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うろな高校駄弁り部  作者: アッキ@瓶の蓋。
温泉津=ヒューズベルト=来夏の章
36/93

9月4日 晴れ時々カメラ日和

 9月4日、天候晴れ。

 温泉津(ゆのつ)=ヒューズベルト=来夏は、温泉津春日先生(先生はその『温泉津』と言う珍妙な苗字を気にしているから、ほとんどの生徒から春日先生と呼ばせているのだけれども)の親族であり、『いとこ違い』と言う関係にある。5親等となかなか普通だったら会わないような間柄だけれども、春日先生と来夏は個人的な関係もあって親交も深い。

 僕はと言うと、春日先生との付き合いによって来夏との面識もあった。それ故に一昨日、まだ学校に慣れていない来夏を迎えに行ったと言う事である。



「しかし、今日もまた来夏を迎えに行くとはな……」



 パシャリ、と。彼女は首にかけた古ぼけたカメラのシャッターを切って、撮影を行っている。



「すいません、シュート。まだ慣れなくて」



 そう言いながら、ペコリと頭を下げる来夏。まぁ、来夏はアメリカからやって来たばかりで、異国の地で一人きりと言うのも考えてみれば酷いとは思うけれども。



「いや、良いさ。それよりもだ、早いところ道を覚えてくれよ。いつまでも君にばかりかまけている訳にはいかないのさ」



「……Yay. 了解しました。だからこうやって、写真を撮りつつ、道を覚えているんです」



 パシャリ、とまたしても写真を撮る。

 彼女は撮影が趣味なのだ。その首にかけているカメラによって、多くの風景写真を撮って来た。僕は彼女がそう言った写真を撮る事が好きだと言う事は理解しており、どうして好きなのかと言った個人的な事までは理解出来ていない。いくら面識があると言っても、彼女のそう言った事情までは詳しくないのだ。僕と彼女は顔見知り程度の仲であり、そこまで詳しくお互いに事情を知って居る訳ではないのである。



「シュート、今度あなたが言っていた『グラビアアイドル顔負けの幼馴染』と言う人と会ってみたいです」



「霧島か?」



 確かに霧島の事は話していたような気がする。あと、水鏡の事も。まぁ、日向さんは最近会ってまだ話してはいないが。



「その人の写真を撮ってみたい。そう言う話か?」



「―――――No. その人と少し話してみたい事がありまして……。まぁ、個人的な事ですので、今週の土曜日にでも会ってみたいんですが」



 土曜日、ね。一応、霧島に連絡を取ってから会ってみるとするか。



「連絡はしてみるが、会えなくても仕方ないぞ? そうだな、その前に水鏡さんと日向さんに会ってみるか? 2人にお前を紹介すれば友達になってくれるかも知れないぞ? まだこっちでの友達も少ないお前にとっては、友達が多いに越した事はないだろ?」



「―――――そうですね。じゃあ、会ってみますよ。その御二人に」



 水鏡とは歳も近いし、友達になってくれると僕としても嬉しい限りではある。



「では、家も近いですしこれにて失礼します」



 と、春日先生の家を見つけた来夏は頭を下げていた。今は春日先生の家に彼女は住まわせているそうだ。そのまま家へ向かう彼女を、僕は見つめていた。



 さて、水鏡と日向には連絡をしておこう。明日か明後日には彼女と会わせないといけないしな。さて、これが吉と出るか、凶と出るか。日向は多少人見知りだし、水鏡はまだまだ主体性を持っているとは言えないしな。さて、どうなる事やら。

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