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異世界に行ったらヒーローになったSO!  作者: 門鍵モンキー
第一章 異世界に行ったらヒーローになったSO
14/205

ベガドの危機!?魔王軍襲来! 3改

長いねぇ長い


『砲撃を開始せよ、繰り返す、砲撃を開始せよ』


「野郎どもぶっ放すぞ!撃て!」


指令が届いた瞬間、各砲台が攻撃を開始した

砲術士が砲台の拉縄を引っ張ると砲台内部の術式が瞬時に起動し、砲身内に砲弾を形成する

砲弾の形成が開始した少し後に射出術式が起動し、砲弾生成地点下部から指向性爆発魔法が発動された

爆発魔法は砲弾形成が終了すると同時に起爆し砲弾を一気に前へと押し上げる

この間凡そ1秒であった


雷の如き砲声が鳴り響き、砲撃の衝撃により砲台そのものが僅かに跳ね上がり壁の上に累積した砂塵が舞う

複数の砲台より目標を打ち砕かんと数十発の砲弾が打ち出され、真っ直ぐに軍勢の真っ只中へと飛び込んでいくと激しい着弾音と共に地面を抉り掘り返し土煙が上がる


砲弾が直撃した丙式ゴーレムの岩の身体は砕け辺り、舞い上がった土や岩と共に辺りへと降り注ぐ

周辺にいたスライムローパーの柔軟でいて硬質の身体は着弾時の衝撃や石礫により撓み、身体を構成するジェル状の魔力が引きちぎられ核たる魔結晶が破壊されて地面のシミとなる


そして、着弾が確認されたと同時に2射目が放たれた

それから繰り返し何度も降り注ぐ砲弾の雨により何体も吹き飛び破片を散らせ、地面のシミとなっていく


そんな状況の中ですら意思のない魔術兵器たるそれらに五感はあれど恐れの感情はなく、命令の通り動く人形である

ただ前へと進み、己が敵を踏み潰し、殴り殺し、溶かし殺すまで止まらない

そして、それを理解してるが故に兵士たちは容赦しない


繰り返される砲撃、それでも数倍の戦力差にモノを言わせ前へと進み続け




突如として光の壁に阻まれる


「ボギー、第一結界に衝突」


「全歩兵隊へ通達、攻撃せよ」


壁の中腹に空いている銃座から、軍用ライフルを覗かせていた歩兵隊が攻撃を開始する

ライフルの撃鉄を引くと、生成された15.5mmの弾丸が防御結界により足止めされてる敵へと無数に迫る

着弾した弾丸はゴーレムの腕を別ち、強固な岩の胸部を抉り制御核を破壊し、柔軟でいて強固なスライムの身体を易々と貫通した


防衛は成功しつつある

戦力は相手の方が多いが結界による防御、都市からの攻撃によりその数を確実に減らして行っている

唯一の懸念点は未だに姿を見せてない高魔力反応源、大型種の魔獣ムロイの存在であった


ムロイ

大型種に分類される植物系の魔獣であり

その大きな特徴は植物種特有でもある黄緑色の植物としての姿を残した巨大な体躯と、顔に当たるひまわりの様な頭から照射される高温の熱線である

鋼鉄の城門も容易に昇華させる強力な熱線砲

だが、昔ならともかく今ならば都市の防御結界で防ぐ事ができた

ならばこちらは防いでる間に大型種を倒せば良いだけの簡単な仕事であり、逆に言えば何故それなのに攻めてきたのか?という疑問が改めて湧いてくる

わざわざ攻めてくるのに何故この程度の規模なのか


「気になりますか?」


「あぁ、やはり気になるな、敵の狙いが」


司令官がそう答えるが、補佐官もまた気になっていたのだ

やはりこの編成には違和感があると、ドロリとした不快な疑惑は不安へと姿を変える


陽動の可能性を考え、聴音班へと声を掛けた


「地中から何か音はするか?」


「いえ、特に気になる音はありません。ただ強いて言うならモグラの動きがいつもよりも激しいくらいですかね?」


観測員の1人が気になる発言をしたのを聞き、司令官が僅かに眉を顰める

モグラの掘り進める音が聴音機に察知出来るほど聞こえるのは珍しい事ではあるが無いわけではない

だが、それは射撃音から離れているのか、右往左往しているのか、近付いてくるのか、どの様な動きを取っているのかによりその意味合いは変わってくる


「モグラの動きについて、詳しく聞かせてくれな・・・」


「森から高魔力収束反応確認!魔力濃度・・・む、紫!」


「紫・・・紫だと!?」


魔力濃度とは文字通り魔法発動時に使用される魔力の濃度であり、それにより魔法の威力が変わる。

種別として使われるのは炎の色温度で、赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫、の6種である

その中で最も魔力濃度の濃い紫の反応が出た事に司令官は驚く

本来であればあり得ない事象、ムロイの最高濃度として記録されているのは城門破壊時の白であり、そもそも紫という濃度は歴代勇者と歴代魔王以外では確認された記録が無い


止まりかけた頭を振るい、目の前の現実を直視する

今のままでは確実に防御結界を貫通し街が跡形もなく蒸発する

立ち上がりながら司令官は叫ぶ


「都市への魔力供給停止、第三結界に魔力を集中させろ!」


「もうやってます!あぁくそ!ダメです!間に合いそうにありません!」


『第3小隊からHQ、撤退許可を・・・森燃えてる、地面が溶けてるんだよ!』


『セイバー1よりHQ砲撃許可を、今のうちに倒さないとやばい事になりそうだ、俺たちならあそこまで届く!早くしてくれ!』 


普通ならばあり得ない事態に司令部は阿鼻叫喚の渦に支配される

都市からは第3結界への魔力供給の為に、都市の生活魔力が途切れ、家屋保護用結界や噴水が止まり、地下シェルターや家屋から光が消えた

その混沌をもたらした原因は森にいて、その存在は遠く離れた壁上からも目視で確認できた

出来てしまったのだ


数キロ先の森が突如として燃え上がった

激しい真紅の炎が徐々に、だが燃え移るには早すぎる速度でその範囲を広げていく

強すぎる炎の勢いにより影の様な真っ黒な黒煙が空へと上がる

そして、森の淵に当たる地面が赤熱化し蕩けているのだ

だが兵士たちを怯えさせるのはそれでは無かった、それ自体が怯える原因なのでは無いのだ

黒煙の奥に隠れながらも激しく存在感を示す膨れ上がった怪しく輝く紫の光、森の惨状を作り出したその光こそが怯える原因であった

その光はやがて徐々に真ん中へと収縮していく、まるで自分たちの残りの時間を示す様にじっくりと


「魔力収束を確認、来ます!」


直後、時が止まる感覚がする

実際に止まったのでは無い、認知が止まったのだ、事故に遭う直前に全てが遅く感じる様に


そして、眩い光と激しい振動と共に兵士たちは認識する

光の線が城壁を穿つ光景を、高熱を含む光により友の身体が焼け、燃え上がる光景を

頼もしく思っていた150mm榴弾砲が溶けほつれていく光景を、街を守っていた城壁がまるで泡の様に光により裂け消える光景を

地球防衛軍6の空軍が調子に乗ってる時のBGM聞きながら考えた話だから余計に長い

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