9月27日 蛇なあの子のお話
9月27日、天候晴れ。ちょっと寒めの模様。
芦屋梨桜は陰陽師であり、このうろな町に住む全ての妖怪に対して嫌悪感を持っており、そして例え人に対して直接的に被害を及ぼすつもりもない者に対しても芦屋梨桜は滅する。
それに対して私は、昔から将軍のような気質を感じていた。そう、とあるナチスドイツの、ユダヤ人と言うだけで殺害を命じていた種類の、そう言った気質。
彼のドイツ将軍は冷酷非道と言う感じがするが、まだ芦屋梨桜はあそこまでは染まっていない。染まりきっていない。
しかし、彼女に対してこんな質問をしてみた。
もし仮に、本当に意思もなく、ただただ良く言う性質だけ受け継いで先祖返りみたいな物が居るとして、その血が妖怪の血だったらどうする?
私はそう言った事を主題とした少女漫画を見せながら、芦屋梨桜に聞いてみた。すると、彼女はこう答えた。
「弓枝先輩! 例え先祖返りだとしても、その人の持つ力が妖怪の物であったのならば、危険です! 危険に決まっています!
まぁ、そこまで薄い程度ならば、あくまでも性質を封じるお札を貼って私はおしまいにするでしょう。けど、実家の人達だったらまずお家断絶してでも皆殺しです!
あぁ、それよりも何か九尾の狐の情報を……」
そこまで聞いてもう良いと私は帰った。
今度の愛は、《友情愛》。
私と、とある親友との《愛》の物語。
蛇の妖怪の血を受け継いだ、ちょっと変わった女の子の、私の親友のお話。
寺町朱穂さんの、『人間どもに不幸を!』より、芦屋梨桜さんをお借りしました。