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うろな高校駄弁り部  作者: アッキ@瓶の蓋。
日向蓮華の章
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5月29日 学園生活環境部の危機

 5月29日16時、天気晴れ。

 うろな町。それが俺、天塚柊人(あまつかしゅうと)が住む街だ。

 北は森とかで自然いっぱいの地区、東は海中心の観光地。西はでかい山があって山の中には何かあるらしく、南は埋立地で工事中だったり、工場が立ち並んでる。鉄道施設、地下鉄、バスもありの町並み。住宅街であり商業地区、ビルなんかも立ち並んでいる。商業地区の向こう側には小学、中学、高校が立ち並ぶ。



 俺、天塚柊人はそのうろな町にある高校に通う1年生である。

 簡単に俺について説明しておこう。天塚柊人、15歳、身長は163㎝で成績は平凡レベルで運動神経も平凡レベル。容姿は数多の平凡な容姿を遠心分離器でかけて、その上澄みをピペットマンで取ったような黒髪で平凡レベルの黒目の持ち主だ。しいて何か特徴的な容姿をあげるとするならば、茶色い眼鏡と右目の上に引っかき傷があるのが、特徴である。



 俺はとある部活に入っている。その部活は学園生活環境部、部員は俺1人だけのわびしい部活だけれども、ボランティアなどと言った活動を主としているために部員が1人だけでも、廃部にする事が出来ないのだ。

 俺はこの部活が個人的に気に入っている。何故かと言うと1人で部室と言う名の部屋を自由に使えると言う事が大きな理由だ。ボランティアと言っても一か月に1、2回やっておけば学園としては満足らしい。俺はこの部室で放課後、とある活動を行っている。……まぁ、ただの暇つぶしだけれども。



「おい、頑張ってるか。”駄弁り部”部長、天塚柊人」



 と、扉を開けて1人の女性が現れる。今窓の外から見える赤い夕焼けと同じくらい赤いスーツを着たような女性、この部活の名目上の顧問、春日(かすが)先生である。名目上の顧問として一応、時々見に来るが正直邪魔である。



「と言うか、駄弁り部ってなんですか。駄弁り部って。ここは学園生活環境部であって、そんな変な部活動名に変えた覚えはございませんが」



「そうだったな。お前がいつもやっているのがそんな感じの事だったので、ついつい勘違いしてしまった」



 春日先生はそう言って頭を下げているが、俺には分かる。あれはからかっている時の対応だ。そして春日先生は俺にこう命令してきた。



「学園生活環境部部長のお前に顧問として命令する。今すぐ部員を集めて来い」



 ―――――話を聞くと、いくら廃部にしないといっても流石に部員が一名しか居ないのは体裁上悪い。そこで俺が勧誘して誰かをこの部活に入れて、少なくとも何名か居ると言う形が欲しいのだそうだ。ぶっちゃっけ幽霊部員でも良いそうだ。

 春日先生は語り終わると、「頼んだぞ」と言って帰って行った。



 ……全く冗談じゃない。今日は5月29日、新生活が始まって早1か月以上たったこの時期に部活に入ろうとする酔狂な方が何名居るか。考えただけで頭をいためる俺だった。

 と、俺は夕日差し込む部室にて頭を抱えるのであった。

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