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第23話 呼び起こされる太古の獣

登場人物


浅間灯夜:本作の主人公、20歳の新卒社会人だったが突然異世界に来てしまう


フィリア・リース:トウヤの先輩ヒーローで、ベオテ村出身の少女、年齢は18歳


サラ・リース:フィリアの妹、トウヤが異世界に来た時に助けた少女、年齢は16歳


マイン:ベガドの街にある教会の神父、年齢不詳、噂では街が出来た時からいたらしい

まだ薄暗く朝霧の立ち込める森の中を、4つの人影が進んでいく


夏とは言え夜が明けたばかりの森の中、半袖の服を着て来たがほんの少し肌寒く感じ、トウヤは腕を擦る


「遺跡ってこんな森の中にあるのか?」


「そうだよ、まぁ村からは近い方だけど・・・寒い?」


「まぁ多少・・・」


トウヤがそう言うと、サラはポーチの中から札を出しトウヤに手渡す


渡されたそれを見ると和国の札であるのがわかる


「これは?」


「カイロっていう札で、身体をあっためてくれる奴だって、流す魔力の量で温度を調節出来るみたいだから使って?」


「おお、ありがとう」


カイロ、その名前から勇者由来の物だろうかと思いながらも服を捲り貼って魔力を流すとほんのりと熱を帯び身体全体が暖かくなって来る


「スゲェ、あったけぇ・・・」


「サラ、またポーチに入れっぱなしにしてたの?」


「違う違う、お客さんの中にも寒いっていう人がいるから常備してるだけだよ、もう昔とは違うんだからそんな事はしないよ」


昔の事を言われ、思わず苦笑しながらも振り返るサラにフィリアは「そっか」と言う

いつもながらの無表情ではあるが、微笑んでいるとは言わなくとも、トウヤにはほんの僅かにその表情が明るく見えた


「やっぱり・・・2人は姉妹なんですね」


「え、何? 急に・・・?」


「いや俺も弟が居たからさ、懐かしくて」


「弟・・・?」


トウヤの言葉にフィリアは怪訝な表情を浮かべ自身の記憶を探る


「妹、じゃなくて?」


「え、弟ですよ? ちょうどサラくらいの歳かな? うち父子家庭だったけどほんと素直に育ってくれて・・・」


「へー、それで私たちを見て懐かしくなったと」


「そうそう、今頃何してるのかな」


今はこの場にいない家族を思い、何処か遠い目をしながらも溢れ出た記憶の波を整理していく

そこでふと、ひとつ気になる事が出て来た


「そういえばサラとフィリアさん、何で髪色がそんなに違うんだ? どっちか銀髪だったのか?」


自分も弟も同じ黒髪で似た特徴を有していたが、サラとフィリアは髪色も茶髪と銀髪、顔の特徴も異なりまるで姉妹とは思えない


そこまで考えると、トウヤは気が付き思わず「あっ・・・」と声が漏れる


「ごめん、これ聞かない方が良かったか・・・」


「え? あぁ、大丈夫大丈夫! 別に気にして無いし、その・・・うん、トウヤの考えてる通り私達本当の姉妹じゃないの」


「サラが産まれる前に、家の前に捨てられた」


サラに続く様に語られたフィリアの言葉にトウヤは息を呑む


ーーやっぱ聞かない方が良い話じゃ無いか?


幾ら良いと言われてもやはり聞いて良いことと悪い事はある

内心頭を抱えながら自身の軽率さを後悔して何とか言葉を選ぼうとするが、それが余計に気を遣わせたらしい


「あぁ大丈夫だって、私はそのおかげでお姉ちゃんと会えたんだし」


「ごめん、俺そんなつもりじゃ・・・」


「皆さん、どうやら着いたみたいですよ」


慌てた様子で気を使い言葉を発したサラにトウヤが声を上げた時だった。遮る様にして先頭に立って歩くマインが声を上げたのだ


彼の言葉に促され前を見れば、視界の先には異様に切り拓かれた森の境目と少し離れた所に石造りの何かが見える


「あそこが・・・」


歩いて近づいて見ると、それが遺跡だということがわかり立ち止まるマインとフィリアの側を通り、森を抜け遺跡に更に近づこうとした時だった


彼の前にフィリアが腕を伸ばし行く手を遮る


「待って」


「どうしたんですか・・・って、あいつら!?」


遺跡の中を彷徨う複数の人影が目に入り声を荒げる


そこにいたのは組織の戦闘員と村人に成り代わっていた者達だった


「村にいないと思ったらこんな所に!」


「そうですね、ただ・・・数が少ないですね」


「確かに、何をしてるの?」


マインの指摘通り、そこにいたのは村人の半分にも満たない人数であり、何やら仕切りに手に持つ時計へと目を向けては、ウロウロと動き回り苛立っている様子を見せていた


そんな彼らを観察していると、不意に数人の村人もどきが戦闘員を伴い遺跡の中、地下へと通じる階段を降りて行く


「あれは・・・まさか・・・」


それを見て思わずマインは口元が緩むが、すぐさま手で隠す


何やら知っている様子の彼にトウヤが尋ねた


「何か知ってるんですか? マインさん」


「あぁいえ、あそこは確か遺跡の祭壇が祀られている場所ですよね?」


「うん、確か・・・戦いの後に作られた慰霊碑が置かれてた筈だけど・・・何やろうとしてるんだろ」


わざわざ戦闘員まで引き連れて降りて行くからには何かある筈だと3人は思った


ならばこそ、やる事は単純明快である


4人は作戦を立てると準備を始めた

あとがきどうしよ

なんか書きたい事あった気がするけどな・・・何だっけ?


第三勇者がベッセマー法を伝えて、より強固な鋼の作り方を伝授したとかやったかな?

それともヒューアンドクライから如何にして警察組織の始まりについてやったかな

忘れた・・・

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