6月29日 彼女が手に入れた物
6月29日、晴れ。連日最高気温更新中。
6月29日。梅雨明けが原因だろうか、最近は夏に向けて日に日に暑くなっていて、僕は倒れそうだ。土曜日なんかに僕は学校なんかに来たくはなかったんだけれども、そう言う事を言っていられない状況が発生したために僕は休みの日に学校の部室にいた。
部室には僕以外にも、そう、僕をここに呼び出した女性は「フフフ……」と笑いかけながら部室の机の上に座ってニコリと笑ってこう言っていた。
「現状維持型思考、及び思考停止型思考」
と、久しぶりに会った水鏡栗花落―――――の身体を借りた神代はそう言っていた。
ここ数日は本当に大変だった。まず霧島恵美とその親衛隊の面々にあれはでまかせだったと言った。具体的には相談事に対して、必要だからした行為だと言っておいた。それが誰のどんな依頼に関係あるかまでは教えなかったけれども、僕が時々そう言った、相談事に対してちょっとした行為を行っている事があるので黙認された。まぁ、少なからず謝罪とかをしなければならなかったけれども、それは些細な問題で特に問題視するような度外視するような事では無かった。その後、日向蓮華にも相談事のためにやった事を言っておいた。けれども、どうも納得するのに時間がかかってなかなか難しかった。
「しかも日に日に暑くなっていく気温で参りそうだったよ……。それに明日はもっと暑くなるって言うし……」
「暑く……ね。それはこれとまったく関係ないけどね。今、問題視しているのは水鏡栗花落が、実は現状維持型思考、他の言葉で言い換えるとすれば思考停止型思考と言う事だよ」
現状維持型思考……。思考停止型思考……。言葉の意味から考えるとすると、
「現状維持を求めたり、考える事を放棄していたと? 水鏡栗花落は?」
「まぁ、そうだよね。彼女は今の、この生ぬるいような状況の現状がこのまま続けば良いなと思っていました。今の状況に満足していますから。
日向蓮華が入って来るならばこの状況はそんなに変わりませんよ、あなたは今までそうやって沢山の人間と関わって来て、それでも水鏡栗花落は何一つとして変わらなかったのですから。けれども告白――――――それは少なからず彼女の主体性を持たせる要因になったのでしょう。
現状維持を求める、思考停止状態に満足していた彼女は――――――いきなり告白と言う大イベントで考えすぎて可笑しくなってしまった。それが彼女が家出した理由。
そしてそれを君が連れ帰った、それで彼女は満足して君と一緒に帰ったんだ。
いわば、現状に危機感を覚えた彼女が思考の果てに主体性を手に入れた、と言うのが今回の事の顛末なんだよ」
顛末……。まぁ、今回は上手く行ったから良かったものの、もう少し穏便なやり方を頼んで欲しい物である。
「まぁ……。今度は彼女に主体性を持たせるために、彼女に勝つ喜びとか負ける悔しさを知らしめるために、7月21日に剣道大会に出て貰いますけれども」
勝つ喜びとか、負ける悔しさとかを知って、水鏡栗花落に主体性を持って貰うのか……。
「まだまだ主体性のきっかけしか持てないような彼女ですけれども、少しずつ―――――――本当に少しずつ、彼女には主体性を少しずつ持ってくれるようにやるから、君も頑張って見守ってくれよ、天塚君?」
「あぁ、分かってるよ。彼女に主体性を持って貰う為に、少しずつ成長していくお前を見ているよ」
と、僕が言うと彼女は「フフフ……」と笑いながら扉へと向かって行く。
「その言葉は、彼女が彼女として居る時に伝えなよ。
――――――考えてくれて嬉しいよ、ありがと。天塚柊人君」
その最後の言葉が、神代としての言葉なのか。それともそれが水鏡栗花落としての言葉だったのか。
それは僕の頭では分からなかった。
これで一応、主体性のない美少女、水鏡栗花落の問題は解決とさせていただきます。次回に解決する美少女は只今考え中です。考え次第、その美少女を出したいと思います。美少女って決まってるのかよ……。
それでもちゃんと更新はするので、考えます。
次回からは他の作家さんのキャラの悩みとかを駄弁って解決したいと思います。と言う訳で、どのキャラのどう言った悩みを駄弁って欲しいのかを募集します。とりあえず、次の章に入るまではやってみたいと思うので、感想やメッセージ、それから掲示板で書いていただけるとありがたいです。では!