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異世界に行ったらヒーローになったSO!  作者: 門鍵モンキー
第一章 異世界に行ったらヒーローになったSO
9/175

やったぜ着いたぜベガドの街! 3 改

分割しました

いやほんと長い、書きすぎた

職員が部屋から退出した後、すぐさま銀色の髪を短く切り揃えた年若い丸眼鏡をかけた男性職員が入って来た

入って来た職員の髪色に驚きながらもトウヤが挨拶をすると職員はにこやかに、よろしくお願いしますね、と返しトウヤに席に着く様に促した


「それでは本日面接を担当させていただくゼトアと言います。本日はよろしくお願いします これから軽くご質問をさせていただきますが、あまり緊張しなくても大丈夫ですよ」


「はい!ありがとうございます!」


物腰柔らかに朗らかな笑顔でそう声を掛けたが、トウヤとしては就活時を思い出しどうしても緊張してしまう


「元気ですねぇ、ではまず・・・長いから俗称で言いますね、何故ヒーローになろうと思ったのですか?」


「森で魔物に襲われた時に助けてくれた子がいて、その子の様に誰かを守りたいとそう考えたところでヒーローの話を聞いたので志望させていただきました!」


「そうですか、とても良い出会いをされたんですね、それでは魔物を倒した経験は?」


「その時に襲って来た魔物、なんか燃えてるクマを倒しました!」


「燃えてるクマ・・・ファーべの事ですか?それはすごい!」


「いやいや、こいつのおかげでですよ!」


興奮する職員にトウヤは調子が良くなりカバンから変身ブレスレットを取り出した


「・・・あーそれを一体・・・どこで?」


「カバンの中に入ってたんですよ!でもこいつのおかげで助かりました」


「そうでしょうね、少し・・・お待ちいただいてもよろしいですか?」


ブレスレットを見せた瞬間、職員の反応が何かを言い淀む様な訝しむ様子へと変わっていき部屋から出ていく

そんな様子を見送りながら腹でも痛くなったのかな?とトウヤが考えていると、しばらくしてから大剣と長銃で武装した2人の男女を連れゾトアが部屋へと戻って来た


「すみません、面接に必要な書類を忘れていて急いで撮りに行ってました。あぁ彼らについては気にしないでください」


出ていく時とは打って変わり、面接が始まったばかりの時の様に朗らかな笑顔で話しかけてくる

気にするなと言っても武装しているせいかどうしても気になるトウヤがチラリと2人組へと顔を向けると、2人は笑顔を浮かべ軽く手を振って来た

何やらとんでもないことになりつつある事にトウヤは僅かながら気がついた

だが、そんなトウヤの心配は他所に面接は続く


「では、改めてご確認させていただきます。その道具を何処で手に入れましたか?」


「・・・気が付いたら鞄の中に入っていまし・・・た」


そういえば何故このブレスレットは鞄の中に入っていたのだろうか、この衣装と鞄の中身の事について気にしなくなっていたが、何故?いつの間に?

トウヤが思考の海に潜り込んでいる最中もゾトアはなるほど、と呟き何かを考え込む様な仕草をする

まだ面接は続いているのだ


「それでは動作不良等の確認の為にブレスレットを一度預らせていただいてもよろしいでしょうか?」


「あ、はいお願いします」


ゾトアから差し出されたトレーにブレスレットを置くとそのトレーを持ったまま再度部屋からいなくなる


「どうなんの俺・・・」


訳もわからないまま小さく呟く

扉を開いたら異世界に来て着た覚えのない格好に見知らぬカバンを持っていたが、もしかしたら盗品が混じっていたのかも知れない

自分は異世界転移ではなく異世界憑依をしてしまったのか?

