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うろな高校駄弁り部  作者: アッキ@瓶の蓋。
撮影対決5番勝負!の章
93/93

3月18日 天塚柊人の一休み

 3月18日、天候曇り。

 うろな町を舞台とした、撮影5番勝負。


 1番勝負、瀬島蒼龍の提案。降矢くるみと降矢みるくの双子の人物写真対決。審査員、降矢くるみと降矢みるく。勝者、温泉津=ヒューズベルト=来夏。

 2番勝負、日向蓮華の提案。ベーカリー『シャーロック』の風景写真対決。審査員、天塚柊人と稲荷山孝人。勝者、田中映写。

 3番勝負、大神義愛の提案。大神義愛の音楽を写真に表す抽象写真対決。審査員、澤鐘日花里。勝者、温泉津=ヒューズベルト=来夏。

 4番勝負、霧島恵美の提案。霧島恵美をより美しく撮影できたかのグラビア写真対決。審査員、宮林咲と霧島早姫。勝者、温泉津=ヒューズベルト=来夏。

 5番勝負の最終対決を待たずに、先に3勝した来夏の勝利。


 撮影勝負を締めくくるとしたら、そのような結末になる。


 そもそも今回の5回に分けた撮影勝負、事の発端は宮林咲と霧島早姫が、来夏の噂を聞きつけたのがそもそもの始まりであった。

 彼女達は信じたくなかったのだ。自分達が敬愛する田中映写が、誰とも分からない女性よりも劣っていると言われたのだ。納得出来るかと言えば、納得出来ないのだろう。


 今回の件で一番大切となって来るのは、主に2つ。

 1つは温泉津=ヒューズベルト=来夏と田中映写がきちんと勝負したと言う事実。そしてもう1つは、来夏、映写、そして宮林咲と霧島早姫の4人が納得した結末である事だ。納得した結末とは、要するに2人が真剣に戦ったと言う事だ。どっちかが優秀すぎる、もしくはどっちかが劣り過ぎている。どちらかの事実は避けなければならなかった。それ以外ならば、来夏が勝とうが、映写が勝とうが。それは大した問題では無い。


 2人ともきちんと勝負を行った。

 審査員さえ違えば。あるいは別の写真を選んでいれば。またはもう少し時間があれば。

 憶測はいくらでも出来る。しかし、それを後から叫ぼうとそれは後の祭りであり、来夏と映写も納得しているだろう。来夏の事を気に食わないと言って勝負を持ちかけて来た宮林咲と霧島早姫の2人も、僕が2人に後から渡す書類に、『この勝負はどちらが勝っても可笑しくないくらい緊迫した勝負内容だった。結果として、映写は負けたが、条件が違えば分からなかった』と書き加えておけば十分納得してもらえると思う。


「この勝負、どっちが勝っても構わない、こちらから言わせて貰えれば出来レースとしか言いようが無い勝負だった」


 ――――――――だって、映写が勝とうが、来夏が勝とうが、こちらから言わせて貰えればどちらでも良かったのだから。相談を申し込まれはしたが、僕は駄弁り部の部長だ。悩みを解決する事は出来なくても、「もしかしたら勝てたかも」と思わせておけば十分である。

 そのように後から思いやすくするために、わざと勝負を間もおかずに行った。これが長期間、例えば一月置きにやられると、こちらとしてもやりづらいし、なおかつ「あの月は調子が悪かった」と言われてしまったら仕方がない。その点、5日間で行った勝負ならば、あの日はどうのと言いにくいからな。5日間で良いと言ったのは、お互いなのだから。


「まぁ、5番勝負を行えなくて残念と言えば残念だし、最後の5番勝負も自信があったのだが」


 最後の勝負、5番勝負。

 ―――――――――僕、天塚柊人が考えていた勝負。


「前に行った4番勝負で撮影した写真全てを使って1枚のアートを作れ、と言う勝負。審査員は田中映写と温泉津=ヒューズベルト=来夏自身。そう言う勝負を考えていたんだがな」


 ―――――――まぁ、今学期最後のうろな高校駄弁り部の活動と心しておこう。

 来年も良い事がありますように。

 『うろな高校駄弁り部』はこれにて一旦完結とさせていただきます。2年生編からは別作品にて、『うろな高校駄弁り部Ⅱ』と言う形を取らせていただきたく思います。そちらの方もこの作品、同様ごひいきにさせていただけると幸いです。

 では、ここまでの、2013年度の駄弁り部を見ていただきまして、本当にありがとうございました。

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