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閑話 在※※日の※い出 【記録が欠損しています】

爆音が響く度に命がまた消えていく


銃声は鳴り止む事無く響き続けている


「司令部、こちら第4大隊! 前進できない、応援を! 応援を!!」


悲鳴の様な声を上げて部隊長が叫ぶが、無線が混線しているのか他部隊の悲鳴が聞こえてくるのみで返事が来ることはない


その事に気がつくとチッと舌打ちをして通信装置を切る


「その様子だとダメだったみたいですね」


「さっきの砲撃で無線が混戦してる。だいぶやられちまったみたいだ」


「みんな、今頃あの世で酒盛り観戦中ですかね?」


「俺達の分の席が埋まってなけりゃ良いがな」


チラリと視線を向けてみれば、MRAを纏った兵士達は皆俯き、止むことのない砲撃の雨に気が狂い叫んでいる者までいた



北部国境線要塞

嘗ては大陸間同盟の守りの要であった要塞が、自分達へとその研ぎ澄まされた牙を向けてきているのだ


備え付けられていた無数の砲門は前進を続ける同盟軍の部隊を軒並み塵芥に変え前進を難み、頼みの綱であった勇者の部隊は敵将軍により足止めされ応援に来ることは出来ない


「新型MRAが配備されてたらなぁ・・・」


「言っても仕方ないですよ、研究基地破壊されて開発遅延してるんですから」


ボヤく隊員の1人に副官は肩をすくめながらそう答える


兎にも角にも今のままでは現状は変わらない

どうしようものかと隊長が頭を悩ませていた。その瞬間だった


『こちら高速爆撃隊、第4大隊聞こえますか!?』


通信越しに聞こえてきた少女の声に、まだ生き残っている空軍戦力がいたのかと思わず目を剥き驚く


「こちら第4大隊、聞こえている」


『良かった。今から要塞砲に対して爆撃を行い、然る後に前線を切り開きます!』


「そんな無茶だ!」


要塞の防御結界の機能は味方の砲兵がやられる前に行った砲撃ですでに停止しているとは言え、砲周辺は対空陣地が敷き詰められている


対空仕様のゴーレムに大型魔獣、魔人による対空迎撃の中を突っ切るなど自殺行為に等しい

そんな中を彼女は爆撃しに行くと言っているのだ


「あそこにはムロイが山ほどいるんだぞ! 支援に来た第4分艦隊もそれにやられて・・・!」


『大丈夫です。行けます!』


何処からその自信が出てくるのか、無理だと否定する感情と共に湧き出る疑問に歯噛みする


だが、例え根拠がなくとも止めることはできない

他にこの状況を打破する方法が思い浮かばない以上、それで戦況が変わるのならと思うと止められないのだ


「・・・わかった。頼む、だが死ぬなよ」


「隊長!?」


『わかりました』


暫し考え込んだ後に発された隊長の言葉に、副官は驚くが通信先の少女の言葉に止める暇すら与えられない


『もう間も無く砲台上空を通過します。準備を!』


「第4大隊各員、間も無く要塞砲が沈黙する。奴らに1発喰らわせるぞ戦闘準備!」


隊長の叫びに砲撃により崩壊しかけていた隊員達の士気に仄かに火が灯る

俯いていた者は顔を上げ準備をして、叫んでいる者を無理やり立たせた


そんな隊員達を見つめながら隊長は通信先の少女を思う

期待はしない、だが願いはする

どうか彼女がうまくやりますようにと


そして、その願いを叶えるかのように空に一条の流れ星が流れた


赤い赤い流れ星


だが、ふと気がつくのだ


「・・・鳥?」


赤い尾を伸ばし、轟音と共に高速で空を駆ける1羽の鳥を訝しげに見つめる


要塞方面が俄かに瞬くとその鳥に反応したであろうムロイから熱線が放射された


だが、それが鳥に当たることはない

音速で移動する鳥を前に熱線は鳥の光跡を作り出すように、通り過ぎて行くのみであったのだ


雑多に撃ち放たれる他の対空砲火も鳥を捕える事は出来ない


そうしてそれは要塞上空へと到達すると通り過ぎざまに光球を幾つか落として行く


「エクスプロージョン・・・!?」


高魔力濃縮型に分類される爆発魔法エクスプロージョン

それが4つ、等間隔で要塞に落とされて行くのだ


ゆっくりと降下していくそれはやがて要塞へと到達すると上部へと触れて内包する爆炎を一気に解放する


腹を震えさせる爆音と空気と足裏から伝わる振動から理解してしまう


要塞砲が完全に沈黙させられたと


「嘘だろ、成功させやがった!!」


「やった・・・やったぞ!!」


「うおお、うおおおおお!!!」


見ていた隊員達はその光景に思い思いの声を上げる

目の前の光景にある者は喜び、ある者は雄叫びを上げた


だが、隊長だけは先を見た

歓喜の声が響く塹壕の中で腹一杯に息を吸い込むと声を上げる


「第4大隊傾注、我らが勝利の女神によりクソッタレな敵砲台は沈黙した! これより我々は前線への支援爆撃後に敵要塞に取り付く、武器を構えろ!!」


