7月22日 剣道大会の顛末と1人の少女の決意
7月22日、天候曇り。
「ちょっと、柊人! どうして昨日、私の誘いに乗らなかったのよ! 寂しかったじゃないの!」
と、昼の読書タイムを楽しんでいた僕の所に霧島恵美がやって来た。どうも昨日、彼女の剣道大会の打ち上げに参加しなかった事を怒っているらしい。とは言っても、見てすらいない剣道大会の打ち上げなんかに参加なんて出来るかと言いたい。
人伝に聞いた話だと、どうも彼女は1回戦である中学生に対して何かエロい手段でどぎまぎしているうちに竹刀で倒したらしい。まぁ、その次の試合で清水先生の謎の執念にて負けてしまったらしい。
ちなみに同じく水鏡栗花落が試合に出ていていたけれども、一回戦にて負けてしまったらしい。幽霊を呼び出して憑りつかせて戦っていたんですけれども、天狗仮面に負けてしまったらしい。天狗仮面、あの変人は強いんだけれども。
「あの試合の私は、あなたの望む水鏡栗花落でしたか?」
と、同じように部屋に居た水鏡栗花落はそう言って来る。
「あぁ、ごめん。見ていなかった」
「……ガ――――――――――ン」
と言って倒れる水鏡栗花落。だって事実見ていないのだから仕方ない。昨日は大事な日だったのだ。お気に入りの作家の作品の発売日だったのだから。と言うか、水鏡栗花落よ。主体性を手に入れて少しうざく無かった気がするのは気のせいだろうか?
「まぁ、2人が頑張ったのは理解出来た。剣道大会、お疲れ様」
そう言って、2人に言うと2人はそれなりに顔を赤らめて喜んでくれた。
「ふふん! 流石、柊人ね! メインヒロインである私の扱いが理解出来てるわ。私は水着大会も出る予定だから、絶対に見に来なさいよ!」
「私もあなたの望む水鏡栗花落で要られて満足です」
それは良かったと僕は返しておいた。
いつもの霧島恵美のメインヒロイン発言はともかくとしても、水鏡栗花落が主体性を徐々にだが着実に手に入れていると言う事は僕としても嬉しい話なのだから。
「うぅ~、私も頑張らないと!」
そう言って、部屋の外で水着大会の出場を決めた1人の女の子の存在を僕はまだ知らなかった。
寺町さんの7月21日分の剣道大会の話とリンクしています。