表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に行ったらヒーローになったSO!  作者: 門鍵モンキー
第一章 異世界に行ったらヒーローになったSO
82/213

恐ろしき3大怪人の魔の手! 4

思えば自分の小説って自分の想像する理想のヒーロー像を元につくってるけど

仮面ライダー、Infini-T Force、ウルトラマン、覚悟のススメとまぁ思いつくだけでもこんだけあるからまぁ凄い闇鍋・・・ヒーローの闇鍋って何?すごい光ってそう・・・


まぁ設定的に良いんだけどねそれで

男に案内されるまま走れば、大通りから外れて路地へと入った

そこは暴徒と化した民衆が通った後なのだろうか、外に立てられた看板や混乱に乗じてゴミ箱がひっくり返され散らかっている


そんな中、男が止まりここだと指を指す

トウヤは男の指の先に目を向ければ、そこには一つの建物があった


歴史あるベガドの街でも珍しい古びた木製の家

だが、そこで違和感を覚える

その家には名札があり、庭には子供のおもちゃが散らばり、玄関ポーチに置かれた机の上にはカップが2つ置かれていて、つい先ほどまで人がいたのであろう形跡があったのだ


「おい、行こう!あの家の中に爆弾があるんだよ!」


男がそんなトウヤを急かし、腕を動かしてジェスチャーをする

「あ、あぁ・・・」と返事をして、家へと走り出す男を怪しみながらもついて行くことにした


家の前にまで着くと、より家の状況がはっきりと分かった


遠目からはわからなかったが、庭に転がるおもちゃはベガドでも人気のある長い髪をした少女の人形と魔獣を模したであろうツノの生えた四つ足のおもちゃ

机へと近づいてみれば、並べられた2つのカップには未だ湯気の立つお茶が入れられていた


子供がいるどこにでもある家族の家

きっと今まで平穏な日常を過ごしていたのだとわかる光景


その事がわかり、感傷的に机を撫でればトウヤの胸がチクリと痛む


「何やってるんだよ、早くしろよ!」


そうトウヤの背後で男が叫ぶ、どうやら男は家の中を指して呼んでいる様だ

だからこそトウヤは言った


「なぁ・・・なんでお前らはこんな事するんだ?」


「はぁ?何言ってんだよこんな時に!違うだろ、中に早く入れよ!」


トウヤの問いかけに男は苛立ちの感情を募らせて行く

だが、それでもトウヤは言い続けた


「ここにいたのはきっと普通の家族だった。昔からこの街に住んでたんだろうな、古い木造建築の良い家だよ」


「だから、何の話だよ!!早くしろよ!ふざけんなよ!」


遂には怒り出した男にトウヤは目もくれず、ただ歯を食いしばり拳を握りしめる


『空間魔法、アクティベート』


「変身!」


『音声認識完了、アクシォン!』


そうして不意に変身したトウヤは、振り返ると改めて男に問いかける


「だから・・・どうしてこんなふざけた事をしたのかって聞いてるんだよ!いい加減正体を表せ!」


「お、お前・・・何言って・・・」


そんなトウヤの問い掛けに男は困惑する様子を見せた。表情はトウヤが何を言ってるのかさっぱりと言った感じだ

しかし、何を言おうとも態度を変え無さそうなトウヤの姿に男はため息を漏らし手を肩まで上げるとやれやれと言った様子に身振りする


そして、顔を徐に上へと上げると男の口から白い軟体が顔を覗かさせた


「何で分かったんだよ、本当にキモイ・・・」


「当たり前だろ、さっきまで人がいたのにどうやって騒ぎを起こさず爆弾を仕掛けるんだよ」


「私が操ってたって普通思うだろ、馬鹿なのあんた」


軟体物、触手型の怪人はそう言うと再び男の中に引っ込んだ


すると男がトウヤへと顔を向け下卑た顔を向ける


