Dream of the Dead 3
登場人物
浅間灯夜:本作の主人公
ゼトア:冒険者ギルドの人事担当兼特別事案対策冒険者担当の銀髪丸メガネの男性、何やらマインと知り合いの様でトウヤの事で揉めていたが・・・
冒険者ギルドでは、今日も多くの冒険者達が仕事を求めやって来ていた
賑わうクエストカウンター、しかし、そんな中でも暇な部署というのは存在するのもである
「ゼトアさん、書類出来ました」
「ありがとう、確認します」
特別事案対策冒険者
ヒーローと称される者達を担当する部署ではあるが、素質がある者の少なさや他の部署とは違った毛色を持っている為、受付は他と比べると静かなものであった
人事を務めるゼトアが受付の女性から渡された書類に目を通していると、そんな閑古鳥が鳴いてる受付に1人の男がやってくる
「お待たせしました」
男の声に書類から目を離し受付へと顔を向けてみると、ふわりと笑みを浮かべながら立ち上がる
「調子はいかがですか、トウヤさん」
「まぁバッチリ、とは言えないですけど悪くはないです」
工房でのメンテナンスを終えたトウヤは、個人面談の為に冒険者ギルドに来ていた
個人面談とはヒーローのメンタルサポートとして実施されるものだが、面談と言っても殆ど雑談に近いものだ
応接室に通された後、最近の調子はどうか、仕事での悩みはないか、時折笑いを交えながら行われた面談
だが、その最中ゼトアが笑みを消して何か悩む様な仕草を見せると迷いながらトウヤへと口を開く
「その・・・本当に大丈夫なんですか? トウヤさん」
「えっ・・・と、何がですか?」
急なゼトアの変化にトウヤは驚き戸惑いながら聞き返すと、果たして聞いて良いものかと腕を組み一通り再度悩んだ後に、恐る恐ると言った様子で尋ねた
「いえ・・・お身体のことです」
身体、身体とはどういう事か
今朝方ボランティア施設でマインにも気遣われたが、自分は見ての通り元気である
多分ラーザ達の件があり心配をしてくれているのだろう
そう結論付けると腕を上方に曲げるフレクシングポーズを取りながら元気であると伝える
「俺は元気ですよ」
「・・・それは良かったです。最近色々ありましたから、もし辛くなったらいつでも言って下さい。幾らでも相談に乗るので」
「ありがとうございます」
何処までも此方を気遣う姿を見せてくれる彼に対して、トウヤは頭を下げ深く礼を述べる
本当に自分は良い人達と出会えたと、内心思いながら笑みを浮かべた
しかして、面談は終わりの時を迎えようとしている
もう殆どの質問を終わらせて時間もそろそろ良いくらいだろう、そう思いながら形式上の締めの言葉をゼトアが述べていると、何やら部屋の外が騒がしいことに気がつく
「何ですかね・・・?」
「わかりません・・・少し様子を確認して来ますね」
「あ、俺も行きます!」
共に立ち上がり騒ぎのする方へと向かうと、そこには受付の女性へと掴み掛かる血塗れの男と引き剥がそうとする複数の冒険者の姿があった
「なっ・・・どうしたんですか!?」
何事かと思い慌てて受付へと向かうと、此方を見つけたのだろう男は女性を離すと受付を乗り越えんばかりの勢いで身体を突き出し叫ぶ
「見つけた・・・アサマトウヤ!! 気を付けろ、組織の怪人がこの街に集まっている!」
唐突な男の声にギルドの中が俄かに騒がしくなる
「それ・・・どういう事だよ」
「理由はわからん、だが何かを企んでいるのは確かだ! もうかなりのかっ・・・」
焦りを感じさせながら発された男の言葉
しかし、その続きを聞くことはなかった
ギルド内に銃声が響き男の胸に風穴が空く
舞い散らばる血と共に受付へと倒れ込み青白い炎をあげて男の身体は燃えていく
「これは・・・」
目の前で起こった光景に周囲で様子を伺っていた冒険者達はたじろぐが、その中でギルドから去っていく見覚えのない男の背中を見つけた
「・・・! 待て!」
すぐさま男の後を追い、トウヤもギルドの外へと走り出す
ギルドの外にあまり人がいなかったということもあってか、男の姿は意外と早く見つけることが出来た
角を曲がり路地に入っていく男を追って行ったところで、トウヤは足を止め急ぎ建物の影に身を隠すと、同時に飛んできた弾丸が建物に当たり火花を散らす
「あぁ残念、外しちまったか」
聞き覚えのある声、角を曲がった時にチラリと見えた怪人の姿にトウヤは思わず苦い顔を浮かべる
「おぉい! 隠れてないで出て来たらどうなんだ? ヒーロー!」
怪人の叫びがこだまする
醜悪な叫び、思い起こされる嘗ての記憶からトウヤはブレスレットを擦り合わせた
「変身!」
『音声認識完了、アクシォン!』
身体に纏わりつく光を振り払いながら変身しフレアレッドへと姿を変えたトウヤは建物の影から出て怪人と相対する
嘗て戦ったカウボーイ風の怪人
ビヨロコとクーラの部下であり、学園で出会ったレオの仇
それと同じタイプの怪人が再びトウヤの前に現れたのだ
「やっと出て来たか、このままビビって出て来ないかと思ってたぜ」
あの時の怪人とは違う、そうわかっていながらも胸の内にざわつく感情が宿りそうになる
「お前が・・・あの人をやったのか?」
そんな感情を抑えながら、重苦しい声音で尋ねると怪人は一瞬考えた後に楽しげに答えた
「あぁそうだ、あいつは知っちゃならんことを知って、言っちゃならんことを言ったからな」
「なら、目的はなんだ?」
「目的・・・そうだな、それを聞きたいなら・・・」
言い切る前に怪人は両手に持つ拳銃を構えた
「無理やりにでも吐かせて見せろ!!」
「ならそうするよ、変身!」
『モードエボリューション! パ・パ・パ・パワード!!』
すぐさま取り出した道具を腰の突起に嵌め込み擦り合わせる
機械音声と共に纏わりつく光を振り払うと同時に引き金が引かれ、放たれた弾丸をフィーベルアローで撃ち落とす
こうして戦いの火蓋は切って落とされた
最近までX辞めてたんですけど、またちょくちょくインする様になって来たんですよねぇ
やっぱダメだ、あれ見てると気持ち的に落ち込む・・・