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うろな高校駄弁り部  作者: アッキ@瓶の蓋。
水鏡栗花落の章
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6月22日 ボランティアな休日

 6月22日、天候晴れ

 うろな南小学校、そこのプールは小学生達が洗うにしては大きいプールであり、とてもじゃないが小学校高等部の生徒達にこの掃除を行わせるのはいかがな物かとPTAの一部の人がそう言っていた。今やいじめ問題は深刻であり、こんな大きな場所を掃除しているのがもし『いじめ』だと思われると色々とややこしい事態になる。



「だからって高校生を呼びますかね、普通」



 と、僕、天塚柊人は濡れても良い服を着ながらそう思っていた。



 ボランティア。そう、ボランティアの一環だ。この前、6月のボランティアはしたため、これは緊急のボランティアだ。

 依頼者はうろな南小学校教職員の小林先生、そして内容はこのプールの掃除だと言う。

 ボランティアは毎月1回だと思っていた僕は憂鬱で仕方がない。



「ほ、ほら。ぐ、愚痴っててもしょうがないから早く終わらせようよ」



 と、日向蓮華がそう言うが、その言葉に説得力はないと思う。何故かって、そりゃあ彼女が水着を着ているから。それもビキニ。

 小柄な体格に似合わない大きな胸を覆う白のビキニ。その白さと関係無く、何故か胸とビキニのコラボからか淫靡さと美しさを漂わせている。



「正直、ビキニ姿で小学校のプール掃除は痛いと思うよ、僕は」



「しょ、しょうがないよー。だって、プールのお誘いとしか聞いてないし……」



 いや、小学校のプールのお誘いだったのだが。プールだったらショッピングモールに出来たレジャー施設に連れて行くし、海にだって行くのに。



「まぁ、汚れない服だったらなんでも良いや。とりあえず作業を終わらせようよ」



「う、うん……。そ、それで柊人君……に、似合うかな?」



 「そうだねー」と曖昧な返事を返しておく。こう言ったのは曖昧な返事が一番効果的だからだ。それでも彼女は嬉しかったのか、持っているブラシをゴシゴシとやるスピードがさっきの倍以上に速い。……何故か罪悪感を感じるのは何故だろうか?



「それはともかく、栗花落も仕事をしろよな」



 一応、栗花落にも声をかけた。

 手伝って貰うための人員として呼んだのではない。これは彼女に主体性を持たせるための行為でもある。プールを僕や日向さんと掃除して、「あぁ、綺麗になったな」と思う栗花落はそこで労働の充実感を得る。そうして主体性を持たせるための策として思っていた。まぁ、これにはあまり効果がないとは思っている。掃除のボランティアにも参加させているが、いまいち効果がないのだから。

 そして今日はいつも以上に効果が無かった。



「そうだねー」

「そうだねー」

「そうだねー」



 と、三者三様の声が響き渡る。そこに居るのはジャージ姿の水鏡栗花落と双子の女の子。

 双子の容姿はそっくりそのまま瓜二つ。服もまたそっくりそのまま瓜二つ。その声もまたそっくりそのまま瓜二つ。二人を見分けるのは、首から下げられたペンダントのみ。まるで西洋人形(ビスクドール)のような容姿に服、おとぎ話のような住人のような彼女達はこの学校の生徒、降矢姉妹である。赤いペンダントをしているのが姉の降矢くるみ、青いペンダントをしているのが妹の降矢みるくとの事。

 この2人、喋り方が2人ともそっくりそのままなのだが、なんとそこに栗花落までもがのっかったからさぁ、大変。



「ほら、仕事をしろよ。栗花落」



 と言うと、



「わかったー」

「わかったー」

「わかったー」



 と3人が揃って言って、ブラシを持って掃除しようとする。そして降矢姉妹を止める。小学生に掃除させないために僕達が呼ばれたのに、彼女達が掃除したら意味が無いからだ。



「2人はここで待っててね」



「わかったー」

「わかったー」

「わかったー」



 と言って、降矢の双子と共に栗花落まで掃除を止める。これじゃあ、まるで双子では無く三姉妹だ。しかも1人は物凄く歳の離れてるのに馴染んでいるし……。



 結局、双子をなんとかして帰らせて(栗花落まで帰ろうとしたので止めた)掃除を再開させて終わったのは当初の予定だった10時を過ぎて12時を回ろうとしていた時間だった。

 パッセロさんの降矢くるみと降矢みるくの双子をお借りいたしました。あと、YLさんの小林先生も名前だけ出しておきます。

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