「さぁどうする?この身体は私とは何にも関係ないただの一般人の身体だ、もちろん攻撃しても良いよ?体裁を気にしないならね」


そう言うと腰に下げたナイフを右手で抜き構える


「卑怯だぞ!その人を解放しろ!」


「そんな馬鹿な事するかよ!!」


そう言いトウヤへと駆け寄りナイフを振るってくる


怪人は思った

これならば拳を使えまいと、攻撃出来まいと


怪人が振るわせたナイフは、トウヤ目掛けての上から真っ直ぐ振り下ろされた


だが、トウヤはその腕を掴み、その事に怪人は動揺する


必死になって腕を振り払おうとするが、スーツの力により常人では絶対に発動できない強さの強化魔法を使用するトウヤに掴まれた腕は微動だにしない


「お、おい!私に手を出したらこの男もろとも殴ることになるんだぞ!分かっているのか!?」


焦りながらもトウヤに脅迫する様に告げても、トウヤは微塵も焦る様子を見せない


「お前こそ、もしその人に何かすればどうなるか分かっているんだろうな!」


そう言った瞬間、トウヤは半身になりながら男の腕を引っ張る

体勢を崩した男はトウヤに右腕を預けたまま前のめりに倒れ込むと、そのままトウヤにより右腕を背中に当て上から押さえ込まれる様な形で拘束された


そして、すぐさま通信機能を用いて通信を行う


「セドさん、フィリアさん、怪人が男性1人を操って襲ってきました。応援お願いします。場所は南W1151」


「はぁ!?あんた仲間呼ぶつもりかよ!ふざけんな卑怯者!正々堂々戦え!!」


怪人が金切り声を上げるがトウヤは無視する


『そこからならフィリアが近いな、行けるか?』


「おい、聞いてんのか!!」


『了解、すぐ行く』


「お願いします」


「おい!人の話くらい聞けよ!何で応援なんて呼んでるんだよ!!」


プツリと通信が途絶えれば、無視し続けていた怪人へと意識を向ける


怪人は怒り狂いトウヤへと罵倒を浴びせ続けていた


「お前ヒーローだろ!なんでこんな事するだよ!ふざけんなよ!!それが正義のすることかよ!!」


「うるせぇ、俺は正義の味方であって正義じゃない!それにお前との勝負よりもこの人の方が大事だから当たり前だろ!」


この事件の元凶と言うこともあってか、トウヤからのこの怪人に対する態度は少し冷たいが、彼からしてみれば勝負することよりも人命の方が優先すべきなのも事実である

寧ろ、今の状況はある意味でトウヤにとっては都合が良い

強靭な怪人の身体ではなく、人の身体で来てくれて拘束が容易だからだ

実際にモゾモゾと何とか動こうと男はもがくが片足とトウヤの体重を乗せた拘束に芋虫の様に僅かに身体を揺らすことしか出来ない


だがそれでもと、男は女々しく騒ぎ続ける


「こんな事していて良いのか?この間にも爆弾は起爆するかもしれないんだぞ?分かってんのかよ!!」


「それは防衛隊や他の人達が対処してくれてるさ、お前の心配する様な事じゃないよ」


何を言ってもすぐに言い返され好転しない状況に男は「ググッグ・・・」という悔しさを噛み殺した様な声を上げる


そんな様子を見せてもなおトウヤは気にする事なく腕を掴み片足を背中に乗せて拘束し続けた


「見つけたぞ!こっちだ!!」


不意に彼らに声が聞こえ顔を上げてみれば1人の男がこちらに駆け寄ってくるのがわかる


「こっちに来るな!寄生型の怪人がこの人に寄生してるんだ!離れてくれ!」


だが、そんなトウヤの声など無視して男は歩みを止めない

やがて、その身体を変貌させ一つ目と触腕を両腕に持つ怪人へと姿を帰る


「怪人!?」トウヤが驚きの声を上げると同時に、彼の拘束していた男の口から軟体物が飛び出す


飛び出した1本の触手は急ぎ怪人の元へ向かうと触腕に飛び乗る。すかさずトウヤは後を追いかけようとするが一つ目の怪人の「やれ!」と言う叫びに呼応して現れた十数体の無貌に行手を阻まれてしまう


