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うろな高校駄弁り部  作者: アッキ@瓶の蓋。
霧島恵美の章
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11月9日 嫌いな幼馴染

 11月9日、天候晴れ。

 その日は、あの忌々しい人間が来る日にしては、雲一つない、太陽が天に輝いている快晴だった。寒い北風が私の身体を凍えさせて、そして温かい太陽の日差しが私の身体を温めていた。温かさを感じつつ、寒さを感じる……そんなうろな町、11月9日。東うろな駅の前の、ショッピングモール前。私は北風香苗とそこで待ち合わせをしていた。



「はぁー……」



 私は溜め息を吐きつつ、今日の服装を自分で確認していた。

 露出を控えつつも大人びた雰囲気を感じられる白色のコート。首回りや裾周りには、白のレースが取り付けられている。頭にはモフッとした白の帽子を被っている。そしてキラキラとした宝石の粒が取り付けられた黒の小さなバッグを持っており、首から白い真珠で作られたネックレスをかけている。

 大人びた、そう言う雰囲気がしている格好である。いつも通りの、私である事に私はホッとした笑みを浮かべる。



「あっ! ”えーちゃん”が居た! ヤッホー!」



 その言葉に私は一瞬にして暗い気持ちになってしまう。そして私が前を見ると、そこには彼女の姿があった。



 茶色に近い栗色の髪を腰まで伸ばしている、少し小柄な少女。透き通った海のような水色の瞳と、頭の上に黒いリボンを付けている。

 そしてニコヤカな笑みを浮かべていて、こっちの方を見ている。



「えーちゃん、お久しぶりだねー!」



「……香苗さん」



 ブィッとでも言いたげに、指を2本立ててVマークを見せつける香苗さん。



 子供っぽい呼び方も、子供っぽい雰囲気も、そして―――――――



 ―――――――――彼が好きな彼女の雰囲気その者だった。



 私はそれを見て、



「おかえり、香苗さん」



 作り笑いをしてごまかした。

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