呼び起こされる太古の獣 3
そいやフレアレッドの元ネタって天体戦士サンレッドなんですよねぇ
あれのアニメ版OPと内容のギャップに脳を焼かれてました
本当ならサンレッドみたいな物語にしたい!って思ってたんですけど、鎧武好きだからそっちイメージして描きたかったのもあって、めちゃくちゃ相性悪く感じたからやめたんですよねぇ
休み前の週末ブーストとか、色々ネタ考えてたんですけどね
今考えたらやらなくて良かったなって、くぼたまこと大先生みたいにオモロイギャグ作品書けないと思うので・・・まぁだからと言って虚淵大先生みたいな作品作れるかって言われると無理ですけど・・・
だからと言って覚悟のススメの影響で決闘前に口紅塗ったりとかするってなんでなんだよって感じですけど・・・
カツンカツンと靴音が反響する
掌から出した火の光を頼りに、遺跡の少し肌寒く感じる薄暗い通路の中をトウヤとマインの2人は歩いていた
道中は怪人や戦闘員達との戦闘は無いが、なにぶん薄暗い通路故か嫌な雰囲気を感じてトウヤの足取りは重く、スムーズに進めているとは言い難い
そんな慎重すぎる足取りからか、度々気を使ってマインは「先頭を変わりましょうか?」と尋ねて来たが、その度にトウヤは「いつ怪人と遭遇するかわからないので、俺が先に行きます」と言って断っていた
「あれ、これって・・・」
歩いていると、壁沿いに出て来た壁画と文字に気がつく
手のひらの火を壁に近付けてみれば、壁画には何者かと戦う男の姿が描かれていた
「あぁそれは恐らく勇者フェイルと原初の魔王の戦いを描いた壁画ですね、此処を作った者が書いたのでしょう、ほらそこに解説があるでしょう?」
そうマインが指差した方向を見てみれば、確かに壁沿いに高札の様な物が立てられていたが、トウヤとしてはそんな事よりも気になる事があった
ーーこれ漢字・・・? いやなんか英語とかハングルとか色々混じってないか?
壁画に描かれた文字、それは明らかに見覚えのある物だったのだ
様々な国、それも自身の元いた世界の国の文字がまるで子供の考えた暗号文の様に入り混じり書かれていた
驚きと共に高札へと目を向けてみればこう書かれている
勇者フェイルの伝えた異界の文字を此処に記す。彼が戻って来た時、彼が自身の功績を忘れない為に
「・・・? これ、どういう事だ?」
書いている内容に思わず頭を捻ると、マインが微笑みながら彼の隣へとやって来た
「勇者フェイルはね、何というか不安定な存在だったんですよ」
「不安定・・・?」
「そう、彼はひと月毎に記憶を失っていたんです。恐らく強力な女神の加護による副作用と思われていますがまるで別人の様になっていました」
「なら、この文字も・・・?」
「はい、喋る言葉は我々と同じなのに文字を書くときは異世界の文字で、それも文体も意味も異なる物ばかりでひと月毎に異なっていました。ただ異世界の勇者達の協力もあり最近になって漸く意味を理解する事に成功していますが、それまではもう何を書いているのかさっぱりでね」
まるでその場で見て来たと言わんばかりの早口で、懐かしむかの様に笑いながらマインは語る
「でも、そんな彼ではありましたが何だかんだ原初の魔王を討伐して世界を平和にしたのですから大した物ですよ」
「へー・・・なんか詳しいですね」
「そりゃもう私は彼の大ファンですからね、彼に関する歴史書は何度も読み返しましたから」
「あぁなるほど」
この人もオータムと同じタイプの人かと納得すると、彼がなんとも近寄り難いオーラを発しているのがわかる
何処となく獲物見つけた肉食獣の様な、沼に浸かったオタクが新たな獲物を見つけたかの様なそんなオーラを
「良かったら貸しましょうか?」
「いや、良いです。行きましょう!」
このまま此処にいるのは不味いと感じ、トウヤは先を急ぐのであった
「残念、フラれましたか」
先に進んでいくトウヤの背中を見つめながらもマインはボソリと呟く
