【神とヒト】-1
外に出た僕は、目を閉じて深呼吸する。火山灰の入り混じった匂いがした。ポケットから ”仮面” を取り出して装着する。
テンの元へ急がなくてはならない。あの場所は危険だから。
顔を上げて目を見開くと、四方から風が僕めがけて集まりる。集まった風が僕の身体を浮き上がらせてり。そのまま空高く舞い上がるり、風に吹かれて国会議事堂へ向かって飛ぶ。
雲を切り裂くように飛びながら、テンの手紙を思い起こす。
仁へ
短い間でしたがありがとうございます。
記憶を取り戻すことが出来ました。
私は、やるべきことを果たしに行きます。
信じられないかも知れませんが、
私は、滅び行く世界の運命を変えるため、未来から来ました。
あなたが私を彼女だと言ってくれたこと、一生忘れません。
天下 実子
歴史を変えるために未来から来た。そんなこと信じがたい。それは、ヒトが時間を超える術を得るということに他ならない。
『戦争反対』
『争いの先に豊かな世界はない』
『子供達に豊かな未来を』
『神様、お願い』
国会議事堂前の周辺には、深夜にも関わらずたくさんの人がプラカードを掲げている。テンの行動に触発されたのだろう。
それが、ヒトの 神通力 にて世界へ広がり、各地で同調するデモが起きている。
上空には、漆黒の雲が集まり、雷を放つ時を待っている。




