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うろな高校駄弁り部  作者: アッキ@瓶の蓋。
日向蓮華の章
9/93

6月15日 稲荷山君

 6月15日、天候曇り

 うろな町の人間の中にはどうも人外が居るらしい。とは言っても、それはどうも噂話の領域を得ない。最近、うろな中学の稲荷山孝人と芦屋莉桜が妖狐を探してうろな町を探索しているらしい。まぁ、その当人の芦屋さんはここには居ないんだけれども。なんでも、実家に帰省中との事で。



「『―――――――と言う訳で、私達は妖狐を探しているのです! 妖怪でも良いです! 何か知っている事があれば教えて欲しいのですけど』



 ……とまぁ、それを聞いて来いと芦屋が言ってましてね。すいません、先輩方。ちょっと、芦屋との話について、何かご助言を」



「はぁ……」



 実際、僕は妖狐、いやそれどころかこの町には妖狐と言う存在は知っていたとしても知らないと言うのがこの町での正しいやり方らしい。それを知っている僕は彼女の質問に対してこう答えた。



「『うん、知らないね』。そもそも妖怪なんて言う物は極力合わないようにするのが利口なのだよ。故に僕的にはそう言った存在から距離を取っていた方が良いと思うよ。と言う訳で、僕はそう言う妖怪的な存在を知っていたとしても、君には教えてはあげないけれども」



「そう、ですか。まぁ、そうですよね。では本人にはそう言っておきます。それじゃあ」



 稲荷山孝人はそう言って、帰って行った。土曜日だと言うのに今日は休日活動と言う事で、今日は土曜日なのに休日なのにも関わらず部活動を行っている。とは言っても、それは午前中までで既に終わってしまっていて、午後からは春日先生のせいで普段ここに来れない連中の相手をさせられた。例えば主婦とか、先程のような中学生とかの相手もさせられたのだ。

 不幸だとは思うが、先程の彼は駄弁り部に聞いておいてと言われて来た所を見ると、それ以上に大変そうだ。そもそも彼は彼女の代役で来ているのだ。本当に相談事ならば、彼女が来るのが正しいだろう。

 うん、正直だるい。なんで妖狐とかの話が出て来るか分からないし、それをあの少女が嬉々として探している所も良く分からない。まぁ、そう言う個人的な事には突っ込んではいけないのだろう。それは相談であり、駄弁りでは無い。



 相手の事情を知らない立場から、経験則を用いて相談事を中和する。中和するだけで確かに悩み事は減ったけれども、だからと言って消えた訳ではない。相談事を中和して悩みを軽減させる、それが駄弁りである。



 それに彼の話を聞く限り、彼女はどことなく危険な香りを漂わせている女性らしい。

 まず、自らを堂々とスパイと呼んでいる彼女はどうかと思うし、それに妖怪でも良いと言う事は結局妖怪であればどんなものだろうとも滅する危険性を彼女は秘めているとの事。そもそも善悪関係無く、存在していると言うだけで消そうとする妖怪物の小説は僕は好かない。



 そいつが本当に危ないのであれば別だが、ただただ居るだけでの害悪なんて言う物はこの世に存在しないのだから。



「まぁ、害悪と常に隣りあわせみたいな生き方をして、壊れてしまった人物を僕は1人知っているけどな」



 と言うか、今日僕はそいつとボランティアをしていたのだから。

 寺町朱穂さんの『人間どもに不幸を!』から、稲荷山孝人と芦屋莉桜の2人をお借りいたしました。キャラを確認しつつ見て行きたいと思います。

 ちなみにこの日の午前中については明日の0時に投稿します。

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