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うろな高校駄弁り部  作者: アッキ@瓶の蓋。
ハロウィンの章

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10月31日B ハロウィン・ナイト~日向蓮華の逆ハーレム?~

 10月31日、天候晴れ。

 海の家ARIKAならぬお菓子の家ARIKA、10月31日の月が差し込むハロウィンのその日。入って来た人達は色々なテーブルに分かれていた。包帯を巻いた格好のミイラ男ではなくてミイラ女のコスプレをしている日向蓮華は、戸惑いを隠せなかった。

 彼女の周りに居るのは、黒髪で背中に黒い翼を生やした黒い紳士服と黒マントを羽織ったドラキュラ姿の合田康仁、肌の露出が少し多い透明な羽を生やした可愛らしい妖精コスプレの鹿島萌。同じく赤黒いマントと白い牙を生やしたドラキュラのような上条達也、そして赤いマフラーを纏ったどこぞのヒーローのような姿の天狗仮面。

 鹿島萌以外は皆男性であり、しかも蓮華自身とはほとんど面識がない人物ばかり。日向蓮華は緊張しまくりの面持ちであった。



(うぅ……。これもまた経験なんですよね。ならば、私がやるしかないですね――――――私が中心となって場を盛り上げませんと!)



 グッと拳を強く握りしめた彼女は、とりあえず一番話しやすい鹿島萌ちゃんに話しかける。



「か、鹿島萌ちゃんはさ、寒くないのかな?」



「え、えっと……ちょっと寒い、かな? でも、ヤス兄ちゃんが居るから平気!」



 ニコリと笑う彼女を見て、蓮華は「そ、そぅ?」としか言えず、愛想笑いをしていると後ろから大柄な合田康仁が現れて、



「……おい」



 と不機嫌そうな声で言うので、蓮華はビクリとしていたが萌は



「あ~! ヤス兄ちゃんだ!」



 と大きな声を出して康仁の元へと向かって来ていた。



「……ったくよ。寒いなら寒いって早く言えよな。ほら、チョコでも食べときな」



 そう言いつつ、寒そうにしている萌に着ていたマントを羽織らせて、そして紳士服のポケットから板チョコを出した。そして、萌は嬉しそうな顔で



「ありがとう、ヤス兄ちゃん!」



 と言って、康仁に礼を言った。



(意外と良い人、なのかな?)



 とそれを見ていた蓮華はそう思っていた。そう思っていると、いきなり天狗仮面がガシッと蓮華の肩を掴んで蓮華に詰め寄っていた。



「え、えっと……な、何ですか? えっと……天狗仮面さんでしたっけ? 何ですか?」



「じ、実はだな! この間、来夏氏に新しいカメラを買ってあげてはみたんだが、それで本当に良かったか聞きたいと思ってな。丁度、向こうで話しているみたいなんだが、どうも清水司さんの子供を見ているようでな。女性ばかりで話しかけづらいのだが、付いて来ては貰えないだろうか?」



 な、なんとなく責任感の強い……良い人……なんだろうか? と、蓮華は思っていた。確か来夏さんは清水司さんの双子の赤ちゃんで騒いでいる女性連中に話しかけづらそうにしていたんだろうな、と思った。まぁ、確かにあの場に男性……もとい、天狗仮面が押し入ったりしたら大変な事になるんだろうなと思っていた。



「でもまぁ、大丈夫……だとは思いますけれどもね。案外、相手の方も気にしていないとは思いますよ?」



「そ、そうだろうか? まぁ、同じ女性であるあなたがそう言うのならば大丈夫なんだろう。とりあえず一回向かってみるとしよう」



「そうしたら……良いと思いますよ?」



 そう言って天狗仮面は清水司さんの元に向かって行った。話して悩みを解決する、その姿がなんだか天塚柊人みたいだなと思った。



「私も……。人の役に立てるんだな……」



 その事にちょっと誇らしげに思った彼女は、最後の相手、上条達也の相手もするべきだと思っていた。



「え、えっと……上条達也さん……でしたよね? お話しても構いませんか?」



「あ、あぁ……。俺も普段は普通な女性と話す機会が無くてな。少し変に思われるかもしれんが、よろしく頼む」



(な、なんだ。彼も緊張してたんだな。なんだか親近感が湧いてきました)



 そう言いつつ、蓮華は話を進める事にしてみた。



「え、えっと……普通じゃない女性って例えばどんな?」



「そうだな……ロリ系の幼馴染とストーカーの女優、あとは……」



「……もう良いです」



 初めにこの人に親近感が湧いた事を後悔する蓮華であった。

 今回は日向蓮華、合田康仁、鹿島萌、上条達也、天狗仮面の5人です。

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