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異世界に行ったらヒーローになったSO!  作者: 門鍵モンキー
第一章 異世界に行ったらヒーローになったSO
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第13話 鬼畜!氷の修行!

転職活動するのでマジで更新遅くなります

太陽が町を燦々と照らし青く晴れ渡った空の下、仕事に向かう人々が大挙して移動する中、2人の男が南門に向けて歩いていた


「トウヤくん、先生を見つけたそうだが一体どんな先生なんだろう」


オータムが隣を歩くセドへそう言えば、セドは僅かに眉間に皺を寄せながら心配そうに呟く


「変な師で無ければ良いのだが・・・」


「あはは、トウヤくんの事だから大丈夫だろう・・・」


正直そうは言ったが自信はないのか、オータムの言葉は徐々に尻すぼんでいく


そうこうしている内に彼らは門に着いたのだが、何やら門の周囲に人だかりが出来ているのが見える


それを見て何かあったのだろうかと2人は疑問に思うが、そこで異変を覚えた


「ん?なんだこの声」


ほんのりと大衆の喧騒に混じり、何やら声が聞こえるのだ


「これは、声?何か・・・聞き覚えがあるような・・・」


そこで猛烈な嫌な予感に襲われる

2人は声の元へと急ぎ向かう、門に集まる民衆を掻き分けながら前へと進む


間違っていてほしい、まさかそんなと思いながら進んだ先にその光景はあった


「ちょっと待って!!ストップ!ストッーーープ!!」


「馬鹿野郎!敵に止まれと言ったら止まるのか?この程度でへこたれるんじゃないぞ!!逃げずに立ち向かえ!!立ち向かってこいつを止めて見せろ!!!」


投げつけられた巨大な氷塊が飛来する中を、生身のトウヤが悲鳴を上げながら走り回っていた


思わずその光景に2人は唖然としてしまう


当の投げ付けている本人はヒートアップしているのか、なんとも時代錯誤な事を言っている


「トウヤ、逃げるな。逃げるんじゃない!怪人に勝つ為にまずはこの氷塊に打ち勝ってみせろ!!」


「あんたそれ言いたいだけだろ!!」


トウヤの悲痛な叫びがこだまする

そして、彼に影がさす


「あっ・・・」


その声はセドとオータムの2人もので、トウヤの頭上に巨大な氷塊が今落ちようとしているから発した言葉であった


「マズイな!」


「わあぁぁぁぁ!!?」


急ぎトウヤの元へ向かおうとする2人

落下してくるそれにトウヤも気が付き悲鳴を上げる


ーーあ、死んだ


トウヤが内心そう思っていると、氷塊が真っ二つに裂けた


それは篝野が助けた訳でも、セドとオータムが間に合った訳でもない


「上手くいった」


両手から水滴を垂らすフィリア

彼女が指を窄めた両手から展開した2本の水流カッターで氷塊を切断したのだ


分かれた氷塊はトウヤの側に落ちてくる

氷塊の冷気と合わさりほんのりと冷たい風と氷のかけらがトウヤにあたり、落ちて来た物が自分の左右に落ちたのだと理解すれば思わずへたり込んでしまう


「トウヤくん!大丈夫か、しっかりしろ!」


「オータムさん・・・?俺、生きてますよね?」


「大丈夫だ!足は2本ついてる!!」


「何をやっているのだ貴様ら・・・」


真面目なのかふざけているのかわからない2人の問答にセドは思わず呆れる


「おう大丈夫か、トウヤ?」


そうこうしていると、いつも通り無表情のフィリアと、投げ付けた本人である篝野もトウヤの元へニコニコと笑みを浮かべながら歩いて来る

その姿を見て、トウヤは上半身を起こすと抗議する様に言う


「おっちゃん・・・流石に死んだかと思ったよ・・・」


「安心しろよ、その為にフィリアの特訓も同時並行出してるんだ」


「でも、コントロール誤ったら危なかった」


不安げに呟くフィリア

そんな彼女に、篝野は笑い掛ける


「その時は俺が助ける・・・死にそうなら」


「それ・・・死なないならほっとくって事じゃ・・・」


「大丈夫だ、全部死にそうになる」


「尚更ダメだろ」


特訓とは何だったのか、もはや死刑宣告にも近い言葉に思わずセドが声を上げため息を吐く


「とりあえず、もう少し緩くしてもらえないか?こいつがいなくなっては我々としても困る」


セドの言葉に篝野は顎に手を当て考える


「・・・なら少し時間はかかるが別の訓練を混ぜようか・・・トウヤッ」


「おわっ・・・なんだよって冷た!?」


