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うろな高校駄弁り部  作者: アッキ@瓶の蓋。
霧島恵美の章
71/93

12月12日~17日 雪降り恋積もる

 12月12日、天候晴れ。

 12月15日、天候雪。

 12月17日、天候雪時々曇り。

-12月12日、天候晴れ-

「降矢みるくです。こんにちは!」

「降矢くるみです。こんにちは!」



 と、北風香苗とうろな町にて出会ったのは、降矢みるくと降矢くるみの2人だった。双子の小学生であり、うろな町の癒しの存在である。北風香苗はそんな2人を見て、嬉しそうにしていた。



「うろな町にも可愛い人が居るんだね♥ 良いねぇ、可愛いよぉ♥」



「このお姉さん、ちょっと怖いねー、くーちゃん」

「そうだねー、みーちゃん」



 そう言いながらも、降矢みるく、くるみの2人は香苗の好きなように頭を撫でられていた。寒かったけれども、双子のおかげでとても心温まる日になった。



-12月15日、天候雪-

 その日は、うろな町に初雪が降った記念すべき日だった。初雪がしんしんと降りつつ、全てを真っ白に染めていた。



「稲荷山君! 稲荷山君! 雪だよ! 真っ白な雪だよ!」



「分かってるからそんなに大声で言うなよ、芦屋」



 「わーい! わーい!」と、大声でそう叫びながら雪を両手でかき上げる芦屋と、マフラーを巻いて寒そうにしている稲荷山君。



「うろな町の雪も楽しいねー! 実家だと妖怪相手に雪玉を式としてぶつけるくらいしか楽しみが無かったもんねー!」



「……どんな雪遊びだよ」



 はぁー、と溜め息を吐く稲荷山。そう言いつつ、とりあえず雪を集めて雪玉を作り出す。その雪を集めている最中に、大きな雪だるまを見つけた。



「デカい雪だるまだなー」



 そう言いつつ、雪玉を作る稲荷山。へぇー、っと思いつつ、稲荷山が雪だるまを見ていると、



「……いーなーりやま、君♪」



 雪だるまの後ろから可愛らしい声で、稲荷山へと話しかけてくる。その声の主は、意外な人物の水鏡栗花落であった。「えぇ――――――!」と稲荷山が驚きのあまり、尻餅をついてしまっていた。



「稲荷山君、どうしたの? ああっ、水鏡さんだ!」



「あっ、芦屋さんだー! こ、ん、に、ち、は! 水鏡さんだよー! やっはろーとか言っちゃったり、しちゃったりして! アハハハハ!」



「……ど、どうしよう、稲荷山君! 水鏡さんが壊れちゃったよー!」



「……だから、尻餅をついて驚いていたんだが?」



 「どうしたんですか?」と立ち上がり、水鏡に聞く稲荷山。



「こう言うノリで話してー、って頼まれたから、あなたの望む水鏡さんなのだぞー! ぷんぷん♪

 実は、ね! 稲荷山君に伝言を伝えてくれって、頼まれたのー♪」



「何を頼まれたんだ?」



 と、稲荷山が聞くと、



「『あなたの事が好きです!』って伝えてくれって頼まれたのー♪ それが彼女の望む、水鏡栗花落なのー♪」



 それを言った瞬間、稲荷山君と芦屋さんの2人にピキリとした不穏な雰囲気が漂っていた。



-12月17日 天候雪時々曇り-

「……好き……です。だから……クリスマスイブを一緒に過ごしてくれませんか? 木下真弓先生?」



「え、えっと……横島? それはそのー……」



「雪が降り積もるのと同じように、私の恋心も降り積もっているのです。……で、私はもう我慢出来ないの。だから、もう私は……」



「……え、えっとそのー」



「す、好きなんです。もう……我慢出来ないから。答えが、欲しいんです。私は」

 短編集です。

 パッセロさんから降矢みるくと降矢くるみ、寺町朱穂さんから稲荷山孝人君と芦屋梨桜さん、YLさんから木下真弓先生をお借りしました。

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