【巻末】登場人物/組織構成
【登場人物】
イザヨイ(十六夜)
生命省人間庁人口調整局死神課自殺対策班の新神。男まさりでクールな性格
アシタレ(尾)
三途の川原で商いをする鬼。イザヨイの伴侶で頻繁に訪ねてくる
ラゴウ(羅睺)
怨霊を狩る祟神。規則に厳格であるため掟を軽んじる者に嫌悪感をもつ
マカツ(磨羯)
亡霊を捜す冥府の神。イザヨイに好意的な顔で近づくが何を考えているのかわからない
タマホメ(鬼)
冥府の神。人間の娘から鬼を経て神となった異色の経歴をもつ。本当の名を妙という
ウミヤメ(危)
死神の長であり、自殺対策班の創設者。神の仕事に未然介入の考え方を改革した
イナミ(牛)
自殺対策班の長でイザヨイの上司。縁切神から祟神を経て死神に異動してきたばかり
ナマメ(壁)
自殺対策班でのイザヨイの同期。情に流されやすく業績はあまり良くない
トミテ(虚)
自殺対策班でのイザヨイの同期。優秀かつ情報通。冷静沈着でドライな性格
***
冴
生霊となった沙智の霊魂。人に害悪をなすとして祟神に排除されるところをタマホメに拾われたが、そのタマホメを試そうとして悪事を働いた
茜
交通事故に巻き込まれて亡くなった女の幽霊。幼馴染の眞輝を心配して此岸に戻ってしまったが、次第に生前に受けた苛めの怨みを思い出し加害者を祟り殺す怨霊と化した
***
沙智:牡丹色
過度に依存的で感情の起伏が激しく、依存相手の気を引くための自殺行為を繰り返し、しまいには恋人の魂を我がものにしようとして自らの霊魂を生霊(冴)にしてしまった。現在は魂の宿らない体で穏やかに生存している
眞輝:柿色
茜の幼馴染。死別や離別に遭いやすい運命に生まれつく。ひたむきな生き様を尊敬してもいた茜の不条理な死に打ちのめされ、厭世観に支配されていた。落着済み
久礼亜:檸檬色
悲惨な境遇により絶望しセルフネグレクトに陥っていたが、イザヨイとの絆を足掛かりにして前を向き、神と人間からの支援を受けて再出発を果たした。落着済み
淳也:萌木色
故人。イザヨイが担当したケースの中で唯一自殺を遂げた。死の前日には不思議な明るさを見せ、イザヨイの判断ミスを招いた
縹色
女性。学生時代の挫折以来長く引き籠っていたが、イザヨイの助言によって社会復帰を果たした。本編では名を明かされていない。落着済み
大夢:翡翠色→藍色
自殺対策班の出動が二度目であるという、イザヨイには初めて経験するケース。始まりも鬱病であり、前任者との翡翠色の組紐が切れるのに何年もの介入を必要としたが、落着してわずか数年後に鬱病を再発してしまった。再発の発端は鬱病の既往を理由とした交際相手との破局であり、その心の傷に追い打ちをかけるように呪いの言葉が祟り付いて人生に絶望している。問題が複雑であるため今回も長期になることを見越して介入継続中
尊:菖蒲色
トミテが担当したケースであり、彼女の担当した中では唯一「自殺を遂げた」。ところが後に縁神、冥府、死神の間で肉体は昏睡状態で「生存」していることが判明し、かつその肉体は魂を宿していなかった。冥府が霊魂の行方を捜索している
薫:葡萄色
頭脳明晰、才色兼備で経歴も華々しく、自殺対策班の対応するケースとしては極めて異色なエリートの女子大学生。本人が自殺企図はないと言い、一見して動機となり得る要因も見当たらないが、どういうわけか死のにおいがする。時には「死にたい」と思うこともある、という彼女の心の闇はイザヨイにはついに解明できなかったが、理想とする自分へと生まれ変わろうとする薫自身の力を信じ、環境を整えてやったことで落着した
【組織構成】
人間庁:
衛生局
―福神課(西第七):幸福を司る。縁班(縁管、縁結、縁切)、幸福班 他
貧乏神課(北第一):富の偏りを正す。
祟神課(北第二):理を害するものを成敗する。怨霊班、駆虫班、天誅班
人口調整局
―産神課(西第八):出生を司る。安産班、運命班 他
疫病神課(北第三):疾病、疫病などに関与する。
死神課(北第四):死を司る。老衰班、病死班、事後処理班、自殺対策班、過労死班
冥府:死者の霊魂を集めて裁き、生前の行いに報いる(処罰もしくは救済)。また、冥界に渡らず此岸を彷徨う霊を取り締まる。