7月15日 公園ライブ
7月15日、天候晴れ。
暑い。
勘違いされているようなので、初めから言わせてもらいますが僕、天塚柊人は休日はずっと家に居るような反ひきこもり生活を送っていますけれども、別に家に居る事が多いと言う物ではない。僕の趣味はインドア派―――――――と言うよりかは静かさを求める趣味が多い。
読書や料理と言った事は趣味で良くやっているが、携帯ゲーム機やTVゲーム機なんかは音が騒がしいのであまり好まない。音楽も騒がしいのは苦手で、どちらかと言えばクラシックのようなあまり騒がしくない音楽の方が好きである。
厳かに静かで、ゆっくりとやっているような趣味の方が好きなので、僕は騒がしいのはあまり好きではない。
うろな町で言うと、海浜公園が僕は好きである。無駄に遠いのでそうそう容易く行けるような場所ではないのだけれども、それでも暇な時は僕はこの海浜公園に足を運んでいる。海浜公園には休日でもあまり人が来ずになおかつ、海から来る潮風がなんとも心地よい。今日は月曜日だが、休日なので僕はここに居るのである。今日もゆっくり過ごせると思っていた。しかし、今日はどうにもそう言った事が出来なかったようである。
「さぁ、皆! この暑い夏を乗り越えるためにも、歌って乗り越えましょう! 曲は伝説の夏の名曲、『夏祭り』!」
『イエーイ!』
どうやらあの『DQN's』と言うロックバンドがこの海浜公園でライブとかをしているらしくて、そのファンだと言う奴らが騒いでいて静かではないのだ。
『DQN's』、あれで『ドキュンズ』と言う名前で読むらしい。
メンバーは2人組。2年に転入した瀬島蒼龍、そして1年に転入した大神義愛の2人組である。あの2人には色々と問題がある。
まず名前。前に榊みたいなのが居たが、彼らはそれ以前に名前が可笑しい。こう言うのをキラキラネームと言うのだった。当て字やアニメキャラの名前をしたり、そう言った普通では読めないような名前で出して来る。それがキラキラネーム、彼らはその典型である。
それに服装。瀬島蒼龍は腰まで伸びる金色の髪を髪留めでポニーテルにした青い瞳をした外人めいた容姿の美少女風だが、そう言った女装をしているれっきとした"男性"。白い豪華そうなフリフリのドレスような服装を着ており、梅原先生よりもぎりぎり高いくらいの140cmくらいの低身長のロリ的な容姿をしている。そして大神義愛は無愛想な顔をした黒髪と黒い瞳をした容姿の美少年風だが、れっきとした"女性"。背も170cmくらいと高く、深緑色のラフそうな服と黒い長ズボンが妙に似合っている。
そして、ロックバンドを2人でやっている。
彼らはどこかおかしい、と言うよりかはどこかずれている。いったい、彼らは何者なんだろう。
「はぁ……しばらくはここでゆっくり過ごす事は出来そうにないな」
その時の僕は、それくらいにしか気に止めていなかった。知らなかったのだ、彼らが凄い問題を抱えていた事に。