その様な疑問がトウヤの胸中をグルグルと巡る


「なぁ、お前何かやったのか?」


「うわっびっくりした!?」


再度思考の海に飛び込んでいたトウヤは不意に耳元にかけられた声に驚き叫んでしまう

その声に驚いたのか自分から距離を離し上半身を逸らしている

どうやら大剣を持った赤髪の男が声をかけて来た様だ


「なっ!そんな驚くこたねぇだろ、なんか余計に怪しく見えて来たな、まさかアレ本当に盗品か?どっから盗んだんだ?」


「やめなさいよラーザ、まだ盗品って決まった訳じゃないのよ?」


そんな赤髪の男の行動を諌める様に長銃を持った栗色の髪を後ろで束ねた女性が声を掛けてくる


「でもよシス、ゾトアさんが怪しいと思って声かけて来たんだぜ?それなら十分怪しいんじゃないか?」


「あのねぇ、アレが本当に盗品かわからないから今ゾトアさんが調べに行ってるんでしょ?まだ確定してないんだから変に疑わないの、大体あんたはいつも・・・」


「あー!うるせぇうるせぇ!こんな場所でんな言わなくて良いだろうが!大体お前だって!」


先程まで話しかけていた同じ部屋にいるはずのトウヤの事など忘れお互いに相手の欠点を濁流の様に吐き出し相手にぶつけ、相手からぶつけられ合う

遠目から見る喧嘩は他人事でいられるがそれを近くで、それも目の前で見せられてはたまった物ではない


「あの、とりあえず落ち着いて落ち着いて!あのなんかわかんないですけどお二人とも仲良さそうで良かったです。だから落ち着いて・・・」


トウヤは先日まで学生であった

バイトの経験は多少あれど大抵仲の良い者同士でグループを作り交流をしていた為、この様な他人の喧嘩を仲裁する事などあまり無かった

もし仲裁するとしても大抵は僅かなおふざけを入れながらの仲裁ではあったのだが今回はそれが悪手となった

特に仲が良い、という言葉がいけなかったのだ


「仲良くない!!」


「仲良くない!!」


「何でアレ見て中が良いと思うんだよ!」


「いやほら、喧嘩するほど仲が良いっていうしそんなお互いの事知ってんだから仲が悪いって事はないだ・・・」


「知ってるだけ!!2人組で冒険者になったのも幼馴染でお互いよく知ってるから組んだだけで他に当てがあるならこんな脳筋バカとなんか」


「あん時お前友達いなかったもんな」


「んな!!今入るから別に良いでしょ!!!あんただって碌な知り合い居なかった癖に!」


「俺はしょうがないだろ!お前とは住む世界違ったんだからあそこじゃそうしなきゃ生きていけないんだよ!!!大体お前はいつもいつも揚げ足取りみたいな事ばっかり言いや・・・」


「いやだから落ち着けって!あんたらの馴れ初め正直知らんから目の前でやられたって困るんだよ!!」


「なら聞いてよ!ラーザったらいつも品が無くて困っているのよ!!」


「おーおー!こっちだってお前のその細か過ぎるお小言には言いたい事がたくさんあんだよ!!」


火に油、それどころか業火に重油である

粘っこくて取れたもんではない、そのせいで本来止めに入ろうとしたトウヤにまで飛び火して燃え上がる事になった


しかも、ただ飛び火したならまだしもラーザを立てればシスが小言を飛ばし、シスを立てればラーザが抗議の声を上げる

彼方を立てれば此方が立たぬと悩んで黙れば激化するという正に四面楚歌の状態であった


「戻りました・・・って、またあなた達は・・・」


「あっ・・・」


「あっ・・・」


だがそんな状態でも垂れてくる蜘蛛の糸はあるらしい

先程まで退出していたゾトアが戻って来たのだ

彼はこの部屋の惨状を見るや否やため息を吐き言い放った

そんな戻って来たゾトアの様子を見た2人は先程までの津波の様な勢いはどこへやら、互いに罰が悪そうな顔を互いに見合わせた


「あなた達の声、部屋の外まで聞こえてましたよ?一体ここを何だと思っているんですか?」


困った様な顔付きで説教をすると2人して小さくなる

互いにすみません、と射座の言葉を述べるとゾトアはうすい笑みを浮かべる


「わかったらもうしないで下さいね、約束ですよ?」


そう子供に言い聞かせる様に語りかける様に2人へと言葉を掛けたのを皮切りにトウヤはある意味地獄から解放されたのだ

最も解放された先が地獄ではない保証はないのだが


「さてトウヤ・アサマさん」


「あ、はい!」


「あなたの持っていたブレスレットですが、どうやら紛失届けが出された物の様でして、これをどこで?」


その言葉に衝撃を受け言葉を失う


「あ、いや!だからこれは気が付いたら持っていて!!」


「ええ、ですが今しがた製造元の工房であるダーカー工房で確認してもらったところ、同工房で作られた紛失物と魔術式、設計、型番が全て一致しました

所々摩耗している部分はありましたが、製作者刻印も一致していますのでアレは確実にダーカー工房の品物です。

もう一度聞きます。アレをどこで手に入れたのですか?」


「早めに言った方が良いぞ、工房からの窃盗は良くて禁錮20年、作成物の重要度と犯人の反省具合によっては極刑もあり得る。もし別の場所で手に入れたのなら教えてくれ」


「そうね、仮にアレをあなたが盗んで無いのであれば入手場所を教えてくれるだけでも良いの、あとは警察が捜査をして真犯人を捕まえるから」


3人はトウヤへと疑惑の目を向け彼の証言を待っている

だがトウヤにはそれを説明する術を持たないのだ、そもそもアレは気が付いたら持っていた物

もし仮に本当の事を話したとて信じられるのか?サラの時の様に記憶喪失と答えるか?何て答えれば良い?

頭の中で様々な答えが出るがトウヤの中の常識が答えを出す事に戸惑いを持たせ、堂々巡りとなり答えられない

その間も3人は訝しむ様な表情でトウヤへと目を向けている

本来のその1はこれにて終了です


修正

フィーベル→ファーべに変更

やっちまった・・・

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