表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うろな高校駄弁り部  作者: アッキ@瓶の蓋。
ハロウィンの章
59/93

10月31日C ハロウィン・ナイト~Win-Win、Sister Love~

 10月31日、天候晴れ。

 夜が更けて行って月が闇の中に見えて来た頃、ハロウィンも楽しんで行われていた。



「ふぅ……」



 狼の皮を被ったような、黒いジャージ服の狼男のコスプレをした僕、天塚柊人はただぼんやりと本を読みつつ、ハロウィンの雰囲気を楽しんでいた。隣に座っている手足に包帯を巻いた魔女のローブと魔女帽子の魔女ミイラと言う謎の格好をしている、青空渚は無表情な顔でマフィンを食べ続ける。

 多分だけど、いくつかグループがある中で僕達が一番静かにしているんじゃあないでしょうか? まぁ、他もそれなりに盛り上がっているみたいだし、盛り上げてみようか。



「渉さん。妻である清水司さんのご妊娠、及びお義父さんの説得、お疲れ様です。あと、トリック・オア・トリート?」



 そう言って、僕はガイコツ男の絵が描かれた全身タイツスーツに身を包んでいる、清水渉先生さんにロールケーキを差し出す。



「……トリートで頼む」



 そう言って疲れ切った顔の渉先生はロールケーキに手を伸ばす。



「いやー。あのお義父さん、強くてな。何人かと修行したと言うのに、あの人は化け物だ」



「自分のお義父さんに化け物呼ばわりはないと思いますが」



「それくらい強かったんだよ」



 ふぅー……と一息吐く清水渉先生。よっぽど凄まじい戦闘だったのだろうか? 良くは知らないけれども。



「まあ、これでまた一歩大人になったってことじゃないですかね、お二人とも」



「そうよ! あの司ちゃんが遂にお母さん……しかも双子の……。

 ウフフ……子供達にどんなコスプレをしてもらいましょうか?」



 そう言うのは、清水渉先生と司先生のどちらも共通の友人である小林果穂さんと拓人さんである。果穂さんは全体的に白いローブのような姿の三蔵法師姿、拓人さんは如意棒を持った赤い服を着た孫悟空姿。小林さん達一家は家族で西遊記の格好をしており、果菜ちゃんと美果ちゃんを合わせて『西遊記』になるらしい。

 拓人さんは中華風クッキーをパクパク食べながら、果穂さんは頬を抑えつつまだ見ぬ清水司さんの子供達に悶えている。



「「「「トリック・オア・トリート!」」」」



 そんな事を思っていると、僕達のテーブルに4人の子供が現れた。

 青空汐、霧島美枝、小林果穂と美果の子供達4人組である。どうやらお菓子をねだりに来たみたいである。



「お、良く来たね。はい、持って行ってね。」」



 そう言って拓人さんは4人組に中華風クッキーを渡して喜びの声をあげる。その後、トコトコと汐は無表情ながらマフィンを食べ続けている渚さんの所に向かって行く。



「渚お姉ちゃん! 何かお菓子を頂戴!」



 ニコリと笑って渚さんにそう言う汐さん。そして渚は「……仕方ないわね」と言って皿の上からマフィンを渡す。それには可愛らしい動物の絵柄がプリントされていた。



「ワー! 可愛い! ありがとう、渚お姉ちゃん!」



 そう言って喜んだ汐さんは、美枝、果菜さんと美果さんに渡して行く。それを見て渚さんは「ウフフ……」と無表情ながらに笑う。

 まぁ、無表情ながらも妹想いの良いお姉ちゃんと言う事なのだろうか?



「まぁ、お義父さんに認められたし、双子の赤ちゃんが生まれてくれて良いこと尽くめ、と言う事にしておこうか? うん、Win-Winだな」



 と、渉さんが言っていたので僕は1つ忠告だけしておく。



「でもまぁ、武闘派のお義父さんに認められたって事は、しばらくは会った時に勝負の相手でもさせられるんじゃないんですか?」



「……それは、ありえるな。はぁ、稲荷山じゃないが……不幸だ」



「ハハ……」



 まぁ、生まれて来る双子のためにも、頑張ってくださいね。新米お父さんの清水渉さん。

 今回は天塚柊人、青空渚、清水渉、小林果穂、小林拓人です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