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25-2

今回超絶短めです

本当はもうちょっと書く予定だったんですけど、なんかくどくなりそうなので分けました

その日の夜

自宅のリビングでトウヤはスーラとの戦いに向けて準備運動をして身体をほぐしていた


ある程度身体を動かすと小さく「よしっ」と呟くと家の扉を開け外に出る


外は本格的に暑い季節になってきたと言う事もあり暑かった昼間と違い、心地の良い涼しい夜風が準備運動で少しばかり熱を帯びていたトウヤの肌を優しく撫でた


「あれ・・・」


家の鍵を閉め公園へと向かおうとした時、トウヤは家の前に誰かがいるのに気がつくと小さく驚きながらも声を上げる


「博士・・・なんでここに・・・」


目元はちょうど建物の影に隠れてしまい見えないがそこにいたのは確かにダーカー博士だった


これからラスと戦いに行くということもあり、少しばかり気まずげに思うトウヤではあったが、博士もまた家から出てきたトウヤに気がつくと身体をこちらに向けてくる


「行くのかい、あいつと戦いに」


ほんの僅かに声を震わせながら発された言葉

あいつ、というのが誰のことなのか、気が付かないトウヤではない


彼女の言葉に小さく頷きながらも返事をする


「あぁ・・・ラスを、スーラを倒す」


例え血は繋がっていなくともアイン・ダーカーという女性にとってはラスはかけがえのない家族である


罵られることも覚悟して小さく頷きながらも返事をするが、彼女から返ってきたのは罵りではなかった


「なら、気をつけていくんだよ、あんなのでも大怪人だ・・・手強いよ、きっと」


彼女の口元に何かを咥えると、その先端に向けて指先から出した火を近づける


ーー案外落ち着いているんだな


思わず口から溢れそうになった言葉を胸の内に留める


それと同時に彼女から吐き出された紫煙が、ゆらゆらと影から出てきて夜の街へと消えていく


「・・・トウヤ」


「・・・何ですか?」


「あいつは・・・父さんは、いつでも母さんの事が大好きでさ、いつもいつも母さんの為に街を良くするんだ、人の為に働くんだって意気込んでた馬鹿愛妻家なんだよ」


まるで何かを思い出す様にポツリ、ポツリと発されていく言葉をトウヤは静かに聴き続ける


「私達の誕生日の時も、私達の為にって母さんと一緒に仲良くケーキなんか作ってさ、ほんと砂糖を吐きそうになるくらい仲の良い夫婦だったよ」


タバコの火が口元からゆっくりと下がり、だらりと垂れ下がった指先から落ちていく


「もう・・・怪人としての耐久年数が、持たないって・・・なぁトウヤ、頼むよ・・・」


ゆっくりと不確かな足取りで歩を進め影から赤く腫れ上がった目元を露わにしたダーカー博士は、涙を流しながら懇願する


「父さんを・・・倒して、楽にしてあげて・・・」


愛した街の為にと、亡き妻の為にと、子供たちのためにと

怪人としての耐久年数ギリギリまで大怪人として戦い続けてきた父に出来るせめてもの恩返し


街を守るヒーローの有り様を彼に示して欲しいのだと彼女はヒーローに願うのだ


そんな願いに彼は拳を握り締める


「任せろ・・・!」


ラスからの言葉、ダーカー博士からの願い

どうしても戦わなければならない、決断しなければいけない状況が、トウヤに覚悟を決めさせた


力強く彼女の答えながら、トウヤはすぐさまその場を後にする


ダーカー博士は走り去っていく彼の背中を真っ赤にした目を向けながら見送るのだ


前回あとがきで書きたいって言ってたこと思い出しました


本小説は悪の分類を2種に分けてます

倒される覚悟のある悪=悪

スーラ一派みたいに悪事を為したのだから倒されて当然であるみたいな覚悟をしてる人は悪になります

もちろんこの悪の中にも、無辜の市民を殺しまくった極悪とか色々分かれてますけど、基本覚悟してる者は悪にしてます


一方で覚悟のない悪=邪悪としてます

ビヨロコとクーラみたいに、悪事を働いていると認識しておらず覚悟をしてない者たち

例えば倒されたり捕まる直前に許しを乞うたり、悪事を働いて尚自身の正当性を訴えようとする者たちを邪悪としてます

もちろんリアルだと時と場合により変わりますけど、怪人に関しては何かしら悪事を働いている場合が多いので基本この2つに分類されます

まぁそうでないのもいますけどねぇ

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