その一声により先ほどまで歓声を上げていた部隊の雰囲気が変わる

見上げていた顔を地上へと向けて速射砲を持ち上げ戦斧を構えた


もう目の前の敵に怯える者も大戦果に傍観者として声を上げる者もいない、ここにいる者は皆飢えた獣が如く獰猛な視線を塹壕へと迫る敵軍へと向けるのだ


また先程と同じ轟音が自分たちの頭上を駆けていくのがわかると足に力が入る


それから幾許の時間が過ぎた頃だった

眼前の敵軍の頭上を先程見た赤い光球が照らし出したのは


落ちてくる光球にゴーレムも、スライムローパーも等しく抵抗する事なく爆炎の中へと等しく消えた


凄まじいまでの衝撃と爆炎が部隊を襲う

塹壕の中にあっても感じるそれは少女の繰り出した爆撃の凄まじさを物語っていた


「総員突撃、俺に続け!」


隊長の勇ましい雄叫びと共に舞い上がった煙を吹き飛ばしながら数機のMRAが飛び出し、それに呼応するように隊員達も塹壕から飛び出す


エクスプロージョンによる致命的な一撃で身体を破損し這々の体で起きあがろうとするゴーレムの身体を身体強化術式により一気に駆け抜けてきたMRAが持つ戦斧によって引き裂く


爆撃から逃れた幸運なスライムローパーをホバーによる高速移動で駆け抜けてきた陸軍仕様のMRAが速射砲で粉砕する


味方前衛は再び息を吹き返し怒涛の前進を行い始めた


その様子を空から眺めていた少女は前進していく味方を見届けると後方の基地へと戻っていく















基地へと戻った少女は地上へと降り立つなり、不安げな表情を浮かべながら野戦病院目掛けて一目散に向かう


キョロキョロと誰かを探す様に周囲を見渡し、目的の人物を見つけると仮面の下でパッと表情を明るくして駆け寄る


そうして銀髪の少女目掛けて飛び付きながら叫ぶのだ


「フィリアちゃーーん!!」


「わっ・・・戻ったんだ?」


「うん、ただいま!」


ウリウリとフィリアの頬に頬擦りをしながら少女は答えたが、フィリアの方は嫌がる様子は見せずにいつも通りの無表情でなすがままになっている


「治療は終わったの?」


「うん、治せる人は・・・治した」


治せる人は、その言葉を聞き少女の仮面の下の表情が仄かに暗くなる


「・・・そっか、頑張ったねぇ、お姉ちゃんがよしよししてあげる!」


「いらない、痛い、やめて」


「なんでなんで!? ちょっとくらい良いじゃーん!」


銀色の髪を乱しながら、まるでヤスリを擦る様な勢いで激しく動かす少女の手を煩わしそうに払い除けると、少女はブーブーと文句を言い出す


だが、そうしているのも束の間

彼女らの無線に通信が入る


何事かと思い目を合わせながら通信に出ると総司令官の声が聞こえてきた


『お、繋がった。お2人さんちょっとええか?』


「あ、はい」


「大丈夫」


関西弁訛りのこの男の、ちょっと良いか、は何かしらの厄介な仕事を頼まれる前触れであり、僅かな緊張と共に返事をする


『鎧の勇者一行が敵将軍と戦っとるがちょいと戦況が芳しく無いねん、やから援護に行ってくれへんか?』


「天華ちゃんが・・・わかりました!!」


ーー五月蝿い


すぐさま隣に立つフィリアへと顔を向けると勇ましく声を上げる


「行こう、フィリアちゃん!!」


「うん」


ーー黙れ


そう言うと彼女達は駆け出す

人混みを抜けて、MRAの間を縫って


異世界の友人を助けるべく駆け出し、有翼人種用の滑走路まで出た


「じゃあ、行くよ!!」


ーー黙れ、黙れ・・・


背中の折り畳まれた骨組みを展開して、魔結晶の翼を広げ彼女は叫んだ


「フレアレッド、浅間灯華行きます!!」






「黙れ!!!!!!!」


夜の帳の中、部屋で1人佇んでいた男は拳を壁へと打ち付けるとそのままズルズルと崩れ落ちた


苦痛に歪む表情を浮かべ、苦しげに早まった呼吸を落ち着けようとしながらも、まるで懇願する様に声を絞り出す


「頼むから・・・もう黙ってくれ・・・頼む・・・」


お前はもう終わったのだから、そう続きそうになった言葉をグッと堪えて


京の世界から幾重にも重複して響く怨嗟の声へと懇願し続けた

俺昔クトゥルフ神話TRPGでジョジョルフの動画作ろうと思ってたんだすよ

創作系のやつ


シナリオは奇妙な共闘

主人公は近接格闘型スタンドで物体指名の物質透過能力

ヒロインはネクロノミコンとかの情報を全部暗記してる系ヒロイン


敵はいつもの白蛇の家の蛇人間

ボスの能力は過去介入して攻撃する能力


PTメンバーは

物理学者=遠距離型スタンドで原子操作能力

図書館員=装備型スタンドで破壊エネルギー放射能力

波紋使いで愛を叫びながらゴッドフィンガーして頭に直接波紋を流し込むグラハム・エーカー


なっついなぁ・・・

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