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 「ここが、始まりの地…。」


ノア・ネイチャーの目の前には、広大な緑が広がっている。木や建物などの障害物はひとつも見当たらず、平坦な景色がずっと先まで続いていた。


どこまでも続くそれに、軽く目眩を覚える。


辺りには自分以外にも今日ここに転移をさせられてきた者が大勢いて、皆一様にどこまでも続く緑に底知れぬ恐怖を感じていた。





ここは、始まりの地と呼ばれている。

その名の通り、この世界に飛ばされた者が1番最初に行き着く場所。

この始まりの地だけは管理者によって厳重に守られ、能力の使用は一切禁止となっている。

留まっていられる期間は1日。1度ここを出たらもう二度とこのエリアに来ることは不可能となる。


他のエリアはここと違って能力の使用制限がなくなるため、新人狩りを好む先住者によって襲われる可能性が高い。

そのため、殆どの者がここでパーティーを組んでから、他のエリアへと移動していく。




人は、5歳を迎えるまでに区別される。

不思議な能力を持つ“異端者“と、なんの能力も持たない“正常者“に。


異端者と判別された者は16歳を迎えた後、この世界に強制的に転移させられる。

理由は単純。正常者にとって異端者は、脅威にしかならないからだ。


元の世界で異端者は恐れられ、決していい扱いは受けない。

五歳を迎えた日に必ず受けることが義務付けられている能力値診断。

能力値は1~10のどれかに振り分けられ、数が10に近いほど能力は強力とされる。

転移の対象となるのは、能力値が3以上の者。

3以上者は力が強大すぎるゆえに、周りからひどく恐れられ、虐げられた。


それとは逆に、3未満の者の能力は先の未来が読めたり、動物の声を聞く子ができたりといった特に害のないものが多い。

それを生かして職についた異端者は、常人では考えられないような力を発揮する。

その為、元の世界で3未満の者は皆尊敬や敬意の対象となっていた。


同じ"異端者"であっても、3未満か3以上であるかで酷い扱いの差が生まれる。

転移の決まった異端者は能力の使用制限がかかった腕輪を嵌められ、16歳を迎えるまで外されることはない。

腕輪を嵌めた状態で能力を使おうとすれば、待っているのは死。ただそれだけだった。


元の世界での窮屈な生活に異端者は酷く疲れ、皆一様に転移の日を待ちわびる。


しかし、窮屈な生き方を強いられていた反動により欲は爆発。転移された者たちは能力の強さに固執し、この世界はまたたく間に能力格差社会へと姿を変えていった--









周りの者がパーティーを組む相手を品定めしコンタクトを取り始めても尚、ノアはその場から動く気になれなかった。


中途半端なチームワークほど愚かなものはない。

そんな簡単なことすらここにいる奴には分からないのだろうか。ノアはどこまでも続く緑をみつめ、そっと息を吐いた。



堂々とした姿と人形めいた美しい容姿。そして謎めいたステータス表示もあって、周りからの目線を集めていることに、自分のことに関しては点で鈍感なノアは全く気づいていなかった。



いつもなら何も気づかぬまま素通りするところであるが、あからさまな目線が増えてきたこともあって、堂々とした態度は崩さぬままのそのそと目線を周囲に向けた。


目についたのは、皆の右横にあるステータス表示。

初めての地ということもあって、少し浮わつきすぎていたようだ。まさか自分のステータス表示にまで目が届いていなかったなんて......。自身のあほさ加減に呆れつつ、ノアは表示を確認した。



***


Name:ノア・ネイチャー

Level:???


***




ステータスには基本の情報しか書かれていない。レベルの表示はクエスチョン表記になっていて、自分でも確認することはできないようだ。ノア自身は誰かと行動を共にするつもりははなからないが、これでは仲間選びが大変だろうな、とここにいる者たちを少し気の毒に思う。


まあ別に、僕には関係ないからいいか。他になにか情報はないだろうかと周囲を軽く見渡す。そこまでしてやっと、ノアは自分が注目されている理由を察した。



***


Name:イザベル・リッスン

Level:3


***



***


Name:ジョン・ピクチャー

Level:4


***



***


Name:トーマ・ビームス

Level:5


***




ーーなんで僕だけ、レベル表記がクエスチョンなんだ......。



疑問と同時に、もしかしたらこれからもこのステータス表示のせいで周りから視線を集めることになるかもしれない。ということに気がつき、ノアはがっくりと肩を落とした。




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