人類滅亡。
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二○XX年十二月二四日、雪が舞い降るクリスマスの夜空を一条の光が空へと登った。
太平洋の何処かより始まった光の軌跡は、雲を裂き、宇宙へと登り、そのまま真っ直ぐに月の影へと消えていった。
突然の謎の光、沢山の目撃者、そして騒然となる世界。
だがそれから特別何かが起こったわけでもなく、ただただ静かに光の軌跡が夜の暗闇へと消えていくだけだった。
翌日、偶然撮影された映像が世界各国で放映され、民衆やマスコミ、専門家達を賑わした。
各国のマスコミは挙ってこの映像を流し、解説の専門家達は好き放題に民衆の不安を煽った。
何処かの馬鹿な国のミサイル実験じゃないのか、はたまた科学兵器や何かのテロ行為ではないのか……等々。
だが、真夜中に携帯電話で撮影された画質が悪い映像だけでは解析された所で十分な情報が出るわけもなく、根拠のない憶測や推測ばかりが先行し民衆の不安は募るばかりだった。
各国の首脳達もこの事案の情報収集に力を入れるも、確固とした情報は集まらず、免れない焦燥に駆られていた。
しかし、世界各国を震撼させたその事件の喧騒も、事件発生より二日経った十二月二六日を境に、否が応にも終息する事になるのであった……。
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何処かの馬鹿の馬鹿な実験。
発射されたミサイルは月へと突き刺さり、そこから地球の衛星軌道上を廻りながら全世界にあるウイルスが詰まったカプセルを射出した。
カプセルは大気圏突破後に融解し、中から散布されたウイルスは三日三晩世界中の全ての地に降り注ぎ、地球上のあらゆる生物に寄生した。
皮膚が腐り、内蔵が腐り、そして死に至る恐ろしいウイルス。
感染後一日と経たずに発病しだすそのウイルスに対し、人類に出来る事はなにもなく、ただただ何が起きたかも判らずに死滅していくだけなのだった。
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だった、はずだったのだ。
しかし、そんなウイルス降り注ぐ三日三晩の間中、家から出ず、部屋からも出ず、窓を閉めきり、部屋に篭りきっていた者達がいたのだ。
その者達は、奇跡的にウイルスへの直接的感染を逃れ、人類滅亡の危機から無事に生き延び、そして今もなお世界が崩壊したことも知らずに呑気に部屋に引きこもっている。
この、生き延びた人達の事を世間は総じてこう呼んでいた──
【NEET】
それは運命に生き残る事を許された、神に人類の命運を託された選ばれし人達。
これは、そんなNEET達が地獄のような世界で必死に生きていく──
新たなる時代の始まりの物語、になるはず。
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