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怪人大進行 2

お詫び

6月中に投稿した話の中に出て来た組織の最高幹部の名前を8大罪ではなく、7大罪と書き投稿していました

該当箇所はすでに修正済みですが、ただしくは8大罪です。申し訳ございません


登場人物

リーゼ・ヴァラド:セドの義妹、なんだかんだ登場は久々、水属性の治癒魔法は苦手


浅間灯夜:主人公のはずなのにまたしても出番の無い男、もちろん今回も無い

怪人に攻め入られる学園

普段ならば生徒達で溢れかえっている筈の廊下を走る3つの影


息も絶え絶えと言った様子で少女は叫ぶ


「しっかりして、もうちょっとで保健室に着くからそこで手当てすれば助かるって、ねぇ!!」


「うん・・・」


彼女達は生徒会に属するメンバーであり、逃げ遅れた生徒がいないかの確認をした後に体育館へと避難している最中だった


しかし、運悪く怪人と出くわしてしまい1人が負傷する憂き目にあったのだ


制服を地で赤く濡らしながらおぶっている女子生徒へと声をかけるが、その反応は思わしく無い


ーー想像以上に出血がひどい


先頭を走るリーゼの脳内に嫌な想像が過ぎりながらも、そうならない様にと願いながら必死に廊下を走り続けた


「止まって!」


階段の前に差し掛かった時、徐に何かに気が付いたリーゼが静止を促す


何事かと思い女子生徒も戸惑いながらも彼女が視線を向けた階段の踊り場を見つめていると、足音が聞こえてくる


「あーあ、バレちゃったよ」


踊り場の僅かな影の中から出て来たのは黒だった

目の前にいる筈なのに存在を認識出来ないほどの黒い存在


全体的に無数の毛が生えているまるで毛玉のようなそれは彼女達の前に姿を現すと隠れんぼで見つかった子供のように楽しそうに無邪気に笑う


「残念、うまく隠れられたと思ったのになぁ・・・」


階段を滑るように滑らかに降りてくる姿はまるで節足動物のようではあったが、照明があって尚薄暗い階段にあっては跳ねながら移動するボールにも見えた


「あなた・・・怪人で、あっていますか?」


噂に聞く上級怪人はいずれも人に似た形であるとリーゼは聞いていた

しかし、目の前にいるそれは当てはまらない

ならば下級怪人だろうかと考えそれの身体を観察する


身体から伸びた揺れ動く細い毛も相まって、照明の光が薄くさす仄かに暗いここではそれの輪郭がぼんやりとしており、何とか丸い形とわかる程度だ


見れば見るほど異様な姿

そんな存在を前に、警戒心から拳を強く握りしめた

だが、それはリーゼの様子など気にする事なく言う


「うん、そうだよ! 僕は怪人テッラ、よろしくね!」


直後、リーゼの身体に力が入る

この怪人の目的が何かはわからない、しかし、こうして自分達の前に出て来た以上狙いは間違いなくこちらを害することにあるだろう

ならば、ヴァラド家長女として自身のやるべき事は何か


無論、一撃の元に市民の敵を討ち倒す事だ


「風拳!!」


圧縮した空気により一瞬で怪人の前まで迫ると風の拳を構え真っ直ぐに丸い怪人の身体へ向けて振るう


打ち込まれた拳に纏わされた細やかな風の刃がテッラの身体を抉る



筈だった


「いったーい」


「え・・・?」


だが、そうはならなかった


打ち込んだ筈の拳は怪人の身体から生える柔らかい毛のようなものに阻まれたのだ

人型ではない異様な見た目、だが下級怪人としての特徴を有しているとそう思っていたのに、自身の拳が呆気なく防がれたという現実にリーゼの思考は止まりかけた


「・・・これ」


そこで彼女は気がつく

拳の表面をモゾモゾと動き回る感触の中に更に小さく蠢く何かの感触がある


これは毛ではない手だ、無数の手が彼女の拳を受け止めたのだ


「もう何するのさ」


「・・・! 動かない!?」


あまりの悍ましさに咄嗟に拳を引き戻そうとするが、無数の手の中に埋もれ掴まれた拳は幾ら力を込めようとも動かない


自身の迂闊さを呪いながらも焦っていると、彼女とは対照的にザワザワと腕達を動かしながら愉しげな声で怪人は話しかけてくる


「酷いよね、こんな事するなんて」


毛のように伸びた手を掻き分け怪人の灰色の顔が現れる


縫い付けられた瞼でリーゼを見つめ、三日月状に歪められた口を開き小さく息を吸うと囁くように呟く




「人を見た目で判断しちゃダメだよ」


次の瞬間、リーゼの腹部に衝撃が走る


「アガッ・・・ハァ・・・」


肺の中の空気が唾液と共に外へと飛散していきあまりの痛みに視界に閃光が瞬く


一体何が起こったのかと、次いで疑問が湧き起こるがなんて事はない


「あはっ、痛そう・・・大丈夫?」


彼女は殴られたのだ

丸みのあるシルエット、それを構成する体毛のような細い腕達の中に隠れていた腕により


ここで膝を折り激しく咳き込みながら彼女は自身の間違いに気がつく


「ひ・・・とがた・・・」


「うん! 僕人型だよ!」


人ならざるシルエットから下級怪人と思い込んでいたが、それは違う

かと思えば上級なのかと問われればそれもまた違う、上級であるならば先程の一撃で倒せていた筈だ


「あなたは・・・いったい・・・」


何者なのか、そう口にする前に怪人答えた


「さっきも言ったじゃん! 僕はテッラ!」


より深く笑顔を浮かべながら何でもないことのように、怪人は愉快そうに言葉を続けた


「8大罪のテッラ!!」

終の退魔師エンダーガイスターって知ってます?

めっちゃオシャンな感じのエクソシストの漫画なんですけど、なんかこうめっちゃおしゃんなんですよ

俺の口から語ったら作品汚しそうなので多くは語らないんですけど、絵がめちゃ綺麗で設定の作り込みもマジ最高でバトルなんかもうすごいんですよ

語彙消えてマジでもどかしい・・・

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