来てたのね。兄さん
ギイィィィ……
下足前の思い扉を開けた。
「お邪魔しまーす。」
「なんで、学校に挨拶してんのよ。」
俺達は、1年2組で、教室は1階にある。その教室に入ろうとすると、鍵が閉まっていた。
早苗も、同じクラスなので、先に来ているなら開いているはずなのだが…。
「ねぇ、なんで入んないの?」
「いや、開いてねぇんだよ」
「わかった。じゃあ、鍵とってくるねー」
鍵は、職員室の外の壁のコルク版に吊らされてある。
職員室は2階なので、春は、駆け足で階段を昇っていった。
1人残された俺は、本を読むことにした。
まぁ、すぐ来るのだろうけど、少しでもこの本を読みたかったので、暇さえあるとすぐに本を開く。
なぜなら、この本は早苗が書いたものだからだ。
早苗はWebの小説大賞に入賞した。最初は、プロデビューはできない予定だったのだが、ある編集さんの目に留まって、見事プロになることができたらしい。
俺は、早苗が小説を書いているなんて知らなかった。
それを知ったのは、1週間前の日曜日。
早苗の部屋を片付けようと、部屋にはいると、パソコンと向かい合わせになって、机で寝ている早苗がいた。
パソコンを覗くと、文字がズラリと並んでいた。
俺は時間に気づかずその文字を読みふけっていた。
なんともおもしろい!
それは、幼馴染みとの恋愛小説だった。
胸がキュンってなるような、純情な恋愛を描いていた。
“締め…切り…”
なんとも、早苗が寝言で締め切りと言ったのだ。
俺は疲れているだろう早苗を後にして、部屋を出た。
早苗がプロだということを知るのはまた後の事である。
で、俺は今その恋愛小説を熱読しているわけだ。
高1が、こんな純情な恋愛小説を読んでいるなんてバレたら恥ずかしい事極まりないので、ちゃんと買った本屋のカバーをしてある。
コツンッコツンッコツンッ
朝聞こえた足音と同じリズムの足音が近ずいてきた。
「兄さん。来てたのね」
最近、ストレスがたまっているサパップです!
今回もお読みいただきありがとうございました!
次話も楽しみに!




