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異世界に行ったらヒーローになったSO!  作者: 門鍵モンキー
第一章 異世界に行ったらヒーローになったSO
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ベガドの危機!?魔王軍襲来! 8改

この時思考バグってたから結構アレな前書き書いてますね

右から迫って来た触手を飛び避け、上から迫って来た触手を横に避ける

触手が入り乱れる中、トウヤは走った


「頼む頼む頼む、うまく行ってくれ・・・」


祈るように棍棒に魔力供給を開始する

先ほどと同じように過剰すぎる程の魔力を、とある属性を乗せながら

魔力供給がなされた棍棒の表面を、また凄まじい勢いの魔力が流れる

そして、今度は手元から赤い炎を生み出すとそれをそのまま棍棒の魔力に乗せたのだ

すると棍棒の魔力の流れは高熱の焔の流れへと変わった


「行けたけどこれ熱い!」


走りながら叫ぶトウヤの姿は周りから見れば珍妙に見えただろうが本人は至って真面目である


未だ悶えるスライムローパーにもその姿は確認できた

それ故に痛みに苦しみながらもトウヤに向けて触手を振るう

2本の触手を薙ぐように、1本は地面スレスレに、2本目は頭を狙うように振るってきた


「嘘だろ、無理無理無理!?」


叫びながら今更止まれない、止まったら死ぬと思ったトウヤはそのまま走り続ける

向かってくる触手、一か八かの賭けをしトウヤはその場で前へと飛んだ

すると、触手と触手の間をすり抜けるようにして躱わすと、地面で一回転をしながら再び駆け出する


そうして懐まで近付くと、スライムローパーの核目掛けて焔を纏った棍棒を叩き付ける

弱点たる炎によりを押し付けられ、スライムローパーの皮膚は焼き溶け尚且つ抉られた

その痛みからスライムローパーはなお暴れ出すがお構いなしにトウヤは押し付ける


「行け行け行け!倒れてくれ!!」


不意に押し付けていた棍棒への抵抗が無くなりするりと体内に入り込む

体内の液体魔力がぶくぶくと音を立てて炎へと置換されて行く中、トウヤは棍棒を振りきり核を破壊した


核を破壊されたスライムローパーは僅かに燃えながらその身体をグズグズに溶かして行きやがて地面のシミとなる


その光景を見ながら後退りし、やがて全身の力が抜け地面へとドサッと座り込む


「あ、ははっ、は、はぁぁ」


辛勝ではあるが勝ったのだ

その実感が湧き、力無く笑うと大きくため息を吐いた


未だ実感が湧かないでいる

あれだけ猛威を振るった相手に、自分はなんとか戦い倒せた事に、自分がまだ生きている事に


今更ながらまた手が震えてくる

そんな手を見ながら、彼はそう思うのであった 


「倒したんだ・・・勝ったんだ・・・勝てたんだ」


上の空のまま、ポツリと呟く

勝利の実感がふつふつと胸の奥から湧いて来て、余韻に酔いしれる


「やった・・・やった!俺はやったんだ!はははっ!やったぞ!」


叫びたい気持ちを抑えようにもどうにも心が踊り、我慢できずに声に出す


未だ戦闘音が響く街に、こだまする声がとても心地良かった


「ははは・・・は?」


だからこそだろう、響く声は別のスライムローパーを呼び寄せてしまった


路地から大通りの先から、赤い液体が付着した触手を揺らし、体内に消化しきれてない残骸を宿したまま


勝利の余韻は一転し、絶望へと変わった

安堵からの笑いは、恐怖で引き攣る顔へと変わる


まだ動こうと思えば動ける、逆に言えばそれだけであった

ここまでして漸く勝ったのにまた来られたらどうしようもない


諦めの感情が胸中を支配した


そうして動かぬ獲物に、スライムローパーは近付き、まだ赤い液体の付着した触手を持ち上げ



両断された


トウヤは目の前の光景に唖然とする

半分に分たれグズグズと溶けて行くスライムローパー、その後ろから太陽の光を反射し輝く白い装甲のMRAがその姿をあらわにした


訳も分からずそれを見ていると、MRAは耳元に手を当て喋り出した


「こちらリーパー1、避難誘導をしていたと思われる冒険者を確認した、これより保護する」


『了解した』


『こちらセイバー2、市街地戦装備に換装した。俺も加えさせてくれ、弔い合戦だ!』


「無茶するなよ」


『任せろ!』


そのMRAは通信を終えるとトウヤへと顔を向ける


「よく持ち答え生き残ったな、君の健闘のおかげであの親子は無事に避難場所に辿り着けた、感謝する」


絶望からの希望という感情の大きな揺れ動きと、その言葉に涙が溢れてくる

MRAはその姿に笑いながら背中を優しく摩った




応援部隊が街に到着した時点で戦況は決した

上空を飛行する第66有翼人種飛行隊が空から滞空しながら航空支援を行い

第7空挺団と勢いを取り戻した防衛隊により戦線を押し返していく


一時はムロイ変異型と地中侵攻作戦により窮地に立たされたベガドの街だが、防衛隊・冒険者達の奮闘と王国軍の応援により、その窮地を脱する事ができた





スライムローパー3体が、触手を目の前の男に向かい伸ばした体勢で固まっていた

長髪の男、オータムはその光景を眺めながら悠々とその横を歩いて通りすぎると、細切れにされた核を自らの体液により溶かしながらグズグズと崩れていく


北部地区は未だ応援部隊が到着していない

その理由はここにいる戦力にあった


2mに及ぶ巨大な大斧を縦に振るうと、衝撃と切断された事により捲れ上がった石畳の残骸と共に、両断されたスライムローパーの身体があたりに飛散する

その大斧を軽々と振るい踊るようにして次の、また次の敵を屠って行く


「相変わらず優雅に戦うな、エオーネ」


そうオータムが声を掛けるとエオーネは美しく笑いながら答えた


「そりゃそうよ、私達は超越者たるオカマの候補生、いつでも美しく気高く強くあらねばならないのだから、この程度の相手に無様な戦いは出来ないわよ」


barエオーネの店主であるエオーネと茜や雫と同じ1等級冒険者であり、最強の冒険者と名高いオータムは他の冒険者達を西や東の応援に向かわせ3人で北大通りの穴の対処をしていたのだ


最後の1人たる白銀の髪をしたヒーローは眠たげな目で2人へ目を向ける


「・・・ここももう終わり?」


「そうだな、これだけ倒したのだからそろそろ終わりそうだな」


そう言い後ろへとピチャピチャと足音を立てながら目を向ければ、水でもかけたのかと思うほどに辺りが濡れていた


彼らはここで3人だけで、魔王軍の主力侵攻部隊を全滅させたのだ


とある事を思い出したオータムはヒーローへと顔を向ける


「そう言えば新しい子がヒーローになったみたいだね」


「そうなの・・・?もしかしてサラが言ってた人かな?」


そう静かに首を傾げる少女の姿にオータムは苦笑する


「かもしれないね、とてもやる気と元気があって良い子だよ、君も教育担当として挨拶する事になるだろう、楽しみにしていると良いよフィリア」


その言葉を受け、感情の乗らない顔で彼女は胸の前で拳を握る


「頑張る」


相変わらずどの様な感情をしているのかわからない少女の姿に思わず笑みが溢れた

いやぁ、バグり散らかしすぎだろ

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