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うろな高校駄弁り部  作者: アッキ@瓶の蓋。
ハロウィンの章
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10月31日E ハロウィン・ナイト~舞音詩音を女にする10の方法~

 10月31日、天候晴れ。

 大きく、そして真っ黄色な月は夜の空に浮かんでいた。海の家ではない、お菓子の家ARIKAでは仮装した沢山の人間がハロウィンを満喫していた。



「ふっ……。トリック・オア・トリートだな、諸君! さて、では最高のパーティーにしようではないか!」



 そう言ったのは、うろな高校文芸部の香月先輩。黒い騎士の甲冑と兜を被った黒騎士の格好をしている。妙に光沢があってリアルであり、ハロウィンと言う一介の行事に使うにしては凄い出来が良い物である。



「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。達也きゅぅぅぅぅぅぅんはどこぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」



 そうやってテーブルに泣きついているのは、女優の舞音詩音。白い可愛らしいワンピースを着ており、その手には血の付いた包丁を持っている。その姿には女優の舞音詩音としての感じは全くなく、ただの血付きの包丁を持った殺人鬼の姿だった。



「……我が黒騎士の格好もそうだが、お前の格好は何の格好なんだ?」



「うぅ、これは殺人鬼では無くて『メリーさんの電話』のメリーさんの格好ですよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! メリーさんの格好でハロウィンを楽しんでますよぉぉぉぉぉぉぉ!」



 そして詩音は泣き叫んでしまっている。彼女は上条達也のストーカーであり、彼女がハロウィンに参加している理由はただ一つ。上条達也と一緒に楽しみたいのに、そこに居ないから残念そうにしているのである。まぁ、彼が他の女性と楽しそうにしている事も嬉しくない理由の1つなのだろう。



「うぅぅぅぅぅぅぅぅ、かくなる上はこの包丁でぇぇぇぇぇぇ!」



「こ、怖いよ! この女優さん!」

「頑張ろうよ、大作!」



 そう言うのは、金井大作と相田慎也の2人である。金井大作の格好は背中に弓矢を背負った弓使いの格好。弦の張られた糸と弓矢を持っている。そして相田慎也の格好は盗賊。ターバンを巻いて肌を露出しないけれども動きやすい格好をしている。そんな2人は詩音のあまりの姿に驚いていた。



「ダメですよ、詩音さん! 女性としてダメですよ! 女性とはメイドであり、メイドで終わる! それが女性の生き方であり、ありかたです!」



 そう言うのは、【大光寺家】のウエイトレスである絵理奈。彼女は水色の和服を着ている。そして髪には青い水晶の髪飾りを付けている。そしてそんな彼女はガシッと詩音の手を取る。



「尽くして! 尽くして! 尽くす!

 1に奉公、2に奉公、3、4がなくて5に奉公! それこそが女性としての愛の全てなのです!」



「そ、そうなのですか……?」



「そうです! 男性に気付かれるまで気長に待つ! 都合の良い女と思われようとも、どんな事だろうとも愛のために尽くす! それがメイドとしてのメイド道なんですよ!」



 絵理奈さんがそう強く言うと、それに心を打たれて涙を流す詩音。そしてそんな彼女の肩に手を置いて、空に浮かぶ月を指差す彼女。



「さぁ、あの月に誓うのです! メイドとしての、メイド道を!」



「はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ、絵理奈さぁぁぁぁぁぁぁぁん!」



 そうやって泣く彼女を見て、香月先輩は一言。



「何、これ?」



 と呆然と立ち尽くしていた。



「とりあえず香月先輩に練習として尽くしてみません!?」



「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ、嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



「……人としての人権はあるんだよ、こっちにも!?」

 今回の5人は絵理奈、香月先輩、金井大作、相田慎也、舞音詩音の5人で行わさせていただきます。

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