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第30話 Balut

祝30話!!!


この作品もよくここまで続きましたよなぁ・・・

なんか感慨深い


そう言えば!!

最近久しぶりに確認してたら増えてたんですよ!ブックマーク!

ほんまにありがとうございます!!

励みになります!!

広場へと到着したトウヤが見たのは凄惨な光景だった


所々に転がる屋台と生物的な残骸

家屋保護結界の上から付着したであろう赤い液体が建物の壁の手前で止まり、まるで宙に浮いてるかの様にも見える


あまりの光景に言葉を失いながら、殆ど段差と言っても差し支えない程の短い階段を上がり広場の中心へと向かうと、中央に聳える噴水にはカップルと思わしき2体の遺体があった


片方は噴水の中へと上半身を沈め、もう片方は蹴り飛ばされたのだろうか身体の一部が損壊していた


「またかよ、またこんな・・・」


この世界に来てから何度目かの惨劇

未だ慣れる事のない光景に悲痛な顔を浮かべる


何故偶々居合わせただけの住人が犠牲にならなければならないのか、そう考えると胸が張り裂けそうになった


「トウヤ・・・くん・・・?」


「え・・・?」


そんな時、自身の名を呼ばれ反応して顔を向けてみれば何やら物陰に動く影が見える


誰かと思い警戒しながらも視線を向けていると物陰から見覚えのある少女の姿を見てトウヤは驚いた


「ウツツさん!? なんでここに!」


物陰から現れたのは以前ライブの護衛をしたウツツだった

彼女は汚れ傷だらけになった服のままトウヤへと駆け寄ると彼の身体に抱き付く


「え、ちょっ・・・」


「怖かった・・・みんなには内緒でこの街に遊びに来たら急にこんなことに・・・」


「ウツツさん・・・」


おそらく怪人達が暴れている最中、先ほどの物陰に隠れ難を逃れたのだろう

だが、隠れた後に見た景色は言葉に出来ないほど恐怖があったに違いない、自身の胸でポロポロと涙を流しすすり泣くウツツの姿にトウヤは同情する


「安心してください、もう大丈夫ですからね」


だからこそ、静かに優しく言い掛けると胸に顔を埋めながらウツツは頷くと、彼女は安心したのかゆっくりと背中に回した手を解き離れると顔を上げる


「すみません、取り乱してしまって」


「いや、大丈夫ですよ、とりあえず安全なところに送りますから掴まっててもらっても良いですか?」


涙を拭いながらそう言う彼女に笑って話しかけると彼女もまた嗤う


敵の首魁はまだ見つかっていないが兎に角彼女を安全な場所に避難させるのが先だ

そう思い手を差し伸べた


「おいおい、何やってんだよ」


「・・・! 誰だ!」


声の方へと目を向けるとそこにいたのは浅黒い肌をした筋肉隆々の男


彼は煩わしそうにトウヤへと一瞬視線を向けるが、すぐさま興味なさげに視線を逸らす


「何をするかと思えばこんな茶番を見せつけやがって、早く仕事をするぞ」


「茶番? 何を言ってんだ!?」


「ウルセェぞ! お前は黙ってろ!」


「こいつ・・・!」


男の怒声にトウヤは腹を立てるが、傍で怯えるウツツの姿を見て冷静さを取り戻す


ーーまずはウツツさんを安全な場所に避難させることからだけど・・・


ここは敵地

安全な場所といっても果たして何処に避難させれば良いのか


そう思いながらも近くの大きめの瓦礫に目を向けると、指を差しながらウツツへと顔を向ける


「ウツツさん、あそこで隠れてて下さい! ここは俺が!」


「あ・・・わかりました。その・・・お気を付けて!」


声援を送ると瓦礫に向かい走り出すウツツ

これで一先ずは安心と思い、トウヤは再び男へと向き直り相対する


「お前が誰なのか知らないけど、彼女には手を・・・!?」


その瞬間、背後から強烈な衝撃が走る


膝をつきながらまさか敵の新手かと思い振り返ると、飛び込んできた光景に目を見開き驚く


「ウツツ・・・さん? なんで・・・」


まるでナイフの様に鋭い半透明な水色の腕を伸ばし揺らしながら彼女は無表情でトウヤを見下ろしていた


「うーん、思ったより硬いなぁ・・・というかアガー! 台本と違うじゃない! 折角考えた作戦が台無し・・・」


「知るか阿呆、というかなんだあの茶番は吐き気がする」


「えぇ・・・結構良かったじゃない」


「どこが・・・」


肩を上げて頭を振るい呆れた様子を出すと、ウツツは「何をー!」と手を思いっきり下に振り下ろし怒りを露わにする


だが、そんな2人のやりとりもトウヤにとってはどうでも良い


「あんた・・・まさか・・・」


「ん? あぁ自己紹介がまだだったね、ごめんね? 私実は8大罪なんだ」


「なっ・・・!?」


まるで世間話でもする様な気軽さで発された事実にトウヤは狼狽する


「いつから・・・なんで・・・あの時の言葉は嘘だったのかよ!」


様々な感情が渦巻き頭の中がぐちゃぐちゃに入り乱れる

仮面の下で顔を歪め感情を吐露すると、ウツツは嫌らしく顔を歪めて嗤う


「あぁその顔! そうそう、その顔が見たかったの!」


「ふざけんな!!」


怒りの感情のままに拳を振るうが、軽やかに身を動かし拳を躱わす


「あっぶなぁ・・・急に何よ、カルシウム足りてないんじゃないの? アガー手伝って」


「あ? なんで俺が手伝わなきゃいけないんだよ、嫌だよ勝手にやっとけ」


「なんでよ! 手伝ってくれたって良いじゃない!」


素っ気ない態度を示すアガーに抗議の声を飛ばすウツツではあったが、彼は気にすることなく背を向けると近くのベンチにドカリと勢いよく座る


「知るか、茶番に付き合ってやったんだからお前が片をつけろ」


テコでも動かない、態度でその様に示したアガーに彼女は「うぎぎ」と声を漏らしながら悔しがると、不意に身体の力を抜きため息を吐く


「わかったわよ、私1人でやるわ」


こうなってしまっては何をやろうともアガーは動くことはない

それがわかっているウツツは諦めて、立ち上がったトウヤと相対する


「お待たせ、それじゃ・・・殺ろっか」


8大罪、組織のトップにして今回の騒動の首魁がトウヤの前で仄暗い笑みを浮かべていた

そういえば99.9ってドラマ知ってます?

松潤が主役の弁護士のドラマなんですけど、あれめっちゃおもろいですね


マジで状況的に黒っぽい被告人の無罪を勝ち取る逆転裁判みたいな話、俺めっちゃ好きなんですよねぇ

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