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偶像 5終

最近「クラス最底辺で売られた俺は、実は最強パラメーター」って漫画買ったんですけど、これがもう読みやすいのなんの


展開と話がわかりやすいし、よくある王道のロボット冒険譚で言うなれば初代ゾイドみたいなイメージなんですよ


さらさら読めるからもう1巻終わりか、2巻終わりかであっという間に7巻まで行っちゃいました

よくある異世界転移ものではあるんですけど、ここまで話作れるのマジすっごい

街の南門付近はライブ帰りの客で賑わっており、一仕事を終えた彼らもその喧騒の中にいた


「嘘だろ・・・お前ら・・・!」


卓上でワナワナと拳を震わせながらラーザは苦虫を噛み締めた様な声を漏らし、その隣に座るシスもまたショックを受けているからか声を発する事はない


重い空気が2人を包む

そんな彼らを見て茜はまるで理解できないといった様子で呆れ果てている


「サイン程度で大袈裟な差じゃない?」


「馬鹿野郎! サイン程度とはなんだサイン程度とは!」


「そうよ! ウツコウは歌唱業界を席巻する歌手ユニット、そのサインをもらえるなんて・・・しかも見せびらかされるなんて悔しいじゃない!!」


外に設置された丸テーブルに座りながら、手に持つジュースの入ったジョッキを強く握りしめて悔しがる


「いや、見せびらかすなと言われてもな・・・なら、いるか?」


「いや、それはいい」


「サイン貰うなら自分の手で貰うし」


気を使ってセドが渡そうとすれが彼ら自身のこだわりがあるのだろうすぐさま拒否してくる2人に、何とも言えない感情になってしまう


そんな彼らの様子を眺めていた雫が、咀嚼していた串焼きを飲み込むと不思議そうに言った


「でもなんでスーラ一派の怪人があの2人を狙ったのかしら」


「組織にとって、邪魔だから?」


「確か組織からの命令らしいが・・・、何か詳しい事は言っていたか?」


セドが怪人の言っていた事をトウヤに尋ねる


「え、あぁまぁ・・・特には・・・聞いてないです」


僅かに反応が遅れながらも彼から返ってきたのは何処かぼんやりとした生返事だった


折角の仕事終わりの飲み、いつもの彼ならばラーザとシスと共に大いにはしゃぐのだが、その何処かぼんやりとしたおかしな様子に気がつくと皆がそれぞれ目を合わせ首を傾げる


「どうしたの、悩み?」


「・・・いえ、あの怪人が他に何か言っていたか考えていただけです」


何かを思い詰めたのだろう顔をしながらも返事をするが、フィリアの考えは当たっていた。彼は悩んでいるのだ


本当にラスを倒すべきなのか

あそこまで慕われていて法で捌けぬ悪を捌く者を倒して良いのかを、今日の戦闘で改めて考えさせられたのだ


「本当に何もないのか?」


「大丈夫ですよ、ほら飲みましょう! まだまだ酒はたんまりありますし!」


そんなトウヤの様子が気になりセドが心配そうに声をかけるが、何でもない様子を浮かべてセドの空になったグラスに酒を注ぐ


時間とは残酷だ

村に行く前にすぐにその事について考える時間があればセドとフィリアに相談していただろうが、ある程度時が立った今では相談し辛くなってしまい、様々な出来事を経験して判断を鈍らせ迷い続け焦りすらも感じ始めていた


その結果大怪人を2体倒した自分が大怪人の討伐の判断して行うべきなのだと、慢心にも似た強迫的な感情へと変異していったのだ


未だ社会人として未熟な彼は、朗らかな飲み会へと戻った雰囲気の中で悩み続けていた










事件後のライブ会場では、ヒーローが事件を解決してくれたという事もあり皆が安心しきってひと段落ついていた


ウツツとコウの2人も明日の予定を確認しながら夕食を取るために楽屋に戻ろうとしていたのだが、そんな彼女達が楽屋の扉を開けると先客の姿が目に入る


「お待ちしておりました」


「あれ? 町長・・・さん?」


「どうして町長さんがここに?」


開け放たれた扉をゆっくりと閉じながら、何故か部屋の中にいたラスと秘書であるイダチに、困惑して僅かに怯えた様子を見せながら恐る恐る口を開く


「あの・・・何かご用ですか?」


コウがそう尋ねても2人は何も答えない

ただウツツとコウを黙ってジッと見つめていた


そうして扉が締め切る音が聞こえてから漸くラスは口を開く


「如何でしたかな、アサマトウヤは」


その問いかけにウツツとコウは熱の籠った笑みを浮かべる


「最高だった!」


「そうねぇ、結構可愛かったし・・・あの技術は私たちも欲しいわね」


先程とは雰囲気が変わり、堂々とした立ち振る舞いになったウツコウの2人は楽屋内の椅子に座るとラスを楽しげに見上げる


「でも残念だね、やっぱりアレは処分した方が良いかも」


「イアの反応が消えたのも考えると、やっぱり倒されたと考えて良いだろうし・・・そうね、組織やクヨキシの言う通り処分した方が良いかもね」


「ねぇ、それなら一緒になって情報共有しない?」


「他の子達も気になってるだろうし・・・そうね、そうしましょうか」


そう言うとウツコウの2人は互いに身を寄せ合い顔を近づける

するとまるで、2人の顔は液体の様に何の抵抗もなく混ざり合っていく

額から顔全体が混ざり合い、そのまま滑らかな肌の手足も胴体も全てが混ざりひとつとなっていき不定形の液体の塊へと変異していく


そうして液体は人の形となり現れたのは1人の黒い髪を伸ばした女性


顔も身体つきもウツコウの2人と同じ姿をした女性を見て、ラスはとある事に気が付き声を出す


「おや、ウツコウ様今日は黒髪ですかな」


そんな彼の問いかけに彼女は素っ気なく返事をする


「気分的にハイライト入れる気分じゃないしね」


言いながら伸びをしてから立ち上がると、身体を軽く動かし不調がないかを確かめる


そうして再び椅子に座ると真っ直ぐにラスへと顔を向けて冷たい笑みを浮かべた


「それで? 君はいつ動いてくれるのかな?」


何故か計画がバレてベオテ村にいる自身のわけ身であるイアが封印されていた異形共々撃破され、前の会合では計画を練っていると言っていたのに一向に動こうとしないラスに業をにやしていた


だが、その当の本人であるラスからの返答はすぐに返ってきた


「明日にでもフレアレッド、アサマトウヤの首を差し出しましょう」


巨星動く

街を長年に続き守り続けていた大怪人スーラが今動き出した


それは奇しくも転換点になるとは、誰も今はまだ思いもしなかったのだ

仕事をしながら投稿ペース維持しようとするのむっずい・・・

マジで次はもっと早くなる様に頑張ります

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