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異世界に行ったらヒーローになったSO!  作者: 門鍵モンキー
第一章 異世界に行ったらヒーローになったSO
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おいでませ異世界 4

いいなーいーいーなー

にーんげんっていいーなー

美味しいおやつにホカホカ弁当 

あったかいんだからぁ〜

それからどのくらい走ったのだろうか?

体感ではもう数十分は走った気がする

だが、後ろから聞こえてくる戦闘音がそれほど離れた訳でもないことを如実に示していた


「ウワッ!?」


恐怖に怯えがむしゃらに走った所為か足がもつれ湿った地面へと倒れ込む

早く逃げなくてはいけない


ーーだがどこへ?どうやって?


どこだかわからない未開の地で1人でどうやって進む?

幾らか落ち着きを取り戻した頭は、今の自分の状況を整理し、嫌でも現実を叩きつけてくる

だがそんな現実よりも胸の奥で燻る不安


ーーサラは1人で大丈夫なのか?


無論大丈夫な訳がない、ライフルを弾切れになるまでうち、魔法と短剣であの巨獣を倒せるのか?

そんな事、戦闘経験のないトウヤでもわかる。わかってしまう


今すぐ戻って助けなければ行けない、その気持ちの一方で助ける手立てがない、あんな巨獣の前に戻りたくないという気持ちもまた溢れてくる


「あぁ・・・くそ、俺に力があれば・・・」


誰もが思う、誰かを思うが故なら無力感にトウヤは沈む


ーーでも、あんたには力がある。だからそいつを使いな


「え・・・?なんだ今の」


トウヤの脳裏に映像が走った

過去の記憶を思い起こす様に、白衣の女性と声が

そして、視界の端に落ちているとある物が目に入った

それは1対のブレスレットだった

恐らくこけた拍子にカバンから飛び出たそれに倒れ伏していたトウヤは立ち上がり、ゆっくりと近づいて行く

覚えはない、だが知っている気がする

白衣の女性が言っていたそいつが、このブレスレットの事だと


「こいつの使い方、なんとなくわかる気がする」


拾い上げたブレスレットに謎の既視感と困惑を覚えながらおもむろに両腕に装着する


「なんかわからないけど、これならサラを助け・・・!!?」


その時だった


ーー身体が動かない


不意に世界が灰色に変わる

それどころか先ほどまで聞こえていた戦闘音も、葉擦れも生き物の気配すらも何もかもが消え去っていた


「お前の手にしてる物、それが何かわかるか?」


何もかもが止まった世界で、不意に背後から声をかけられる

老若男女の声が混ざり合ったような不定形な声、ここまでのに経験した物事の中で不気味で不可思議で恐ろしい事象、声に思わず肩がビクりと跳ねた


「誰なんだ・・・一体これはなんなんだよ・・・」

「お前の使おうとしている力はお前が世界を滅ぼす、きっかけになるんだぞ?」


トウヤの問いかけに声の主からの返事はない

ただ問いかけだけが返ってくる

今更ではあるが急な事に思考が追い付かない


「それでも・・・使う気か?」


どこか怒っているような声色で、だがどこか悲しそうな声音で、声の主が再度語りかけてくる

トウヤは顔を伏せ黙り込んでしまう

今自分の使おうとしている物はなんなのか、先ほど頭をよぎった光景と何か関係があるのか、考えれば考えるほど芋蔓式に思考が巡る。

魔法を使った時の光景も何か関係があるのではないか?

ザワザワと心の波が荒れだし、やがて今までの事柄への懐疑心が産まれてくる

思考の海の底へと沈んでいこうとした時、ふと顔を上げ前を向く

そこには灰色ではあるが縁取られた枠のような光景が少し遠くに見えた


ーーあそこでサラが戦っている


何も分からない自分を、助けてくれた

魔法という未知の技法を教えてくれた

トウヤを守る為に、囮になって戦っている

仕事だからと言ってしまえばそれだけだろう、だが逃げることはできた。

見捨てる事も出来た。

しかし、彼女はそうしなかった。


「・・・俺、あんたが何言ってんのかわかんねぇし、俺がこのまま行動したら悪い事になるのかもしれない」



先ほどまでの映像が真実ならば、この先にあの光景が再現されると言うのであれば、それは阻止せねばならない事である


「それでも俺を逃す為に残ってくれたサラを、やっぱり見過ごす事なんて出来ない・・・だから、行くよ・・・」


両腕のブレスレットに魔力を流す

流された魔力はブレスレット内のアメリス型3式魔力回路を伝いブレスレットを起動させる


『装着を確認、生体認証・・・承認。ユーザーを再登録、再登録名をお決め下さい』

「浅間灯夜」

『ユーザー名、ーー・トウヤからアサマ・トウヤへと変更、確認、空間魔法アクティベート』


機械音声がそう告げた後、ブレスレットは暖気状態へと移行し光輝く

左腕を前へと突き出し折り曲げ拳を顔へと近付ける

右腕は大きく円を描くように回して左腕に装着したブレスレットと右腕に装着したブレスレットを重ね合わせる

両腕のブレスレットが干渉し、魔力回路が開通して試製魔法陣破壊型空間魔力増幅陣へと魔力が供給される。


「そうか、ならば・・・ならば全てに後悔し恐怖しろ!!お前の旅路に呪いを!!呪いあれ!!!!!!!」

「なら俺が!その呪いも後悔も恐怖も全部ひっくるめてぶっ壊してやる!!変身!!」

『音声認識完了、アクシォン!!』


右腕を一気に引き抜くと魔力が充填された破砕陣が砕け散る

それにより充填された魔力が行き場を失い魔力暴走が発生しブレスレットへと増幅された大量の魔力が供給される

それの魔力を使用し空間魔法が展開される

展開された魔法はトウヤを包み込み光輝く

そして、上げたままの左腕を大きく振るうとまるでガラスが砕ける様な音と共に包み込んでいた光がバラバラと砕け散り5式試製強化魔導装甲服を着用したトウヤの姿が現れた


「よし・・・ってん?何これ?え!?何これ?どゆこと!?」


今のトウヤの姿は全身は黒い全身タイツで覆われ、頭には後ろに向けて流れる様な雫型のフルフェイスマスク、マスクには左右2つの外側を向くように配置された同じく雫型のバイザーが装着され目の位置には丸いオレンジの光が灯っていた

他に炎を思わせる頭の装飾、肩と胸には鈍色に光るアーマーが取り付けられていた

腕と足には同じく鈍色の籠手と脚絆がつけられている


無論、急にそんな姿になったのだから当の本人は大慌てであった

まさかこうなるとは思ってなかった。まるで特撮のヒーローみたいだというのが彼の気持ちである。

だが彼には慌てている時間はなかった

遠くから聞こえてくる打撃音がそれを如実に物語っていた


「・・・!サラ!!」


いつの間にか色が戻り動き出した時の中でトウヤは駆け出した。

自身を助けてくれた少女を今度は守る為に


バス:護衛付きで現代よりも料金高めだが各都市の移動手段としてバスが存在する

もちろん他の車も存在する


あ、トウヤくんの変身した姿はサンレッドってみなさん知ってますか?

アニメ版だと昔はやったお笑い芸人の髭男爵さんが敵役の声優やってたドタバタ日常ギャグ系のヒーロー作品

あれのサンレッドのオープニング仕様いいなぁって思って、あれイメージしたんですけど、なんか別物になっちゃいました笑

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