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7月11日 先生な恋人達とちぐはぐな2人

 7月11日、天候曇り。

 ただし、暑い。

 うろな町の海に面する公園、うろな海浜公園。そこに2人の教師が歩いていた。うろな中学の教師、清水渉しみずわたる先生と梅原司うめはらつかさ先生の2人は歩いていた。



「いやー、梅原先生。海に来るのも久しぶりですね」



「そうだな、清水。しかし、私をこんな所に連れて来てどうするつもりだ?」



「それは勿論、この暑い日の我々の落ち込んだ気持ちを何とかする為に、梅原先生に水着を着て貰おうと思いましてね」



 そう言って、清水先生は鞄の中から小学生サイズの『2-3 梅原』と書かれたスクール水着を梅原先生へと突き出す。梅原先生はそれに対してじー、っとジト目で睨み付けていた。



「いや、別にですね! 『2-3』と書いたのはただのおまけ、みたいな物でしてね! 先生の姿が、決して小学校2年生レベルとかじゃあなくってですね!?」



「……はぁー。お前は相変わらずだな、清水。まぁ、お前らしいと言えば、お前らしいが。それとスクール水着は流石にないぞ、私を通報してお前を警察に渡したくはない。

 それに、まだ夏休みじゃなくて学生達が勉学に勤しんでいる時に、私達がやる訳にはいかないだろう」



「……ですかー。じゃあ、またその時にやるしかないですか」



 アハハー、と笑う清水先生。「先生の水着を世間の衆目に晒すのが嫌でこうなりましたが……いやー、なかなかガードが硬い。ここはプライベートビーチを予約して……」と不穏な空気を漂わせる彼に、梅原先生は無視して歩き続ける。と、そこで不思議な2人組が現れた。



 1人は腰まで伸びる金色の髪を髪留めでポニーテルにした青い瞳をした外人めいた容姿の美少女。白い豪華そうなフリフリのドレスような服装を着ており、梅原先生よりもぎりぎり高いくらいの140cmくらいの低身長のロリ的な容姿をした少女。その手には黒いギターケースを持っている。

 もう1人は無愛想な顔をした黒髪と黒い瞳をした容姿の美少年。背も170cmくらいと高く、深緑色のラフそうな服と黒い長ズボンが妙に似合っている。そして彼もまた白いギターケースを持っている。



(バンドの人、か?)



 梅原先生が戸惑っていると、その金髪少女が話しかけて来た。



「すいませーん、お二方! 町役場ってどこにありますか? ちょっと住民登録しに行きますんで」



 テヘ、とそう言いながら笑う少女。それを見て、何故かドキリとした表情をする清水先生を見て、梅原先生は何故だか分からないが嫌な気持ちになる。



「えっと、町役場は……あっちのショッピングモールの方をまっすぐ行くと、町の中央地域に出るからそこまで行けば分かるかと」



 そう清水先生が身振り手振りで教えると、少女は「ありがとうございます!」と礼儀正しく頭を下げた。



「いやー、凄いですね! ボクは、今度の12日からこちらの街のうろな町に引っ越す事になりました、瀬島せじま"ソウル"と申します! うろな高校の2年生です!」



「そ、ソウル……?」



 と、金髪少女の言葉に清水先生がきょとんとする。



「ほらほら! "ぎっちゃん"もホラホラ!」



 金髪少女は隣に居た黒髪少年にそう言う。



「……大神おおがみ"ギア"。うろな高校1年」



 と、黒髪少年はそう答える。その少年の声は、可愛らしい女性のようなアニメ声であった。その声にきょとんとなる清水先生と梅原先生の2人。



「あー、お2人さん! 私達の性別を間違ってますね? ボクは男性ですよ、男性!?」



「「だ、男性!?」」



「ぎっちゃんは女性ですよ」



「「じょ、女性!?」」



 金髪女装少年と黒髪男装少年に驚く、清水先生と梅原先生。



「じゃあねー、恋人のお二方! また機会があればお会いしましょう!」



「……では」



 そう言って変な2人は帰って行った。その2人を見送って「アハハハ……」と笑う清水先生。



「変な2人ですね……梅原先生。梅原先生?」



「……こ、恋人? えっと、恋人? こ、恋人? わ、私が清水と……」



「おーい、梅原先生?」



「な、何でもない! 帰るぞ、清水!」



 そう言ってぷりぷりと怒って帰る梅原先生。



「―――――そんなに、恥ずかしがる事ですかね。まだまだ僕はやらないと」



 と、清水先生は小さく言っていた。

 YLさんより『清水渉先生』と『梅原司先生』をお借りしました。何か可笑しな点がありましたら、よろしくお願いします。

 また今度はこの人達の章です。では、続きをよろしくお願いします。

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