「まぁ良いでしょう」
そう言って、僅かに頬を歪める
ーーどうせ、嫌でも感じる事になる
それから暫く廊下を歩いていけば、目の前に最奥と思わしき開けた空間が見えてきた
2人は目を合わせると急いで戦闘体制を取る
ブレスレットへと魔力を送ると機械音声が遺跡の廊下にこだました
『空間魔法、アクティベート』
「変身!」
『音声認識完了、アクシォン!』
降りて行った数からして集団戦になるのは間違いなく、どうせ戦うのであれば閉所の方がやり易いとの判断からだったが、声が響いたにも関わらず物音ひとつ聞こえてこない
「あれ、どうなってるんだ・・・? ってマインさん!?」
その事を疑問に思い小首を傾けているとマインが鼻息を荒げながら笑顔を浮かべ駆け足で奥の部屋へと進んでいく
何事かと思い慌ててトウヤも追いかけて部屋に入るが、そこで見たのは異様な光景だった
「な・・・ん・・・、おい! しっかりしろ!」
部屋の中には先程降りて行った人数よりも多くの戦闘員と怪人が倒れ込んでいた
その姿にトウヤは驚き声をかけるが、どれだけ揺すっても起きる気配はない
「ここで一体何が・・・」
「間違いない・・・起動している!」
興奮した様子のマインの声に反応して顔を向けてみれば、彼は部屋の奥に展開された仄暗い光を放つ術式に食いつかんばかりの勢いで顔を近付けていた
「これは・・・まさか分体の、そうか再転の教会の・・・ならばこいつの起こし方も・・・!」
「マインさん・・・?」
あまりの様子にトウヤが声を掛けてみると、マインは彼へと振り向く
狂気的な笑みを浮かべていた。まるで何かを待ち望んでいた子供の様な表情
「灯夜さん、もうすでに術式は発動しています。これは・・・すごい事ですよ! 私達には解除できなかった術式を彼らは成し遂げたんです!!」
「それは・・・いったい・・・、それに先に来ていたこいつらは・・・」
「あぁ、その方達は恐らくもう死んでいます。こいつの贄にされたんです」
こいつ、その言葉が何を指すのかわからない
ただマインが術式に手を当てながら言ってはいるが、確実にその事ではない
もっと別の術式に潜む何者かに向けて言っているのだ
その事に気がつくとトウヤの背中に寒気が走る
このままではそいつが外に出てくる。それだけは止めねばならないと本能が告げたのだ
「マインさん・・・取り敢えずそこから離れて・・・、なんかやばい気がします」
ゆっくりと立ち上がりそう告げると、マインはより恍惚とした笑顔を浮かべる
「そうですか・・・わかりますか、この存在が何なのか!」
「わからないです。わかりたくもない、だから・・・離れて・・・頼むから、今すぐ離れて・・・離れろ!」
頭の中で本能が警鈴を鳴らし続けトウヤの中で焦りが生まれ語気が荒くなるが、そんな事を気にする余裕すら今のトウヤにはない
仄暗い術式は尚も光を発して部屋の中を青白く染め上げていた
「大丈夫です。そう焦らないで、この術式は私では解除出来ませんから・・・」
「あんたが何言ってるのか俺には理解出来ないよ! 良いから早く離れろ!」
動悸が強まり心臓の音がバクバクと音を立てていた
今すぐにここから離れたい、まだ此処に来たらダメだったんだと頭の中で思考が巡る
すぐさま離れたい一身で、マインを術式から引き剥がそうと彼へと向かい駆け出し、腕を掴み引き剥がそうとした時だった
術式に近付くと彼の身体は一瞬硬直しそのまま足がもつれて倒れ込み術式へと手が触れたのだ
瞬間、強い振動と共に術式は光を強めていきバラバラに砕け散り、1匹の獣を呼び起こす
ーー我は裁定者也、我が見る夢は父が夢也、人有らざる者の理想郷也、故に
人類は無用也
あと最近マイクラのアニメーション動画で、海外の人が作ってるAlex and Steve Life ってのにハマってるんですよ
紫アイコンの人のとか作り込みが良くて、声無しですけど良いんですよねぇ
短編映画見てる気分になれてめっちゃ良き