんじゃね?ンソゲキッ」


「鈴木殿!すごく輝いてるでござるよ(頭が)!これはもうあの女性はぞっこんLoveでござるな!」


「やっぱりか!俺の時代来たな!ソッゲッキッ」


「これはもう来てるでござるよ!」



 二人が乗っているフォークリフトは小型ながらも見かけによらず1トンもの重量があり、その巨体から繰り出される体当たりは精々5.60kgしかないゾンビ達からしたらたまったものではないだろう。

 そしてそれに跨る二人はフォークリフトに跳ね飛ばされ吹っ飛んでいくゾンビ達を見てすんごく気持ち良くなっていた。

 女性のピンチに颯爽と駆けつけゾンビ相手に無双している自分達、彼らの中で現在の自分達はヒーローの様に活躍し輝いているのだ。

 山田は興奮のままフォークリフトを乗り回し、ゾンビを弾き飛ばす。

 鈴木は先程山田が見つけた新弾『ナット』(金属製ドーナツ型の小さな雌ネジ)をスリングに番え、近付いてくるゾンビにヘッドショットをぶち込んでいる。

 確かに凄い活躍ではあるが、ヒーローとは『ただしイケメンに限る』というのが世の常である。特にヒロインとのラヴなロマンスが絡むなら尚更のことだ。

 現に助けた筈の女性は彼等に見向きもせずに少し離れた所まで逃げてしまっていた。

 アウトオブ眼中である。


 そんな二人は次第にゾンビに囲まれ始めていた。

 最初の勢いは良くても、あくまでも乗っているのはフォークリフト。ドリフトしながら華麗に──みたいな事はなく、そこそこのスピードでぐるぐる走り廻ってるだけである。

 だが彼等がその現実に気付く訳もなく、妄想の中ではハリウッド制作カーアクション映画張りの大立ち回り中なのだ。



「よぉおっし、時間も稼げた!そろそろ逃げるぞ山田ぁ!」


「合点承知之助!」



 自分達の活躍に釘付けになってるであろう女性がいる方向に最大級のドヤ顔を見せる二人だったが、件の女性は既に数十メートル先であり小さな後ろ姿が見えるだけであった。



「ま、まぁ、分かってたけども…」スン


「物語のようにはいかないでござるな…」スン



 一瞬で悟ったような表情に切り替わった二人は、先程までのテンションが嘘のように静かに女性の後を追いかけるのであった。













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