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呼び起こされる太古の獣 2

思い出した

大怪人麾下の怪人にはそれぞれ特徴があり

ビヨロコ、クーラ:楽しむ、遊ぶ事を行動理念として活動する

スーラ:怒りを行動理念として活動する

と言った具合です

もちろん、そこに理性のブレーキが掛かるか掛からないかもあるので一概には言えませんが、大抵はこんな感じです

最初の怪人戦で怒りのまま広場に突っ込んだのはこれのせい

もっと遊びたいと述べて爆散したビヨロコ、クーラ麾下の上級達はこれのせいって感じです


上級とかランクが上がれば知能指数も上がりますが、基本反乱防止処置による感情の起伏の増大とかのせいでたいして変わりません

言ってしまえば感情に思考が左右されやすい感じ

強いて言うのであれば、上司が誰かによっては大きく変わります


また怪人の思考の元ネタはとある作品の二次創作キャラをベースにしてるので自己愛強めですが、これも教育担当の上司によって変わります。


いやほんと、あれ生態系とか結構凝ってるのとかあって作者様の頭どうなってるんだとビックリする作品あるんですよねぇ


基本下級〜親衛までは量産怪人で、大怪人以上はワンオフです


一応この設定で言ってるつもりで書いてますが、書いてなかったら・・・悲しす、気をつけます・・・

周囲の警戒をする為に地上に残った無貌達は、仕切りに首を動かして辺りを見渡している


「この木偶の坊、本当にここに置いていて良いのか? 辺りを走らせた方が良いだろ」


村民に扮した男が、立ち止まり首を振る無貌の頭を叩きながらそう言うと、傍に立つ女が呆れた様な声を出す


「それじゃ此処に私達が居るのがバレるでしょ、それにそいつらが行ったところで村に来た連中の足止めにもなりゃしない、頭使いな」


「んだと・・・!」


女の要らぬ棘のある言葉に腹が立ったのだろう、男は女へと詰め寄ると見下ろしながら睨み付ける


「お前喧嘩売ってるのか?」


「やだやだ、喧嘩っ早くて嫌になる。あんたそれでも上級?」


「何だと・・・このクソアマ!」


「何だいやるのかい木偶の坊!」


もはや売り言葉に買い言葉

止まることのない怒りに、2人は自身の仕事を放棄して睨み合う


そんな最中、何かが倒れる音と共に漂って来た焼ける臭いに顔を顰める


「なんか変な臭いがしねぇか?」


「そうね、それに倒れる音も」


何か嫌な予感を感じ周囲を見渡すと、頭に大穴が開きブスブスと黒煙を上げ倒れる無貌の姿が見えた


「戦闘用意!」


「おう!」


掛け声と共に人間体から怪人体へと変わろうとしたが、その瞬間背後に降りて来た何かにより首を刎ね飛ばされる結果となった





フレアシューターを呼び出したトウヤは、最後の無貌を撃ち抜くとふぅと息を吐く


「あれで全てか?」


「そうだね、今撃ったので最後、怪人はお姉ちゃんが倒した」


身体強化魔法で視力を強化したサラが周囲を見渡しながらそう言えば、トウヤはフレアシューターを収納しながら立ち上がる


彼らの作戦としてはフィリアが上空から近付き一気に村人に扮した怪人を討ち、トウヤが離れた位置から戦闘員を倒すというものであったが、怪人が仲違いを始めたのでこれを好機と捉え作戦を繰り上げたのだ


結果としては上々であり、地上に残っていた敵を排除する事に成功した


「フィリアさんお疲れ様です」


怪人を倒しトンファーダガーを収納する彼女へと声を掛けた


「うん、お疲れ様・・・どうしたの?」


「あぁ・・・いえ、怪人って人間体のままだと爆散しないんだなって思って・・・」


傍に血を流しながら倒れる怪人に気が付きトウヤは少し顔色を悪くしながら言う


ーーわかってはいたけど、やっぱり慣れないな・・・


自分が相手をしているのは改造された子供であり、詰まるところは人間である

ならばこそ血も流れるし、そんな人間の命を奪う罪悪感というのも無いわけではない


「やっぱり、俺たちが相手してるのって人なんだなって思うと・・・なんかいたたまれない気持ちになります。ダメですよね、こんな生半可な覚悟じゃ・・・」


「良いと思う」


「え・・・?」


まさか肯定されるとは思っておらず、トウヤは思わず聞き返すとフィリアは怪人達の亡骸を見つめながら、無表情で言う


「怪人だから、そんな免罪符で人の命を簡単に奪えちゃダメ、覚悟と狂気は違う、それで良い」


「フィリアさん・・・」


「正義は人を狂わす、覚えておいて」


正義という免罪符は時として人を狂気に走らせる

正義の為ならば何をやっても良いとなれば、その行く先は正しく地獄だ


世の悪党と呼ばれる人達も正義を謳い地獄を作って来た。それ故に正しさだけを免罪符にしては行けないのだ


嘗ての正義の味方を作った人々の言葉を思い出す


ーーやっぱどこに行ってもヒーローは凄いな


そう考えると、トウヤは小さく笑う


「はい、ありがとうございます。フィリアさん!」


ならばこそやはり俺は正義の味方になろう

前を向き正しく生きようとする人たちの味方に


その意思を持って返事をすると、フィリアもまた彼の意思を感じ微笑みを浮かべ頷くのだ


「お姉ちゃん、トウヤ! 何してるのこっちだよ!」


そんな彼らに向けて声が投げかけられる

見ればマインとサラが、先ほど怪人が入って行った地下への入り口の近くで手を振っているのが見えた


「おー、すぐ行く」


彼らは軽く返事をすると2人の元へと向かう


「来ましたね灯夜さん」


「マインさん、罠とかってありますか?」


トウヤの言葉にマインは首を横に振るう


「いえ、特には何も・・・至って普通の遺跡です」


「そっか・・・あいつら一体此処で何を・・・」


思い起こされるのは先の戦闘でイアとよ会話である


ーーでもあったんです。世界を救う希望が!


狂気に満ちた笑顔を浮かべながら発されたあの言葉の意味を考えようとしたが、そんなものはいくら考えたところでわからない


そんな思い悩むトウヤの姿を見て、フィリアもトウヤの話を聞いた時から気になっていたのだろう、ひとつの提案をしてくる


「中の調査、しようか」


「そうですね、何があるかわからないですけど先に入った怪人の動向も気になりますし・・・行きましょう」


「なら、私とトウヤで中に・・・」


「いえ、まだ周辺に怪人の残敵が残っているかも知れないので灯夜さんと私で行きます。フィリアさんはサラさんと一緒に残っていて下さい」


彼女の言葉を遮る様にマインが言葉を被せて来て一同は驚く


「マインさんが? 無茶です。中にはまだ怪人がいるんですよ!?」


「大丈夫です。自慢では無いですが私はある程度歳を重ねたエルフです。あの程度の相手を倒す手段は幾らでもありますし、親衛怪人が出ても灯夜さんの援護くらいなら出来ます」


「でも・・・」


「安心して下さい、此処は私が行きます。フィリアさんはサラさんを守ってあげて下さい」


いつもとは様子が異なり、強い語気で頑なに意見を変えようとしない


そんな様子を不審には思うが、逃げて行った村人に扮した怪人の数が確かに少なかった事もあり、一同はその提案を受け入れる事にした









遺跡の中へと降りていくトウヤとマインの姿を見つめながら、男は目を細める


「遂にこの時が来たか・・・」

今回短めに出来そうかも?

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