声をかけられ向けて咄嗟に投げ渡された物を受け取ったトウヤではあったが、その冷たさに驚き思わず落としてしまう


音を立てて落ちたそれに目を向ければ、そこには小さな拳大の氷の塊があった


「何だこれ・・・氷?」


「それを変身せずに砕けたら合格、次のステップに入るぞ」


拍子抜けな言葉だった

たかが氷ひとつ割ったら次のステップなど、朝飯前だとたかを括り、身体強化魔法を発動させ叩き割ろうとする


「へへっそんなの楽勝・・・!いったぁ!?」


だが、考えが甘かった

先程まで自身に向けて自信よりも巨大な氷塊を投げ付けていた男が簡単なお題を出す訳がない


叩きつけた瞬間、あまりの硬度に勢いも相まって手の小指から手の端にかけてまで叩きつけた激痛が走った

そんな物を安易に叩き悶絶するトウヤを尻目に、「あっ」と篝野が何かを思い出したかのように言う


「言い忘れてたがその氷は俺が作ったのだから、簡単に壊れないぞ」


「それ・・・先に言えよ・・・」


「硬い物を拳で砕く・・・?」


そんな彼らの問答の横でセドが何やら考えると、何かに気が付いたのか面白そうに笑う


「なるほど、そういう事か」


「お、流石大貴族の坊っちゃん、気が付いたようだな」


「あぁ、だがこのままではなんだし俺からヒントを出しても良いか?」


「おぉ構わない、このままだと世界が滅んでも考えてそうだ」


その言葉を聞くとセドはトウヤへと顔を向ける


「良いかトウヤ、その氷は拳だけを使うんじゃない、魔力を使え」


「魔力ってどういう・・・あっ!纏わせるって事か!!」


セドの言葉にトウヤは気が付く


最近トウヤは使用していなかったが、ベガド攻防戦で振るった棍棒の様に、魔力を纏わせその流れを使い威力を上げるのだ


そうとわかれば話が早いと、再び手を開き指を揃えて伸ばすと魔力を纏わせ叩きつける


「いったい!!?」


再びトウヤの手に激痛が走る


「纏わせたのになんで!?」


「馬鹿者、武器に魔力を付与するのと生身に付与するのとは違うぞ」


何故トウヤが激痛を感じたのか、それは全く当たり前の話ではある


「良いか?生身の肉体で殴る以上は自身の痛みに耐える必要がある。技を鍛えれば問題はないが、そうしなくとも魔力の流し方を変えれば良い」


武器に痛覚はないが、人の身体には痛覚がある

硬い物を殴れば痛くなるのも当然であった


「なら、魔力を多く流せば良いって事ですか?」


「まぁそれもそうだが、そうなれば魔力のコントロールがし辛くなるが、そこは要練習だな」


魔力を纏わせる量が増えれば増えるだけ、拳と物体の間に挟まるものが多くなる

勿論その分威力は落ちるし、コントロールも難しくなっていく


だが、今のトウヤにはそれで良いのだと思いセドはそう説明する


すると篝野が何やら思い付いたのか、意地悪な笑みを浮かべた


「まぁつまりはだ、こうなったら花丸満点だぞ」


そう言うとセドへと顔を向ける


「なぁ坊っちゃん!」


言うと同時に篝野は身体強化魔法を発動し強く腕を振るう

すると手に氷の棍棒が瞬時に生成されセド目掛けて振り下ろされた


至近から振るわれた氷の棍棒

避ければ背後のオータムに当たり、いなせばトウヤに当たる

しかし、避けなければ自身が怪我を負う


そう思えば自然と身体が動く

しなやかな動きで膝を僅かに曲げ、腰を動かし瞬時に突き出された魔力を纏った手のひらが棍棒を打ち抜いた


轟音と共に、トウヤの身体強化魔法を用いた一撃でも割れることのなかった氷よりも、より大きく太い氷の棍棒はセドの一撃で粉々に砕け散る


「貴様・・・俺に拳を・・・」


「おっと、すまんな」


そう忌々しげに殺気立ちながら篝野を睨み付けるセドだが、当の本人は飄々とした雰囲気で笑みを浮かべていた


一触即発の雰囲気を醸し出す2人

その姿にオータムはどう止めたものかと考え、フィリアとトウヤは固唾を飲む


「と、まぁこんな感じだ、どうだ簡単だろ」


しかし、剣呑とした雰囲気は篝野がトウヤに向けてそう言って来た事で途切れる事になる


未だ睨み付けるセドを他所に篝野は笑顔を浮かべていた


その顔を見てトウヤは一言呟く


「いや、無理だろ」

仮面ライダーっぽくしたいけど、やっぱむずいよなぁ・・・


いやほんとあの作品に携わる先生方マジでやばい

あ、私のお気には鎧武です

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