「・・・!待て!」


「じゃあなぁ!馬鹿なヒーロー!精々頑張って爆弾を探せ!」


触手がそう言うと一つ目の怪人は走り出し逃げ出す

トウヤはその後を追う為に一度無貌達から距離を取る為に後ろに下がる


「邪魔だぁぁ!!」


その叫びと共に渦巻く様な流れの魔力を腕に纏い、無貌達に向けて突くと纏っていた魔力が放出され真っ直ぐ直線上にいる無貌を薙ぎ払う


残った無貌をフレアシューターを呼び出し殲滅し終わった頃には、もう2体の怪人の姿は無かった


「クソッ・・・!」


その事に悔しさを滲ませる

だが、そうして居続けても仕方がないので、通信機能を使いフィリアへと逃げられたことを伝えると、トウヤもまた爆弾探しへと戻っていく






同時刻

ベガド防衛隊司令部は阿鼻叫喚の渦の中にあった

ベガド攻防戦での損害からは立ち直り、新たに王国から数機の新型MRAも受領し戦力的には拡充されているが、それでも今回の事件には対応しきれていない


暴徒とかした市民、そんな中でも持ち得る手を使い防衛隊・警察・冒険者による爆弾捜索と除去が行われていた


「現在までに発見された爆弾の数は?」


司令官が顔を強張らせながらそう聞くと副官は報告書に目を通しながら告げる


「はい、現在発見されたのは57個、処理38、未処理19です。あの異様な通信が送られる前に調査していたのも併せて今で漸く街の半分・・・残り30分でとなると・・・」


「時間が足りないか・・・」


この数分前に鑑識から再調査報告書が届けられていた

そこには破壊工作を行えるだけの高威力爆弾とそれに備え付けられた魔獣を誘引する事のできる液体、と走り書きされている


その事実と今の状況を考え、司令官は悲痛な表情を浮かべ拳を強く握った


「司令!捜索隊から連絡、スーラ一派の怪人が協力を申し出ています!」


「何だと・・・!いや、彼らならそうするか、協力してもらおう」


だが、何事も事態は変わるものである


「冒険者オータムから連絡!11個目の爆弾を発見し、処理に成功!!」


「冒険者エオーネより通信!20個目の爆弾を発見、処理したとの事です!」


通信員から次々と発される言葉に、司令室は湧き上がる


「司令・・・司令!!緊急電!」


「どうした!」


「冒険者雫、茜が帰還!」


その報告に司令は目を見開き今最も欲しい力が戻ってきたと歓喜の笑みを浮かべる


「爆発物処理班に連絡、広場へ移動後待機せよ!2人に連絡しろ、刀を抜いて欲しいとな!」


「了解!!」


状況は変わる

それはある意味で良い意味でも悪い意味でも






とある倉庫の中で双子は笑う


「早く来ないかなぁ」


「楽しみだね!」


暗闇の中、邪悪な笑みを浮かべただ待ち人を待ち続ける2人の傍にはひとつの爆弾が置かれていた

爆弾処理方法

爆発物処理班=規定に則った爆発物処理、安全


オータム=爆発する前にバラバラにしてます。なんなら回路も破損に気がつかずバラバラです。超安全


エオーネ=明晰な頭脳で持ってピンポイントで起爆材ぶち壊して爆発の危険性を無くします。何やったかは誰にもわかりません。あとその頭脳でどこに置いてるかわからない爆弾すら見つけます。すごいね。何があろうとも揺るがない規格外の安全


って感じです。

すごいね、さすが超越者候補生

あ、超越者に関してはまた後々話が出ます。

おジャ魔女のOP描きながら考えた話があるのでお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