走る稲妻!新たな力、ライトニング! 2
教会からの帰り道、トウヤはダーカー博士からの呼び出しがありそのまま工房へと戻る事になった
「博士どうしたんだよ急に呼び出して」
そうトウヤが尋ねて見ればダーカー博士は楽しげな声を上げながらトウヤに話しかけてくる
「いやね、アンタのブレスレットのメンテナンスをしてたら、学習型術式が面白い道具を提案して来ていたんだ」
「提案って・・・そんなこと出来るのかよ!?」
学習型術式といってもただ使用者に合わせて変化する術式かと思っていたトウヤは、告げられた言葉に驚愕する
そして、そんなトウヤに対してダーカー博士は自信満々と言った様子で答えた
「あぁ出来る。何せ私が作った術式だからね、とは言っても説明すれば長くなるから省くが、何はともあれアンタにもついに強化装備が出来るってわけだ」
強化装備
それは軍用MRAの各パッケージ装備と同じヒーロースーツ用のパッケージ装備である
セドとフィリアにもあまり使われていないが支給されているそれを、トウヤも晴れて支給される形となったのだ
「マジすか!?俺にも強化装備が支給されるんですか!?」
「あぁマジだよ、ただし!もうちょっと調整が必要だからもうちょっと待っていてくれ」
「わかりました。楽しみにしながら待ってますよ!」
博士の笑顔にそう笑顔で伝える
いよいよ自分にも強化装備がもらえると興奮が隠せないでいた
まだフィリアやセドの強化装備を見たことがない彼であったが一体どの様なものなのだろうか
翼が付いたりするのだろうか、バッタが出て来たりするのだろうか、いちごが降って来てそれを装備するのだろうか
想像すればするほどのいろんな考えが頭に浮かぶ
そんな時だった
彼の通信機が音を立てながら震える
「はい、浅間です」
『トウヤくん今どこにいる!?』
通信の相手はギルドのゼトアだったが、彼の様子はいつもと違い焦っている様だった
その様子に異変を覚えトウヤに緊張感が走る
「今工房ですが、何かあったんですか?」
そして、彼から伝えられたのは驚くべき事態であった
『現在南、西、北エリアで怪人が大量に出現しているんだ!フィリアとセドが急行したが手が足りない!悪いが南側に向かってくれ!!』
「・・・!了解!」
普段も怪人が2〜3体程度であれば普通に遭遇するが、大量に出現したという程なのだからそれ以上と言うことだろう
しかも、それが今回は3ヶ所同時である
何か嫌な思惑を感じながらもトウヤは市民を守るために急ぎ向かう事にした
「やばい事態かい?」
ダーカー博士も異変を感じ取ったのか、トウヤにそう問いかけてきた
「街中で怪人が大量に出現してるらしいです。俺ちょっと行って来ます!」
「おう、気を付けて行っておいで、負けるんじゃないよ」
「はい!」
気合を込めた返事をすれば、ブレスレット同士を擦り合わせる
『空間魔法、アクティベート』
「変身!」
『音声認識完了、アクシォン!』
そうして、赤に黄色の魔力布をたなびかせたヒーローが光の中から現れる
「しゃっ!!」
気合いの声を上げると、工房の扉を力任せに勢いよく開け放ち外へと飛び出す
バキッという音共に
「あっ・・・!?」
ダーカー博士が思わずそう叫ぶが、トウヤは気がつく事はない
「フレアジェット、レディ!」
『イグニッション、プレパレーション』
「イグニッション!!」
そして、トウヤは現場へと急行した
「扉壊れるから変身する前に開けろと言っておかないとな・・・」
残されたダーカー博士はそう独りごちるのであった
現場に到着したトウヤが見たものは凄惨なものだった
破壊の限りを尽くされた大通り、散らばる馬車の破片や散らばる人々や動物の姿があったのだ
すでに一部の冒険者たちによって救助活動が行われていたが、それでも間に合っていない様子だった
「なんだよこれ・・・手当たり次第かよ・・・」
その光景を見て歯噛みする
そして、通信機を取り出せば他の現場の状況を確認するべくギルドへと連絡を入れた
「ゼトアさん、浅間です。南エリアには怪人の姿はなく全て終わってました。他のエリアはどうですか?」
『あぁトウヤくんか、他のエリアも何体か怪人を倒した後に終わったと報告が入って来ているよ』
その言葉にトウヤは流石あの2人だと思う
「しかし、今回の戦闘は何なんですかね?なんかいつもよりも破壊活動メインにし過ぎてるというか・・・」
『確かに不気味だね、普段はもっと少ないのに・・・何らかの目的を持って行動しているのは確かだろうけど、一体何が目的なんだ・・・?まぁ一度ギルドに来てくれ、また話し合おう』
「わかりました」
そう言うと通信が切れる
「目的か・・・」
ゼトアの言っていた目的、だがトウヤは思う、今回の破壊活動は果たして誰の目的なのだろうか?
勇者護衛の時でも、これ程の量の怪人が出現し無かったのに、何故このタイミングで?
そう考えれば嫌に気持ち悪い不気味な感覚に囚われる
「あ、あの・・・」
「ん・・・?」
考えていると、後ろから声が掛けられた
見れば市民の1人が冒険者の肩に掴まりながらトウヤに何かを差し出して来ている
見れば、それは一枚の折り畳まれた紙だった
「これは・・・」
何が何だかわからないトウヤがそう尋ねれば男は怯えながら口を開く
「な、なんか拳銃を持った怪人が赤いヒーローがここに来たらこれを渡せって言って渡して来たんだ・・・」
「拳銃を持った・・・怪人・・・?」
聞き覚えのあるフレーズに思わずトウヤの血の気が引く
嫌な予感を覚えながらもトウヤは男から紙を受け取れば、男はそのまま冒険者に掴まりながら去っていく
「・・・まさか今回の目的って・・・俺?」
トウヤは自身の中でグツグツと湧き上がる感情を覚えた
まさかその為だけにこんな破壊活動を?、そう考えるだけで怒りでおかしくなりそうだったが、頭を振るい冷静さを保とうとする
「とりあえず、ギルドに行こう」
もし予想通りであれば、これは1人では手に負えない案件だと悟り
ギルドへと向かうのであった
さて、ストック分無くなったけどどうしようかなぁ
どどどどうすんのどーすんの?
まぁもう書いてるんですけどね、続き




