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止めろ!ベオテ村拠点化計画!6

登場人物

浅間灯夜:本作の主人公


フィリア・リース:本作のヒロインのつもりで書いてます


マイン:本作の万能神父枠


篝野:トウヤがベガドの街に向かうバスの中で出会った無精髭の男、意外と綺麗好き

だが自分の見た目には無頓着

トウヤ達を遺跡へと運び込もうとしていたイアは、突然扉を開けて入って来た篝野の姿を見て驚く


「あなたなんですか、勝手に人の家に入って!」


「いや、ここあんたの家じゃないだろ・・・」


呆れながらもそう答えると、イアの様子などお構いなしに家の中にズカズカと上がり込み引き摺られるトウヤ達を見下ろす


「それより・・・何やってんだよお前ら、全部終わったぞ」


この男は何を言ってるのかと、イアは困惑するが篝野は言葉を続けた


「嬢ちゃん達も無事だから、そんな下手くそな狸寝入りなんかするなよ」


「狸寝入り・・・?」


その言葉にイアが反応した瞬間、先程まで昏睡していたと思われていたトウヤ達は徐に立ち上がり、自分達を引き摺っていた村人達を殴り付ける


「貴方達・・・気を失ってた筈じゃ!?」


毒入り料理を食べ確かに意識を失っていたと思われていたトウヤ達が突然動き出したことに驚くイアだが、懐からハンカチを取り出し何かを吐き出そうとしている様子を見て全てを察した


「まさか・・・食べてないのですか? 最初から昏睡なんてしていなかった・・・?」


「マインさんが全部教えてくれたからな、サラが催眠状態にあったことも、食事に毒が入ってた事も!」


彼らは村に来る前に対策として付合を考えていたのだ


村人が催眠状態にあればシリ、注意喚起はチリと言った具合である。あくまでこれは見つかった時の対策のつもりで用意していたのだが、まさか最初から見つかり使う羽目に貼るとはトウヤ達自身思ってもいなかった


「確かに貴方の料理は美味しかったですが・・・毒入りなのは頂けなかったですがね?」


「ところでおっちゃん、サラ達を助けたって本当かよ!」


「おお、今は村の外れで待ってるが・・・おい生臭、それとフィリア・・・嬢ちゃんも一緒に来てくれ、解呪と怪我の治療を頼みたいんだ」


僅かに言い辛そうな面持ちで篝野に呼ばれたフィリアはトウヤの顔を向けた


「行ける?」


この場にトウヤを1人で残す事になる。そんな心配から出た言葉に対してトウヤは答える様にブレスレットへと魔力を供給して擦り合わせる


『空間魔法、アクティベート』


「変身!」


『音声認識完了、アクシォン!』


光を振り払うと声高らかに宣言する


「行けます!」


「なら、行ってくる」


3大怪人を打ち倒し、魔人とも戦ってみせたトウヤの宣言にもはや不安は感じられなかった


1人のヒーローの言葉を信じ、フィリアはマインと共に篝野の後を追う


残されたトウヤは先程から言葉を発さないイアを不審に思いながらも、構えを取る


「何故ですか・・・何故」


わなわなと肩を振るわせイアは呟く


「何故私の愛をわかって下さらないのですか! 私は・・・皆さんの事を思って・・・私は・・・」


手で顔を覆い哀しげに叫ぶイア


彼女の言葉の裏にある。他者に対しての慈しみの心は確かにトウヤにも感じられた


だからこそ、疑問に思う


「なぁイアさん、あんた何がしたかったんだよ・・・なんで・・・こんな事を・・・」


村の人々を催眠状態に置き、操り、料理に毒までもった

それでも尚愛を叫ぶイアの姿にトウヤは疑問と本気で哀しんでいる彼女の姿にほんの僅かに同情の様な感情が浮かんだ


「この村の近くにとある遺跡があります。初代勇者と原初の魔王が争ったとされる古戦場が・・・」


「原初の魔王と・・・初代勇者の・・・」


遠い1000年も前の歴史、この新大陸に出現した原初の魔王を討伐するために旧大陸に現れた初代勇者フェイル


まさか縁のある遺跡が近くにあるとは思わずトウヤは驚くと共に猛烈な既視感に襲われる


「あそこは・・・何も無い筈・・・」


「そうです。あそこには何も無い・・・そう思われていました。でもあったんです・・・!」


顔を覆っていた手を除けると、トウヤはその異様さに思わず後退りする


「世界を救う・・・そんな希望が!」


狂気的な笑みを浮かべ、興奮気味になりながらイアは叫ぶ


「原初の魔王の残した遺産! 醜い戦争を終わらせる為の力が! その力で私はこの狂った戦争を終わらせて人々に愛を届けます!」


「遺産・・・終わらせる? 何を言って・・・」


言ってる意味がわからない、わからないからこそ怖い


身体の奥底から感じる目の前の得体もしれない存在にトウヤは確かな恐怖を抱く


「何を言ってるのかわからないと思いますが、それでも良いのです。全てが終わった後、あなた達は幸せになれるのですから」


彼女の足が変異して行く、人としての2本の足は刺々しい見た目に変わり、細長い先の尖った6本の脚が腰から新たに生えて来る


「貴方達は私が守ります。私は貴方達をこの醜い戦争からも、堕婦デアテラからも守ります」


6本の脚の先端を向けると、白い液体をトウヤ目掛けて飛ばして来る


「訳わかんない事をつらつらと・・・! ヒートソード!」


すぐさまトウヤはヒートソードを呼び出し熱線の刀身を展開すると、斬り払っていく


「なんだよ堕婦デアテラって・・・!」


「再転の教会の教義を読めば貴方もきっと理解してくれる筈です! 人々を救う事を邪魔する世界を蔑める邪神だと!」


粘液の勢いが強まり、トウヤは冷や汗を掻きながら切りさばいて行く


「ならなんで村の人達に催眠なんて掛けたんだよ! なんで操ってるんだよ!」


「彼らは尊い犠牲なのです。世界を救う為の尊い犠牲、だからこそこの様な強行手段に出るしかありませんでした!」


「・・・! しまった!」


片足に粘液がへばり付き床と足が固定され意識が一瞬そちらに向く、その隙をイアは見逃さなかった


一気にトウヤの懐へと近付く、迎撃の為にヒートソードを振るうが伸ばされた脚により掴まれ阻まれ侵入を許してしまう


懐に入ってきたイアによる。展開された残り5本の脚と拳の鋭い連撃は固定されサンドバッグの様になっているトウヤへと正確に打ち込まれて行き、ついには膝をつく


「安心して下さい、村の方々や貴方様の身体は一片も余す事なく世界救済のお役に立てるので」


愛に隠れた悪意は嗤う

そいやモンハンワイルドやってると、めっちゃサンチョ食いたくなるんですよね

里飯のあれのせいですねほんと

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