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異世界に行ったらヒーローになったSO!  作者: 門鍵モンキー
第一章 異世界に行ったらヒーローになったSO
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第6話 勇者見参!

メリクリ2日目


ハッピークリスマーース!

その日新聞には大きくデカデカと書かれている見出しに人々は湧いた


最後の勇者召喚される


勇者

それはこの大陸を支配していた原初の魔王を撃破した勇気ある者という言葉から取られた名であり

今代で16代目になる異世界からの渡来人である


大陸を解放した初代勇者、そして、それ以降召喚魔法の確立により、2代目以降から大陸存亡の危機に異世界から召喚される存在であった


現在この大陸は北の魔王軍との戦争の真っ最中であり、未だその攻勢を止められず多くの国が亡国と成り果てている

そんな中で女神デアテラの許しを得た各国王族が勇者召喚の儀を執り行ったのだ


現在召喚されている勇者は12人

剣、槍、双銃、双剣、大砲、棒、盾、翼、長銃、拳、戦斧

そして、今回召喚された鎧の勇者である


大陸同盟軍はこの12人の勇者の訓練を行い3部隊の特務部隊を編成した後、これを主軸とした大規模反攻作戦に打って出る。というのが新聞の見出しに書いてある事であった


それを眺めながらへーとトウヤは声を漏らす


「何見て・・・あぁ、今日の新聞ね」


カウンターの中でグラスを磨くエオーネが新聞を見て察しがついたと声を上げる


「エオーネさん、勇者ってそんなすごい存在なんです?」


その問い掛けにエオーネはもちろんと言った様子で答えた


「そりゃもちろん、勇者様と言えばデアテラ様から与えられた武具や異世界の知識で持ってこの大陸の危機に駆けつけて何度も救って来た英雄よ」


「はー、すごい人達なんですね」


「そうよ、この冷蔵庫だって、勇者様が発案して工房が形にした文明の利器よ」


冷蔵庫を開けながらそう美しく笑う彼の言葉にトウヤは思わず驚きの声を上げた


「その訳わかんないくらい術式書かれてる冷蔵庫がですか!?」


そう驚くトウヤは、以前家具を買いに行った時に偶々その中を覗く機会があったのだ

そこに描かれていたのは長く伸びた術式の帯と魔法陣が回路のように張り巡らされた物であり、整備していた店員に聞けば術式自体の劣化を抑え魔力消費と氷魔法の威力を抑えた術式、魔力の逆流等の危険防止の術式などが書き込まれているらしいが、その緻密な術式の書き込みは彼の想像や認知を超え頭をショートさせた


その時の事を思い出し、先の驚きに至ったのだ

そんなトウヤの驚く声を聞き、エオーネは可憐にクスクスと笑い頷く


「そうそう」


「私たちのスーツも、勇者由来」


「え!?これもですか!?」


隣でグラスに様々なフルーツ、クリームや発酵させた乳製品が美しく盛られたデザートにスプーンを差し込みながら発されたフィリアの言葉に、彼は自身の腕に装着しているブレスレットに指差しながら

またもや彼は驚きの声を上げ、そんなフィリアの言葉を聞き、エオーネはそう言えばそうだったわねと呟いている


「確か4代目勇者だったかしら?」


「あぁ、コロンブス合衆国宇宙軍第1特務艦隊所属の第1特殊装甲服大隊の隊長さんだね、彼は勇者の中でも最も特異な勇者と言われているんだ」


「へ、へー・・・」


いつの間にかカウンターへと座っていたオータムは、勇者の所属艦隊と部隊名を言ったかと思うとやけに熱の籠った言葉で4代目勇者の事を語り出す

その熱量に若干引いてしまうトウヤではあったが、その中でも気になる単語がツラツラと出て来る


「惑星間大戦と呼ばれる戦争に参戦していた彼だが、なんでも遠く離れた火星という惑星と月に植民地があるのだがそこが独立戦争を仕掛けたそうだ、そいつらは自由惑星解放戦線と名乗り、禁止されている地上への航宙攻撃。つまりは宇宙空間からの砲撃を敢行したり見た者の目を焼き膨大な範囲を消滅させる高威力誘導弾を用いて都市を焼いたりしたらし・・・」


止まらないやたらと饒舌な彼の言葉にトウヤは気圧される

このまま何時迄も彼の話を聞く事になるのかも、その様な事を思い出した所で、パァンとビリビリと空気を揺らす音が響く

鼓膜がキーンと甲高い音を上げ頭がビリビリする

そんな感覚に苛まれながら音の方を見ればエオーネが笑みを浮かべながら手のひらを合わせていたのでおそらく彼が音の発生源であろう事がわかった


合わせた手を離し、美しい所作でカウンターへと手を置くとオータムに笑いかける


「一旦ストップ、オータム?トウヤが付いていけてないわよ?」


「あ、あぁすまないトウヤ、つい熱くなってしまった」


「あ、いえ、全然ってかめちゃくちゃ気になる話を聞けて良かったです」


ぎこちない空気が流れる

その中でトウヤは身に沁みた事が一つあった


ーーエオーネさんは怒らせたらダメだな・・・








部屋にあったローブを羽織り少女は走る

外に出た時、そこに見知った光景はなかった

素朴ながらも小高い山や田畑の見える緑溢れるあの自然豊かな故郷の景色

今見えるのは高い壁に囲まれた現代というには古めかしいが中世というには発展し過ぎている。そんな監獄のような街並み


通りすがる人は平たい顔族と冗談混じりに言われた人種ではなく、全員が西洋風の顔立ちで中には緑の巨人や獣がそのまま立ったような見た目の人種、ケモ耳を生やした者までいた


「キャッ!?」


「イテッ!?」


何かに躓き転ける

何やら声がしたので恐る恐る剥いてみれば、緑色の目と耳が吊り上がった自分の太ももくらいの大きさしかない小人がいた

小人は怒ったような様子で少女へと捲し立てる


「この野郎どこ見て走ってんだ!気を付けろ!」


「ご・・・ごめ、ごめんなさい!!」


その異様さに謝りながら走り逃げ出す


「そこまで怯える必要ないだろ・・・」


残されたゴブリンの男はそう独りごちた


めっちゃ設定ミスってた

第4勇者の設定なのに、いつかのあとがきで第3勇者と書いてしまってた!

なんと言う事だ!

お詫びに那珂ちゃんのファン辞めます

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